ゆっくり行きましょう

気ままに生活してるシニアの残日録

足利「COFFEE コピコピ」で憩う

2023年04月22日 | カフェ・喫茶店

つつじが岡公演を後にして足利フラワーパークに向かう途中、開園時間にはちょっと早すぎるので館林駅前で喫茶店を探したところ、この店をGoogleマップの検索で見つけたので、行ってみた。館林駅からは車で5分くらい。

店の前に駐車場があり、そこに停めて店を見ると古い木造のレトロな感じの外観、入口が2つあり右側はコーヒー豆の販売所のようだ、喫茶は左側のドアから入る。

入ってみると普通の家を喫茶店に改造したような郷愁の感じる内部、カウンター席とテーブル席があり、テーブル席に座る。コーヒーとアイスオレをたのむ、一つ550円くらいだったか。コーヒー豆の焙煎・販売を旦那が、喫茶を奥さんがやっているように見えた。コーヒーは注文を受けてから豆を挽き、抽出しているようだった。

コーヒーは大きめのカップにたっぷりと入っており、飲んでみるとビター系の味、酸味のきいているものよりはビター系が好きなのでよかった。一方、店主の女性はソフトな感じの方。駅前からは離れているが、きっと固定客がいるのだろう。帰りがけにここで作ったTATEBAYASHIつつじブレンドというコーヒーパックを2つプレゼントしてくれた。お礼の意味でシフォンケーキが3つ入ったセットを買い求めた。

こんな喫茶店が地元にあったら良いのにな。


春日部の「藤まつり」に行く

2023年04月22日 | 街歩き・国内旅行

新聞に春日部の駅前のふじ通りで藤まつりが開催されており、咲き誇った藤だなの藤が楽しめると出ていたので、来てみた。4月23日の日曜日に藤まつりを4年ぶりに開催するという。

場所は春日部駅西口から伸びる大きな道(ふじ通り)があり、それが途中の郵便局前から通りの両側に藤だなが1.5キロくらいにわたってあり、通行人を楽しませる。日本一の長さを誇るそうだ。藤の咲き具合はほぼ満開だと思う。藤の花の色が藤の種類の違いによって微妙に異なる、紫の濃淡の違い、白の藤などだ。

往復歩いてみると結構な運動になりちょうど良い。天気もよかった、観光客と思われる方々も見られたが平日だったこともあり、そんなに混雑はしてなかった。23日には出店などもあるのだろう。車のナビで検索してこの近くになると「藤」という字が使われている地名がいくつかあった、元々藤が多く生息している地域だったのかもしれない。

目の保養になった。


「つつじが岡公園」に満開のつつじを観に行く

2023年04月21日 | 街歩き・国内旅行

栃木県館林市にある「つつじが岡公園」に行ってきた。ここは名前の通りつつじが有名だ。一度来たことがあり今回は2回目だ。入園料が1人630円、駐車場が入口付近にあり、すぐに入れた、無料。

公園内は広く、名勝躑躅ヶ岡と新公園とに分かれている。どちらも素晴らしく優劣はない。いろんな色や種類のつつじが咲き誇っている、ちょうど良い時期に来られてよかった。赤いものが多いが白い花とのコントラストが素晴らしい。

こちらは名勝躑躅ヶ岡の入口付近

ここから中に入っていくと見られるいろんな種類のつづじは本当にきれいだ。ここのつづじは先日行った根津神社のつつじ(こちらを参照)と比べると自然にある程度の大きさになるまで枝を伸ばしている、根津神社のつづじはすべて丸い形に刈り込んで同じような大きさにそろえていたが、それはそれで統一感があり、同じような大きさのつつじの中で赤と白などのコントラストがきれいに感じた、ここはそのような大きさや形の統一というのはなく、いろんな種類のつつじを植えて、その種類の違いのコントラストを見せる良さがある。

こちらは新公園の方

全部ゆっくり歩いてみれば1時間以上かかる、花好き、写真マニアなら1日いても飽きないであろう。1時間以上掛けてゆっくり歩いたが、今日は暑かった、木陰があったり花のトンネルなどがあって日を遮るところもあったがあったが今日は嫁さんも一緒なので1時間半くらいで切り上げた。

そして最後は庭園内の入口付近の店でソフトクリームを買った、おいしかった。

平日のためかそんなには混んでなかった、土日は大変な混雑であろう。


春日部「豚丼 十勝亭」で豚丼を食べる

2023年04月21日 | グルメ

今日は夫婦で館林方面にお出かけ、先ずは途中の春日部で腹ごしらえ、ネットで探して豚丼の店にしてみた。12時ころ行ってみるとすぐに入れた。キッチンに向かったカウンター席と反対側に壁に向かったカウンター席がある。壁に向かっての席に2人並んで座る。

