ゆっくり行きましょう

気ままに生活してるシニアの残日録

健診後「自家焙煎珈琲庵」でほっと一息

2023年05月24日 | カフェ・喫茶店

今日は半日ドックけた。東京都内にあるクリニックだ。朝8時30分受付、コロナの前のようには混んでいなかったので、10時20分くらいには終了した。費用は48,600円、後から地元の市から補助が2万円出る。胃カメラも含めてこの値段なので適当な値段だろう。昨年は全額市の補助で受けられる市の指定病院で健診を受けたが検査項目も少なく、病院側が受診者を大事に扱っていないように感じたから以前と同様、都内のクリニックの半日ドックを選んだ。

さて、健診が終わったら近くにある喫茶店で休むことにしている。コロナ前はクリニックの中に喫茶室があり、人間ドックを受けた人は無料で利用できるようになっていたが、コロナ後はそれがなくなったから、近くの喫茶店を探して一休みするのだ。やはり胃カメラを飲んだり、心配な検査項目があったりして、それが無事終了すると、何はともあれ、よかったねで、休憩したくなる。

この「自家焙煎珈琲庵」は春日駅から直ぐの場所にある落ち着いた感じの喫茶店だ、朝早くからやっているのでありがたい。店内にはカウンター席とテーブル席があり、結構な人数が収容できる。何人かの先客がいたが、テーブル席に案内され、本日の珈琲であるブラジル550円を注文した。店内には新聞などもおいてある。クラシック音楽が流れている落ち着いた空間で、ゆったりできる。珈琲豆も売っている。店主が豆を挽き、ドリップで抽出して、淹れ立ての珈琲を出してくれるので大変おいしかった。

まだ検査の結果は全部出ていないが、胃カメラなど直ぐにわかる項目には大きな問題は無かったことを祝い、帰路についた。

 


「藤店うどん川越店」で昼食

2023年05月22日 | グルメ

川越に用事があって来たので、昼食は何度か行っている「藤店(ふじだな)うどん」のうどんが無性に食べたくなった。16号線の新宿町(あらじゅくまち)3丁目の交差点を曲がって直ぐにある。いつも駐車場に入れるのに一苦労するほど混んでいるが、今日はちょっと早めに来たので直ぐに駐車できた。

待たずに入店して2人がけの席に案内され、メニューから「肉汁うどん」と「きのこ汁うどん」をたのむ、それぞれ並盛りで880円、最近値上げしたようだがまだ安い。

店内は正方形で窓も広く、明るい、次々と客が入ってくる、ここの良いところは店員が皆元気なおばちゃんたちであることだ。「いらっしゃいませ」、「有り難うございます」、「お待たせしました」など元気に声を出すし、作業もテキパキしている、客さばきがうまい。見ていて気持ちいい。

出てきたものを見ると、うどんは汁とべつ盛りとなっていて、つゆにはきのこや肉、ネギなどが一杯入っている。つゆはそれほど濃くなく、ちょうど良い、麺もコシがあってうまい。今日は私はきのこ汁の方を食べたので写真もきのこ汁のをのせたが、肉汁うどんもうまい。川越はうどん屋が多いようだが、まだそれほど多くの店を訪問したわけではない。ただ、今まで行った店の中ではこの店が好きだ。

全部食べきって、気持ちよく店を後にした。ご馳走様でした、また来ます。


松戸の「そば処関やど」で夕食

2023年05月21日 | グルメ

今日はゴルフの後、久しぶりに松戸の蕎麦屋、「関やど」に行ってみた。関やどは蕎麦屋の他に天ぷら屋、寿司屋をやっているが、最近、寿司屋は廃業したようだ。そこで今日は蕎麦屋でゆっくり憩うことにした。

