礼文島にとまった翌日、朝5時前に眼が覚めてしまった。。耳を澄ますとかすかに雨音が聞こえる。一瞬暗然となる。今回の旅行で一番楽しみにしていた、礼文島ハイキングがこれでは出来ない。朝食後相談した結果レンタカーを借り、午前中は島内の主だった所、スコトン岬、澄海岬、高山植物園、鉄府漁港などを見て廻り、午後からの天候回復を待つことにした。
嬉しいことに午後になって雲も切れ陽が射すようになってきたので、桃岩展望コースを歩くことにした。香深港(村上春樹の「海辺のカフカ」lを連想させる)からは登りで1時間少しで桃岩展望台へついた。16時のフェリーまでまだ時間があったので金梅の谷まで歩を延ばす。天候は更によくなってきた。花園の向こうに利尻山の秀麗な姿が見えてきた。背の高い木がまるでないので、晴れると遠くまで展望が利く。
風が心地よく、汗をふき取ってくれる。辺り一面には様々な高山植物の芳香が複雑に絡み合って広がる。眼をつぶるとかすかに潮の香りがし、波の音さえ聞こえるかと思えるほどだ。静かだ。雲が切れると一瞬柔らかな光線が満ちてきて、こわばった心を解きほぐしてくれる。世界は祝福され、時は歩みをゆっくりと止める…
思いをそこに置いたまま、我々は下山した。振り返ることは出来なかった。
嬉しいことに午後になって雲も切れ陽が射すようになってきたので、桃岩展望コースを歩くことにした。香深港(村上春樹の「海辺のカフカ」lを連想させる)からは登りで1時間少しで桃岩展望台へついた。16時のフェリーまでまだ時間があったので金梅の谷まで歩を延ばす。天候は更によくなってきた。花園の向こうに利尻山の秀麗な姿が見えてきた。背の高い木がまるでないので、晴れると遠くまで展望が利く。
風が心地よく、汗をふき取ってくれる。辺り一面には様々な高山植物の芳香が複雑に絡み合って広がる。眼をつぶるとかすかに潮の香りがし、波の音さえ聞こえるかと思えるほどだ。静かだ。雲が切れると一瞬柔らかな光線が満ちてきて、こわばった心を解きほぐしてくれる。世界は祝福され、時は歩みをゆっくりと止める…
思いをそこに置いたまま、我々は下山した。振り返ることは出来なかった。