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母のごとき愛情で石川遼を支える、“メロン軍団”の女性ファンに密着!

2011年12月23日 | Ryo log
 トーナメント会場に来て石川遼のラウンドについて歩くと、あることに気がつくはずだ。やけに薄緑色のグッズをもったギャラリーが多いな、と。

 それは薄緑ではなく、メロン色。石川遼の公式ファンクラブ「R∞F(ルーフ)」の会員の証である。

 ゴルファーとしては極めてめずらしい公式ファンクラブ発足のきっかけは、石川の父・勝美さんの発案だった。高校1年生で勢い込んでプロ転向したものの、しばらくはそれほどいい成績も挙がらないだろう、果たしてどれだけのギャラリーがついてくれるものか。だったらファンクラブをつくって年会費をもらいつつ、継続的に応援してくれる固定ファンを増やそうと考えたのである。

 しかし、勝美さんの心配は杞憂に終わった。石川はどこに行っても大勢のギャラリーに囲まれ、いい成績が挙がらないどころか驚くほどの成長曲線を描いていった。本来の企図とは少し違う状況になったものの、石川のゴルフに魅力を感じてファンクラブに加わってくれる人もそれはそれできちんと存在した。

■約4000人の“メロン軍団”が石川のゴルフを支える。

 予想以上に多くて驚かされたのだが、現在の会員数は約4000人で安定しているのだという。この会員に毎年配られるのがメロン色のグッズであり、初年度の'08年がサンバイザー、'09年はスポーツバッグ、'10年はハンチング帽、'11年はベルト。それらのアイテムを身につけているため、ファンクラブの面々はメロン軍団とも呼ばれることもあるのである。

 主な会員層は、これは予想通りというべきか、30代後半から40代以上の女性たちだ。親子ほどに年の離れた彼女たち。一体、石川遼のどこに魅力を感じてるんですか?

「まあ、はっきり言って、ぜんっぜん恋愛対象じゃない。違うのよ」

 とあるトーナメント会場で話を聞かせてくれたのは、アマチュア時代から石川を追いかけ、主に関東の試合に足を運ぶというベテラン・メロン(そんな言い方があるかは知らないが)の高橋さんと田中さんのお二人である(名前は仮名)。年齢も石川ファンクラブのど真ん中だ。

 二人とも'07年マンシングウェアKSBカップで高校1年生の石川が優勝するまでは、もちろんその存在を知りもしなかった。

■母のように温かく見守るのが“メロン軍団”の応援術。

高橋 「ニュースで見てとんでもない子が出てきたんだなぁと思ったんだけど、あの時はうちの息子にそっくりだったの。息子より遼くんの方が1つ年下なんだけど、『すごい、タカシに似た人が優勝したよ』って。そこで注目し始めたらすごくいい子で、もうどっぷり。スーパースターだけど、その努力もすごいでしょ。息子? 今はあまり似てないかなぁ」

 タカシよ頑張れ、である。20歳そこそこで石川以上に頑張るというのもなかなか酷な注文ではあるが……。なにはともあれ高橋さんがファンになったきっかけは実にわかりやすい例かもしれない。

 彼女たちの周りのメンバーも既婚者で子供がいる人がほとんどだ。恋人の熱情よりは母親のような温かな視線。それゆえに10月になって突如わき上がった彼女騒ぎにも鷹揚でいられるのだ。

高橋「よかったっていうか。頑張ってほしいなって」

田中「親の目線で『この子はいいけどこの子はダメよ!』みたいに思うわね」

――女子アナとかじゃなくてよかったってことですかね?