この蕎麦屋は以前よく来た。その後、人気が出て店の前を通ると行列ができているので、しばらく敬遠していたが、久しぶりに行ってみたくなった。

店に入ると、以前と変らない老舗蕎麦屋の良い雰囲気、先客は少しで席は余裕がある。店内からは庭が見えるのでその横の席に。入口の扉には張り紙で鴨の入荷がないので鴨関連のメニューは提供できない、と書かれていた。ここの鴨南蛮そばが好きだったので残念。さらに玉子不足でだし巻き玉子もないそうだ。

そば前に、ビールとつまみを何種類か注文、焼き海苔、豚角煮、アスパラ天ぷら、帆立天ぷらなどを注文、ビールの後は冷酒1合。その後、蕎麦は天ぷら蕎麦を注文、嫁さんは紫蘇切り蕎麦を注文。おいしかった。味は確かだ。

今日は時間が早かったせいかあまり他の客は来なかったが、いつまでも残ってほしい蕎麦屋である。そう思うならたまに来なければなるまい。


「板谷波山記念館」に行く

2023年05月20日 | 美術

今日はゴルフの後、帰り道にある下館の板谷波山記念館に行ってみた。初訪問である。入場料は210円と安い。

板谷波山(1872-1963、91才没)は茨城県出身の、明治後期から昭和中期にかけて活動した陶芸家であり、「波山」は故郷の名山である筑波山に因む。日本の近代陶芸の開拓者であり、陶芸家としては初の文化勲章受章者である。テレビでもよく紹介されているし、映画もある。

彼の作品はこの記念館だけでなく、直ぐ近くにあるしもだて美術館、ちょっと離れた広澤美術館にもあるが、この記念館だけまだ行ったことがなかった。

記念館の中に入ると、波山の生まれ育った家があり、その横に作品展示室、奥に作業棟があり、その中には東京の田端にあった窯を移築したものが展示されている。そして波山の映画の一部も放映されている。この映画を観ると、この窯(だと思うが)を初めて作って火を入れたとき、なかなか温度が上がらなかった、しかし、所定の温度まで上がらないと陶芸は失敗に終わり、波山の夢は終わる。そこでもう燃やす薪もなくなって最後は家の雨戸を全部薪がわりにして温度を上げたことが映されていた。

焼き窯の温度を上げることがいかに大変かは2、3年前の朝ドラ「スカーレット」を見て初めて知ったので波山夫婦の苦労のほどが想像できる。

波山は第2次大戦後、地元の戦没者の遺族や80才以上の高齢者に香炉や鳩杖を贈呈した。波山の人となりがうかがえる話である。

5月20日からは、波山没後60年の節目として「陶の詩人」と題した板谷波山記念館としもだて美術館の連携展示(後期)が開催されるそうなどで、今度はそれを観に行きたい。


「ゴールデンレイクスCC」でゴルフ

2023年05月20日 | ゴルフ

栃木県真岡市のゴールデンレイクスCCでゴルフをした。今年2度目の訪問である。

このコースは南国風の作りで、カートのコース内乗り入れOKで、アメリカンスタイルのワングリーン、フェアウェイとグリーンのきついアンジュレーション、池が特徴で、距離はそれほど長くないが難しい。グリーンスピードは9ftでまあまあ。

今日は天気もよく、日中は35度くらいあったのではないか、だが、コースは混んでいた。シニアの方々のコンペも入ってた。若者も多く見かけた。コースは混んでいたが進行はよかった、ほとんど詰まることなく、ハーフ2時間程度で回れたのは来ている人がゴルフ慣れしていることとコース側の運営がよいからだろう。こういうコースが好きだ。この両方がダメなコースではこの炎天下でコースに1時間以上多く待ち時間で滞在しなければならず、ストレスがたまるし体にもよくない。値段が安くてもそんなコースには行きたくない。楽天ゴルフやゴルフダイジェストなどの予約サイトのユーザーレビューで「プレーの進行」という評価項目がないのは大きな不満だ、設けてほしい。

さすがに今日はプレー後風呂に入って汗を流した。まだ時間が早いのでいつものように帰りにどこか寄ろうと思い、下館美術館を目指したが、展示替えで休業中。そこで今日はその近くの板谷波山記念館に寄って帰った。