メニューは豚丼のみ、ロースとハラミのミックスかロースのみの選択、大きさが大中小3種類、昨夜ゴルフ後に飲み過ぎ、食べ過ぎだったので今日は夫婦そろって小を注文、確か値段は一つ680円。

注文してから出てくるまでに20分くらいかかった、満席でもないのにどうしてそんなにかかるのか不思議だが、手抜きの料理をしていない証拠でもあろう。丼には豚汁とお新香がついてきた、食べてみるとおいしい。人気店だけのことはある。店内にはもうアクリル板パネルは置いてなかった、それで良いと思う。店はコロナの影響もあろうが清潔感があった、トイレもきれいに掃除してあった、飲食店は清潔感が第一だと思っているのでこの店は安心できる。また、店内にはアメリカ映画の写真がいくつも掛けてあった、店主の趣味だろうか。

客は次から次へと入ってくる、若い人やサラリーマンらしき人が多いのは肉料理だからだろう。豚丼一本で勝負しているのは相当自信があるのだろう。今後も頑張ってほしい。

ごちそう様でした。


「泉カントリー倶楽部」でゴルフ、帰りに蔦屋書店に

2023年04月21日 | ゴルフ

千葉県印西市の「泉カントリー倶楽部」でゴルフをした。何回か来たことがあるコースである。

天気はよく、日中の気温は25度くらいまで上がり暑い日だったがキャディー付きのゴルフだったので暑さでバテることもなくラウンドできた。平日だけどコンペが入っていてそれなりに混んでいるようであった。平日ゴルフは会社でも一時期自粛していた例が多かったが最近は大丈夫なのか。

コースはアップダウンはあまりなく、ところどころ池があり、またバンカーが多く、それらがコースを難しくしている。グリーンスピードは9.5ftだったのでそれなりの早さだった。ただ、グリーンのアンジュレーションはそれほどなかったので難しくは感じなかった。また、食堂は前回来たときはコロナの影響でアクリル板がテーブルの上にあったが、今回はもう使ってなかった、それで良いと思う。

泉カントリーという名前は住友グループの白水会の「白」と「水」を上下に合わせて泉としたもので住友系のコースだ、クラブハウス前のポールに住友グループの井桁のマークのついた旗が掲げてあった。コースやクラブハウスの手入れなどは十分になされていた。今日のラウンド代は夫婦合計で36,500円だった。

早い時間にラウンドアップしたので帰りに柏インター近くの蔦屋書店に寄って本を見たり店内のショップで買い物をして帰宅した。蔦屋書店はずいぶんと洒落た内装になっている、レンタルビデオのTSUTAYAのイメージとは全然違う、書店内にはスタバや他のいくつかのショップが同居していて店内でコーヒーなどを飲みながら本を読めるようになっている。代官山の蔦屋書店がその先端を行っており有名だがそのイメージで各地に出店しているようだ。良い感じだと思う。書店は衰退産業とも言えるので経営者はいろいろ工夫しているのだろう。私もついつい持ち運びや検索機能に優れているKindleの本を買ってしまうが、たまに応援で書店で買うようにしている。

蔦屋書店内のPENNY LANEで明日の朝食のパンを買って帰った。スコーンを売っているのがうれしい。

お疲れ様でした。

 


