監督=ダミアーノ・ダミアーニ
音楽=カルロ・ルスティケリ
出演=ヴァニ・ド・メイグ、レジナルド・ケルナン、ケイ・マースマン
エルサ・モランテの原作 Lisola di Arturoの映画化。ひとりぼっちのアルトゥーロ。孤独という入れ物の中に閉じ込められて、服はボロボロ。そこに美しい継母ヌンチアータが現れる。世間知らずで非力なアルトゥーロは、気持ちを持てあまし、ただ海を漂う。やがてヌンチアータの無償の愛で、アルトゥーロも自分の愛をみつける。
音楽はベテランで恐妻家としても知られるカルロ・ルスティケリが担当。この「禁じられた恋のボレロ」は映画の中の挿入歌。ここで歌っているファルーという女性歌手の歌はカバー・ヴァージョン。ちなみにB面に『黒いオルフェ』から「カーニバルの朝」が収録されているが、こちらがサントラ。こうして、フイリップスに限らずレコード会社各社は、狡っ辛く売れるようにしていた。ファルーはアルゼンチンに同名の歌手がいるが、そちらではないようだ。しかも、「禁じられた恋のボレロ」なんて殆んど知られていないので、このようにしてニッチなマニアを惹き付けていたのである。
「禁じられた恋のボレロ」ファルー
『禁じられた恋の島』エリオ・ブルーノ楽団
どうやらこのレコード、1961年出た別のレコードのB面だけ差し替えて発売し直した代物のようです。
元のレコードでは、A面が「禁じられた恋のボレロ」(歌唱はファイルーズ。ただし表記は「ファルー」)、B面が「ほほえみをどうぞ」(歌唱はリンダー)になってます。ええ、せこい焼き直し商売です(笑)
ただ、それならそれで、通りの良さそうな「ファイルーズ」表記ではなく、なぜ「ファルー」なんて表記にしたのかが謎です。あるいは、当時は「ファルー」表記の方が一般的だったのかもです。
「禁じられた恋のボレロ」は映画の中の挿入歌とのことですが、困ったことに、私は「禁じられた恋の島」の映画を数分程度しか観ていないので、映画内の歌がファイルーズによるものか分かりません。もし、ホントに映画内で流れたのと同じ音源を使ったレコードなのだとしたら、ある程度良心的な商売だとは言えます。
しかしほんと、なんでレバノンの音楽をイタリア映画に?
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