監督=ロバート・ボルト
音楽=リチャード・ロドニー・ベネット
主演=サラ・マイルズ、ジョン・フィンチ、リチャード・チェンバレン、ジョン・ミルズ、マーガレット・レイトン、ラルフ・リチャード、ローレンス・オリヴィエ
19世紀のイギリス貴族社会を舞台に、天才詩人バイロンに恋した人妻の悲劇を描いた作品。
音楽はノーブルな楽曲を書かせたら、この人の右に出る者はいないと言われる、リチャード・ロドニー・ベネット。今回もサントラではマーカス・ドッズ指揮のロイヤル・オペラハウス・オーケストラの分担作業で、素晴らしい演奏を聴かせてくれている。
サントラはこちら↓
『レディ・カロライン』
さて、問題のニセトラ盤は、やはりYouTubeにはないが、下のレコードジャケット。
こちらはロイヤル・フィルハーモニア管弦楽団というオケの演奏だが、ある人から聞いた話によると、モロに国内覆面楽団による演奏。そして、センプリニになる謎のピアニスト。こちらもサントラ盤との記述はあるが、映画の中では一切流れて来ない。そして、片面はリズ・オルトラーニの『バラキ』愛のテーマ。この辺からニセトラのキナ臭さが感じられる。しかしながら、このオケの演奏、決して見劣り(聴き劣り)するものではない。かなり高度なオケ演奏だが、中盤あたりでセンプリニのピアノと同時に和風のギター演奏も絡んでくる。そもそも、センプリニとは一体誰なんだ?ググってみても、まるっきりわからない。『バラキ』愛のテーマでは、いかにも和風のオケ演奏。やはりピアノはセンプリニなる人物。
日本の音楽水準は、決して低いものとはいえないが、それでもどこかで和風の匂いが漂う。もし、このオデオンレーベルから出ているセンプリニのピアノの入った「サントラ盤」についてご存知の方がいれば、是非ともお教えいただきたい。
右上にピアノ センプリニとクレジットされている。
右上にピアノ センプリニとクレジットされている。
この映画の音楽は、他にも古い時代の気配に満ちた曲があったり、はっきりイギリス調の曲があったり、不吉な曲があったりで充実していますね。
センプリニについてはよく分かりません。イギリスにそんな名前のピアニストは実在しました(アルバート・センプリニ 1908~1990)けど、国内覆面楽団の演奏だというなら違うでしょうし。
正直真っ先に思いつくのはモンティ・パイソンのネタであった「意味は分からないけど、とにかく放送禁止用語」なのですけど、これも多分違うでしょうね。ネタとしてはモンティ・パイソンの方が先(1969年)なので、それを踏まえてミュージシャンの名前をこしらえたのだとしたらいい度胸だと思いますけど(笑)
ODEONはEMI系のようですから、わざわざ別演奏を仕立てる必要性が謎。しかし片面が「バラキ」ですから、やっぱ堂々たるwカバーなんでしょうね。ロイヤルPOと謳うからには、編成がフルオケなんでしょうが、ニセトラだとそれはコスト的に難しいでしょうね。
in Japanを感じましたね。お手元にお届けしているかと思いますので、是非ともお聴きくださいませ。