平成時代の高校生
わたし、汗っちゃう‼
一学期末考査が終わったが、あと2週間あまり授業がある。
梅雨明け間近の、じめじめした真夏日。教室にはエアコンなどない。
生徒は、うちわや下敷きなどで顔を冷やしている。扇子を持参している者もいる。
2年生の教室で:
「おい、おい、先生が我慢しているのに、君たちは態度がでかいぞ。下敷きくらいなら可愛いけど、扇子を使うなんて、いい身分だな」と言ったら、
「せんせい、僻んじゃダメだよ。あたいが扇いであげるね」と由香里。
「ありがと。でも、まず、試験の答案を返却するから」
答案を返して、解説をして、時間が余ったが、授業をする気になれずに、
「扇子使うなんてナンセンス。答案を見て冷や汗かけば、エアコンなくてもクールダウン。
答案を見てかくものは、恥と汗。だから、今日はアセらずにやろう」
などと、親父ギャグを連発していたら、由香利が、
「せんせ~早く授業して~!」
私、「おお、今日のゆかりは、やる気満々だね!」
由香利、「違うってば~っ。せんせいの、さむ~いギャグ聞いてると、
あたし、アセっちゃうよオ」
※県立高校にエアコンが完備されたのは、平成20年以降である。