お疲れ様でした。

 

 


北千住「千住宿 珈琲物語」で休憩する

2023年05月19日 | カフェ・喫茶店

美術鑑賞の帰りに途中下車して北千住の「千住宿 珈琲物語」にいってみた。初めて行く喫茶店だ。北千住駅から歩いて10分くらいかかるだろうか、場所はわかりやすい。現役時代は仕事の帰りに北千住でよく途中下車して飲み歩いたものだ。駅のそばに居酒屋がいっぱいあるのだ。「永見」で飲んで、適当なところで切り上げ、すぐとなりの立ち飲み「天七」で串揚げを食べて締める。ゴールデンコースだ。値段は安い。サラリーマン飲んべえの聖地といっても良い場所だ。

リタイアしてからはもっぱら昼間に喫茶店に寄る健全な生活になった。店に入ると、空いている席にどうぞ、ということなのでカウンター席に座った。テーブル席も結構ある。カウンター後ろの壁には一面びっしりコーヒーカップが収納されている。珈琲豆も焙煎して販売しているようで、珈琲の種類も多い。

今日はマイルドブレンド580円を選んだ。店主が豆を挽いて、ペーパードリップで抽出している。味は苦みがある好きなタイプだった。ここは食事もいろいろできるようだ。夫婦だろうか店主と女性と2人でやっているようだ。結構客も入ってきているので地元の固定客をしっかりつかんでいるのだろう。雑誌や新聞などもおいてあった。

ゆっくり30分くらい過ごして帰路についた。ほんと、こういう喫茶店が地元にほしいよ。

ご馳走様でした。


静嘉堂@丸の内で「明治美術狂想曲」展を観る

2023年05月19日 | 美術

静嘉堂@丸の内で開催中の展覧会「明治美術狂想曲」展を観に行ってきた。新聞に載っていたから行ってみたくなった。1,500円。静嘉堂は以前、世田谷区にあったが最近、丸の内の明治生命ビルに移った。前から一度行ってみたかったが機会が無かった。今回、曜変天目も展示されていると知ってさらに行ってみたくなった。

静嘉堂は三菱グループの岩崎彌之助と岩崎小彌太が創設・拡充させた。現在、国宝7件、重要文化財84件を所有し、およそ20万冊の古典籍と6,500件の東洋古美術品を収蔵しているという。静嘉堂という名前は中国古典からとったもので、彌之助の堂号で、祖先の霊前への供物が美しく整うという意味だそうだ。

今回の展覧会について、美術館の説明では「明治時代は「美術」が産声を上げた時代、「美術」という言葉が誕生し、博覧会が開催され、美術館が初めて設置された。社会全体が西洋化する一方、古美術品の再評価や保護、日本美術史の編纂も、明治時代の重要な出来事。展覧会では、現代の「美術」につながる諸制度・文化が生まれた明治時代を立脚点として、静嘉堂のコレクションの中から岩﨑家とゆかりが深く、当時としてはセンセーショナル、しかし現代でも色あせない明治美術を展示する」とある。

ギャラリーは1から4まであり、以下のようになっている

ギャラリー1 「美術」誕生の時、江戸と明治のあわい(crossover)
ギャラリー2 明治工芸の魅力、欧米好みか、考古利今か
ギャラリー3 博覧会と帝室技芸員
ギャラリー4 裸体画論争と高輪邸の室内装飾