2人「そうそうその通り」

■試合重視に撮影派……ファンそれぞれの楽しみ方。

 彼女たちは普段はBBSで連絡を取り合っている。北海道での試合などは仲良しメンバーの誰かが行くとなれば、「私も、私も」と旅行がてら一緒に出かける。それなりに経済的に余裕のある家庭であったり、パートしたお小遣いを回すことで遠征費用はまかなう。ツアー最終戦の期間中には約30人が集まって忘年会をするのがおきまりのイベントだ。もちろん関西には関西、東海には東海でまたそれぞれにグループが存在している。

 ただし、一緒に行動していても愉しむポイントはそれぞれ微妙に違うのがまた興味深い。

田中「私はトークショーとかファンの集いよりも試合が見たい。緊張感のないプロアマはつまらないんで、プロアマを見るよりは予選ラウンドに行きたい」

高橋「プロアマが好きな人は、プロアマ重視で日にちの都合をつける人もいます。写真が撮りたいからって」

 鉄道ファンに乗り鉄や撮り鉄などがあるように、遼ファンにもさまざまなバリエーションがあるものなのだ。

■特別扱いされなくてもいい。遠くから見守るだけで……。

 女子ツアーの会場でもおそろいのTシャツを着込んだ私設応援団のようなファンをよく見かける。選手にもよるが、彼らは直接おみやげを手渡したり、ラウンド後に選手と談笑していることだってある。

 それに比べて石川遼ファンクラブは公式の組織であるにもかかわらず、定例のイベントといえば1年に1回のファンの集いがあるぐらい。ツアー会場では会員だからといって特別扱いをしてもらってる場面は見たことがない。石川が何かよくしてくれるということもないように思えるのだが……。

田中「ないないない! むしろ避けられてるんじゃないの(笑)。やっぱり遼くんは私たちの顔も分かってるからね」

高橋「本当に最初の頃は遼くんもファンの人がついてうれしかったと思うんだけど、今はファンの数や騒ぎが普通じゃないし、やっぱり警備をつけなきゃいけない状況になってしまっている。遼くんの身の危険を感じるから、こっちもそれは仕方ないと思うし、そうしてでも守ってほしいと思う。遼くんもそれは本意ではないのかもしれないけど、ねぇ……」

■石川を追ううち、池田勇太や近藤共弘のファンになることも。

 石川の置かれた立場を理解し、現実を受け入れる。

 サインをもらいに突進することや写真をねだって腕をつかむようなこともない。恋が盲目であるならば、彼女たちのそれはやはり恋ではなく、母親のような愛情なのかもしれない。

 なかには石川を追いかけて会場に来ているうちに、ぶっきらぼうに見えて優しい池田勇太やヤサ男風な近藤共弘に乗り替える人もいるという。それもそれで正しいファンのあり方だろうし、そうした面で石川が他の選手に自らの人気を還元している部分も確実にあるのだ。

 もちろんファンである以上、達観ばかりではいられない。時には少女のような淡い空想を抱くことだってある。

 高橋さんは遼ファンになってからゴルフを始めた。以前からゴルフをやっていたという田中さんら周囲のメンバーも熱心に練習に励んでいる。それはなぜか。

■「いつか遼くんと一緒にゴルフするのが夢」

高橋「いつか遼くんと一緒にゴルフするのが夢でみんな頑張ってる。だって急にコンペが開かれることになって『今回の出場資格は100を切ってる人です』って言われたら困っちゃうでしょ? その時にハッタリでも言えるぐらいにしとかないと」

田中「大叩きしたって、今日は調子が悪かったってとぼけられるぐらいにね」

 夏になるとメンバーが集まって自分たちでコンペも開催している。いつかその腕前を石川の前で披露する機会が訪れるだろうか。

高橋「近所の人にもいつまで熱いの? って聞かれるし、いつかは終わるのかなとは思うんだけど。マスターズ優勝までは見届けますよ」

田中「そこで終わりじゃない。殿堂入りしてもらいましょう」

 '11年の石川は未勝利に終わり、年内でマスターズ切符を確定させることもできなかった。それでも来季も彼女たちの献身に変わりはない。石川の夢へと続く道辺には、今日もおだやかにメロンの花が咲いている。

(「青春GOLF ――石川遼に密着!」Number Web)

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