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花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

それでも上野駅

2025-03-28 | 逸話
 上越新幹線の東京駅乗り入れが始まったばかりの6月のある朝、私は上野駅へ行った。そこで朝食をとろうと、不忍口の通路に面した食堂「都」に入った。
トーストのセットを注文しようとメニューを見ると、「モーニングセット」とか「朝定食」とか書いてあった。英語に少々つよい私は、モーニングセットは朝定食のことだと勘違いして、「朝定をください」と注文した。そして、紅茶ではなくコーヒーにしてほしいと言うと、注文係の中年の男性が怪訝そうな顔をした。
「あの~、トーストにはコーヒーをつけてください」と言い直したら、彼は「それはモーニングセットだ!」と、私を軽蔑するように睨みつけて、書きかけた注文伝票を荒々しく破ってしまった。私は周りの客の視線を感じた。
言わせてもらえば、ちょうど一年前に同じこの食堂で、外人客と話が通じなくて困っているレジ係りに通訳してやったのはこの俺だったはずだ。しかも、すぐ筋向いの食堂「聚楽」では食品サンプルを置いて「モーニングセット」と「和定食」を分かりやすく区別しているではないか。
モーニングセットと朝定食の違いを知らなかった私は確かに田舎者だが、客に対してこれだけ感情をむき出しにする店員も、垢ぬけしていない相当な田舎者である。
しかし、こんな「田舎者」どうしが寄り集まっている上野駅に私は惹かれている。都会の波に乗り切れない、都会にいても絶対に洗練されない、純粋な人間を私は好きだ。彼らはきっと、新幹線の時代になっても、『あさま』や『はくさん』に乗っている人たちなのだ。
 朝食を終えて上野公園に出た。西郷さんの前から上野駅のホームを見下ろすと、梅雨の合間の太陽に、ローカル列車のパンタグラフが光っていた。

『がんぎ』No.30  (新潟県立高田高等学校図書委員会 平成3年発行)より

   上野公園


わたしアセっちゃう

2024-09-14 | 逸話
 わたしアセっちゃう(再掲)
平成時代の高校での受業で。
 1学期末試験が終わって答案を返した。2年生の教室にはエアコンなどない。30度近い教室内。生徒は下敷きやうちわ、扇子などを使っている。
返却した試験問題の解説をしたが、時間が余った。授業をする気になれずに、
「扇子を使うなんてナンセンスだ。自分の答案を見て冷や汗かけば、エアコンなしでクールダウン。
『答案を 見てかくものは 恥と汗』。今日はアセらずにやろう」と親父ギャグを連発していると、
「先生、早く授業してよ~」と祐佳莉が言った。
「おお、ゆかりは、やる気満々だね」と皮肉っぽく反応すると、
「違うってばあ。せんせいの寒~いギャグ聞いてると、わたし汗っちゃうよ~」

 ご訪問、ありがとうございました。(ゆ~)


コロナにかかりました

2024-08-16 | 逸話
令和6年8月16日

4日前の火曜日夜に顔が火照ったり、寒気がしたり。夜中に体の節々が痛んだりした。

水曜日には体温が37.7°cになったが、夏風邪だろうと思って、風邪薬を飲んだが、せき込んだり、痰が出るようになったので、
昨日木曜日に病院に行った。

隔離されたVIPルームで、鼻を棒でつつかれて、待たされること約10分。
看護師さんに案内されて特別診察室へ入ると、医師から渡された「検査結果」は、COVID19抗原(+)だった。

医師の説明によると、発症から5日で症状が治まり、10日で完治するらしい。
「なにか思い当たることがありますか?」と聞かれた。

11日の日曜日に40年ほど前に学級担任をした生徒(今は55歳)たちの同級会があって、調子に乗って大声で話をしたり、2次会では「俺の高校時代からの親友に贈りたい歌だ」といって、村木騨の『友情の星』や、「俺の中学時代の同級生の半数以上は岐阜や名古屋や大阪へ就職していった、その彼らに贈る歌だと言って、霧島昇の『誰か故郷を想わざる』を歌ったりした。

今日でコロナ発症から4日目、喉が少し痛むだけで体調は良好です。





クリーン嫉妬

2023-06-10 | 逸話
   平成時代の高校生
一年生の最初の授業で;
この時間に学ぶ科目は『英語G』です。私が教えるから「ジイ」なのでなく、
Grammar(文法)の頭文字のGです。だから、風貌から連想して私のことを『G先生』呼んではいけません。
 『ジイさん』と言った者は減点対象です。ふつうは、Yu-先生って呼ばれているんだけどさ、一度でいいから『冬物語』のYun(ヨン)様って言われてみたいんだよね。
…そして3週間がたったある日の授業で:
板書している最中に、背後で「おジイ」という声がした。
「オイッ、今「ジイ」と言ったのは誰だ!きっと咲良(さくら)だな!」
「はい、すいませ~ん。うちのお爺さんの話なんです」
「そうかあ。咲良はオレ一人の可愛い孫だと思っていたのに、本当のおじいさんがいたのかあ」とつぶやいて、教壇に戻ろうとしたら、
「あっ、せんせい嫉妬してるう」と咲良。
私「そう。さくらが欲しい、花いちもんめ。・・・これを『Gの三角関…係って言うんだよ」
するとギャラリーから一声「おお、ゆ~先生のクリーンシットだ!」
・・・珍しく駄洒落が見事にヒットした瞬間でした。

東京ドームホテルのロビーの壁画(平山郁夫)



ぼくは「昼行性」です

2023-01-18 | 逸話
これは、sakurako62(さこ)さんから発掘してもらった過去ログです。

   ヤマネの生態に関する授業中での逸話です。
  Yamane lives only in Japan. It spends almost half of its life sleeping. 
Yamane is nocturnal and hibernates high in the mountains.
   注:nocturnal ノクターナル 夜行性の hibernate ハイバネイト 冬眠する
 ヤマネは日本にしかいません。生涯のほとんど半分を眠って過ごします。
ヤマネは夜行性で、山の高いところで冬眠します。

 居眠りしている生徒に声をかけた。
 「オイ、マサヤ!君は夜行性かい?」
雅也、「いいえ、ぼくはチュウコウセイです」
雅也くんのギャグを理解できていない私、
「なに?中校生?君は高校生ではなくて、まだ中学生なのかい?」