いくつか感想を述べてみよう

  • 美術館はそれほど広くなく、1時間もあれば十分鑑賞できる展示量であった、写真はホワイエ以外は禁止であった(残念)
  • 展示作品ではなんといっても黒田清輝の「裸体婦人像」が強烈だ、最初に日本で展示された時、あまりに刺激的なので警察の指導で下半身を覆う腰巻きをかけて展示した、本展ではもちろん腰巻きはないが現代においても非常に艶めかしい絵だ。この絵は、黒田がパリ万博に出展した「智・感・情」という若い女性の3つの裸体画3部作(これは上野の黒田清輝美術館にあり何度か観たことがある)が師のラファエル・コランに不評だったために奮起して現地フランスで描いたもの。当展覧会の図書の表紙にもなっている。その後、岩崎家の所有になり港区の高輪邸に展示されていた。まさに、「当時としてはセンセーショナル、しかし現代でも色あせない明治美術」というのはこの作品のことだろう。
  • その高輪邸であるが、ギャラリー4で室内装飾の展示がある。この高輪邸には仕事で一度招待されて食事をご馳走になったことがある。高輪邸は開東閣(かいとうかく)という名前の三菱グループの接待施設(非公開)となっているが洋風建築の建物と広い庭園がある贅沢な施設だった。
  • 展覧会のテーマとは関係ないが、世界で3つしか完成品が残っていないという国宝、曜変天目(稲葉天目)が展示してあり、鑑賞できたのはうれしかった(上記の写真参照)。多分、初めて観たと思う。青・藍の色合い、模様が素晴らしい。思っていたより小さかったが素晴らしい作品であった。
  • 入口を入ると直ぐに正方形のホワイエがあり、ギャラリーがその回りを囲むようにある。ソファーもあり、鑑賞中或いは鑑賞後に休憩するのに便利だ。

観に行く価値は十分あると思った。

 


歌舞伎座新開場十周年「團菊祭五月大歌舞伎」を観に行く

2023年05月18日 | 歌舞伎

今月も歌舞伎座公演を観に行ってきた。今回は昼の部。先月は歌舞伎座まで来て、仁左衛門休場のことを知って驚いたが、今回は無事に観劇できた。席はいつもの3階A席6,000円だ。オペラグラスを持って行けばこの席で十分だ。劇場はほぼ満員で、主として中高年のおばさま方が多かったのはいつものことだ。

寿曽我対面

曽我ものといわれる仇討ち劇だが、仇討ちの場面はない。いろんな曽我ものが作られたが河竹黙阿弥がそれらを整理してこの寿曽我対面という作品に仕上げて、それ以降は、曽我ものといえばこの対面が演じられるようになった。

この演目では歌舞伎の役柄のすべてが登場するめずらしい演目、役柄とは、立役【たちやく】(男性の善人)、敵役【かたきやく】(男性の悪人)、女方【おんながた】(女性)があり、他に道化【どうけ】、老役【ふけやく】などがある。それゆえ、賑やかな舞台になる。

曾我兄弟を演じた右近、松也やよく頑張った。

工藤左衛門祐経 
曽我五郎時致  
曽我十郎祐成  尾上右近
小林朝比奈   巳之助(33、大和屋、三津五郎長男)
化粧坂少将   悟(32、大和屋、女方)
八幡三郎    玉(かんぎょく、26、大和屋、梅玉の養子、女方)
梶原平次景高  吉之丞(56、播磨屋)
近江小藤太   鶴梶原平三景時  
鬼王新左衛門  友右衛門
大磯の虎    春(75、加賀屋、梅玉実弟、女方)

さて、この舞台の終了後は昼食タイムだ。1人で来たときはおにぎりとかサンドイッチなどで簡単に済ませることもあるが、嫁さんを連れてきているときは、やはり幕の内弁当などを買って食事を楽しむのは必須だ。我々はいつも三越で弁当を買って、松屋で甘味を買って幕間に食べて楽しむことにしている。今日は、私は日本橋辨松の弁当にした(1,400円くらい)。甘味はいつもの松屋にある「茂助だんご」だ。

若き日の信長

信長は若いころ、慣習もしきたりも無視して傍若無人なふるまいをすることから「うつけ者」などと呼ばれていた。信長自身は物事を過去のしがらみにとらわれずに考え、合理的に行動していたが、周囲の理解がなく密かに悩んでいた。一番の家臣平手中務政秀でさえ真に信長を理解していなかった。このような斬新な見方をしてこの歌舞伎を書いたのが大佛次郎だ。

昔は歌舞伎作者はそれ専門の職業であり、作品は時代物、世話物、舞踏に分類されていたが、現代では大佛次郎など専門外の劇作家や文学者がつくる歌舞伎作品がある、これを現代歌舞伎という。本作もそうだ。ただ、見終わった感想としては、明治座などでやるお芝居と何が違うのかあまりよくわからなかった。

当代團十郎は、信長をよく演じていたし、お似合いの役だと感じた。当代團十郎と一般的な信長のイメージとが重なる感じがする。

織田信長    團十郎
木下藤吉郎   右團次
弥生      児太郎
五郎右衛門   男女蔵
甚左衛門    
監物      九團次
林美作守    
僧覚円     
林佐渡守    
平手中務政秀  
玉(76、高砂屋)  

音菊眞秀若武者(岩見重太郎狒々退治)

題名の「おとにきく まことのわかむしゃ」は、「おと」は音羽屋を、「きく」は菊五郎を表している。眞秀は既に寺島眞秀の名前で舞台を踏んでいるので、今回が初舞台ではないのではと思うが、業界用語では、寺島眞秀としての出演は「初お目見え」であり、今回、初代尾上眞秀としては「初舞台」となる。

豪華メンバーによる初舞台、女方、立ち役両方を華麗にこなした眞秀、立派だったしかっこよかった。この家系に生まれたからといって安泰というわけではなかろう、10才の子供ながら大きなものを背負って役者として身を立てる決断をした眞秀は立派なものだ。

岩見重太郎  
弓矢八幡   
長坂趙範   
藤波御前   菊之助
大伴家茂   團十郎
渋谿監物   彦三郎(46、音羽屋、楽膳長男)
趙範手下鷹造 坂東亀蔵(44、音羽屋、楽膳次男)
腰元梅野   枝(35、萬屋、時蔵長男)
若者萬兵衛  萬太郎(34、萬屋、時蔵次男)
同      光作 巳之助
同      佑蔵 尾上右近
重臣布勢掃部 
局高岡    
重臣二上将監 善 
  

   
今日はゆっくり楽しめた。どの演目だか忘れたが長唄の杵屋勝四郎と杵屋巳太郎が2人で出てきて三味線で唄ったのはよかった。また来月も観に来たい。
   
   
   
   
   
   

   
   
   
   


森美術館「ワールド・クラスルーム」展を観に行く

2023年05月17日 | 美術

六本木ヒルズ内にある森美術館で開催中の展覧会「ワールド・クラスルーム(現代アートの国語・算数・理科・社会)」展を観に行った。森美術館に来るのは10年ぶりくらいかもしれない。料金は夫婦2人分で3,600円。

美術館の説明では、展覧会の狙いを「1990年代以降、現代アートは学校の授業の国語・算数・理科・社会など、あらゆる科目に通底する総合的な領域ともいえるようになってきた。それぞれの学問の最先端では「わからない」を探求し、歴史を掘り起こし、過去から未来に向けて新しい発見や発明を積み重ね、私たちの世界の認識をより豊かなものにしている。現代アーティストが私たちの固定観念をクリエイティブに越えていこうとする姿勢もまた、こうした「わからない」の探求に繋がっていうる。そして、現代美術館はまさにそうした未知の世界に出会い、学ぶ「世界の教室」とも言える。この展覧会は、学校で習う教科を現代アートの入口とし、見たことのない、知らなかった世界に多様な観点から出会う試みである」としている。

展覧会のセクションは「国語」、「社会」、「哲学」、「算数」、「理科」、「音楽」、「体育」、「総合」に分かれて展示されていたが、面白い切り口だと思った。実際に展示作品を観ていくと「これ何?」というような観る人に考えさせる作品ばかりである。既存の概念では説明できない作品も少なくなかった、少し笑ってしまうおかしい作品もあった。観ていて全然退屈しなかった。

観た作品で印象に残っているものを少しだけ記してみると

  • 田部友一郎氏の「見えざる手」という作品には笑った。暗い壁に3つの縦長のスクリーンがあり、そこにマルクスとケインズとアダム・スミスの化身が写り、プラザ合意のことについて議論しているのだ。誰のためにやったんだとか、ひどい合意だとか、ケインズの理論ではどう説明するのだとか、お互いの理論を出して皮肉交じりに批判しあっているのだ。
  • 作曲家・指揮者のグスタフ・マーラーの使っていたメガネを使って彼の交響曲10番の楽譜を見た写真があった(下の写真左参照、米田知子作)

観た後の感想と若干のコメントを述べよう

  • 現代アートはなかなか親しみにくいな、と感じていたいが、今回展示されている作品は比較的わかりやすいものであたっと思う。抽象的な作品は少なく、何かを暗示したり、皮肉ったり、問題提起したりしているものが多く、説明書きなどを読むと作者の作品に込めた意図、狙い、問題提起などがわかるようになっていてよかった。
  • 断りのない限り写真撮影OKであったのは有難い。
  • 作品の説明書きのパネルだが、あまりに小さい、文字が小さい、これではシニアや近視の人は読むのに一苦労だ。しかも照明も暗い、配置もかがんでみないと読めない位置である。もう少し観る人の立場になったものにしてもらいたい。
  • 作品数が多すぎるように思う。まともに一つ一つ観ていくと一日かかるだろうし、それでは非現実的だ。もう少し作品を絞って、料金も安くすることも必要なのではないか。

美術館は54階にある。Tokyo City Viewと同じフロアだ。美術館に入場した人は追加料金500円でシティービューにも入れるが、シティービューの入口の前に無料でビルの外の景色が見られる場所がある。時間がない人はここで十分展望を楽しめる。今日は雨だったのが残念だった。


歌劇「ファルスタッフ」を観る

2023年05月16日 | オペラ・バレエ

BS放送でハンブルク国立歌劇場の歌劇「ファルスタッフ」(全3幕)を観た。収録2020年1月19日。約2時間。

今回観たパフォーマンスの特徴、感想を述べてみよう

  • ダークで暴力的な作品解釈で知られるカリスト・ビエイトの演出はよかったと思うが、オーソドックスな演出に比べると一ひねりも二ひねりもした演出だった。色彩・照明などはカラフルで好きだ。
  • ファルスタッフのアンブロージョ・マエストリ(当時50才)はファルスタッフ歌いとして有名らしいが、体型が役のイメージにピッタリなことが一番その印象を強くしているのだろう。
  • フォード夫人アリス役のマイヤ・コヴァリェフスカも色っぽくて、美人で、スタイルもよく、大活躍していた。
  • フォード役のマルクス・ブリュックは、滑稽さを出してダメ亭主、やきもちやき亭主をうまく演じていた。
  • 新国立劇場で観たファルスタッフの時も感じたが、やはり、戯曲をベースにしたオペラの音楽というのはいまいちという印象がある。今回も同じことを感じた。元々オペラを想定して作られたものではない戯曲に曲をつけるのが無理があるように思える。

音楽:ヴェルディ(彼の最後のオペラ)
演出:カリスト・ビエイト
初演:1893年2月9日 ミラノ・スカラ座
原作:シェイクスピア『ウィンザーの陽気な女房たち』
台本:アッリーゴ・ボーイト

<出演>

ファルスタッフ  :アンブロージョ・マエストリ
フォード     :マルクス・ブリュック
フォード夫人アリス:マイヤ・コヴァリェフスカ(Maija Kovalevska、43、ラトビア)
ナンネッタ    :エルベーニータ・カイタージ
フェトン     :オレクシー・パルチコフ
カイウス     :ユルゲン・ザッハー
クイックリ夫人  :ナデジュダ・カリャジナ
ページ夫人メグ  :イダ・アルドゥリアン

管弦楽:ハンブルク国立歌劇場管弦楽団
指揮:アクセル・コーバー