歌劇「カルメン」を観る

2023年04月20日 | オペラ・バレエ

BS放送のヴェローナ野外劇場2022年、歌劇「カルメン」を録画して観た。2022年8月11・14日 ヴェローナ野外劇場(イタリア)で行われたものの収録である。

<演目>   
歌劇「カルメン」(全4幕)
音楽:ビゼー   
演出・美術:フランコ・ゼッフィレッリ

観た感想などを述べよう

  • 音楽はジョルジュ・ビゼー(仏、1875年36才で病没)、クラシック音楽を聴き始めたとき宮城谷昌光氏の「クラシック千夜一曲」で氏が勧めていた10曲の内の1曲が「アルルの女」で、その作曲家がビゼーだ。氏によれば、当時のフランス音楽会はオペラ一色で作曲家はオペラが当たらないと生活ができなかった、ビゼーはそれで苦しんだが戯曲アルルの女の音楽の依頼が来て全27曲を書き上げた、戯曲の方ははやらなかったが音楽が評価され、自信を得たビゼーは2年後カルメンを作曲した。その翌年の初演から3ヶ月後に病気でなくなってしまう、と説明されている。
  • 演出は先日観たばかりの新国立の「アイーダー」を演出したゼッフィレッリだ。どんな演出になるか楽しみに観たが大変良かった、特に1幕目、2幕目、4幕目が色彩がカラフルでよかった。また、野外演奏と言うことでいろんな困難があるだろうがうまく舞台設定していたように見えた、舞台に幕が下ろせないので人が絨毯かカーテンのような幕を何人かの人が一つずつ分担して持ってステージに出てきて舞台をかくして幕の変わりをしていたのが面白かった。
  • ゼッフィレッリの演出で面白いと思ったのは、今回の演目でも生きた馬が何回か出てきたことだ、先日の「アイーダ」でも出てきたのでそこまでやるかと思っていたら今回もそうだった、馬はよほど調教しないとオペラハウスや屋外劇場では興奮して暴れ出すと思うが、見ててヒヤヒヤした、オペラでは歌舞伎で出てくる人間の馬のようにはできないのだろう
  • スペインが舞台で闘牛士が出てくる演目でもあるところ、今回はフラメンコの本場にして最高峰アントニオ・ガデス舞踊団が特別出演してフラメンコを踊ったのはよかった、第4幕目の最初のところのダンスは見事だった
  • 野外ステージの場合、テレビで見ている限り歌手はマイクを使っていないように見えたが、実際どのくらい観客席では聞こえるのだろうか、経験がないからわからないが何らかの工夫がなされているのだろう。野外劇場となっているので、普段でも競技場などで使っているのではなく、劇場になっているので各種工夫があるのだろう
  • 出演者ではなんと言ってもタイトル・ロールのエリーナ・ガランチャであろう、METオペラの演技を観たことがあるが、記録を見ると2010年1月16日のMET公演「カルメン」にタイトル・ロールで出演したライブビューイングを観てる、その時の自分の感想は「野性味がありカルメン役にピッタリだ」とある、また、2017年5月13日MET公演「ばらの騎士」でオクタビアン役で出演したライブビューイングを観ていた。その時の感想は「宝塚の男優みたい」とある、その時の元帥夫人はルネ・フレミングだから若いガランチャはオクラビアン役になったのだろう。昨年は日本に来て熱演したようだ。テレビの説明では世界ナンバー1のカルメン歌いとある。今回の演技もよく演じていたと思った。

最後にカルメンのあらすじ、出演者を書いておこう

伍長のどん・ホセは許嫁のミカエラがいるがタバコ工場の女工カルメンに惹かれる、カルメンは私に惚れると危険だよと「ハバネラ(私に惚れると危険だよ)」を歌う、女工同士の喧嘩でカルメンが捉えられるがカルメンから助けてと言われホセはカルメンを逃がしてしまい、逃亡幇助で牢屋に入れられる

セビリアの街外れの酒場、カルメンが「ジプシーの歌」を歌う、闘牛士のエスカミーリョが現れ「闘牛士の歌」を歌い、カルメンに一目惚れして去って行く、そこに密輸団がカルメンを誘惑するがホセが来たので断る、ホセは帰営のラッパを聞くと去って行こうとする、カルメンから非難されるとホセは「花の歌」を歌い熱い思いを語る、そこに上官がきて決闘になるが、密輸団が現れ上官を締上げホセは仕方なしに密輸団に加わる

密輸団の基地、カルメンはトランプ占いで死のカードを引く、そこにミカエラがホセを探しに来る、そこにエスカミーリョが来てホセと決闘になるが密輸団に止められる、エスカミーリョから全員闘牛を見に来るよう誘われる、ミカエラから母が危篤と知らされ帰る

闘牛場前の広場、エスカミーリョに嫉妬したホセはカルメンに復縁を迫るが断られ、嫉妬に狂うホセはカルメンを刺す

<出演>   
カルメン:(メゾ・ソプラノ)エリーナ・ガランチャ (ラトビア、46)  
ドン・ホセ:(テノール)ブライアン・ジェイド(米、43)
ミカエラ:(ソプラノ)マリア・テレーザ・レーヴァ
エスカミーリョ:(バリトン)クラウディオ・スグーラ
スニーガ:(バス、上官)ガブリエーレ・サゴーナ
フラスキータ:(ソプラノ、ジプシー仲間)ダニエラ・カッピエッロ
メルセデス:(メゾ・ソプラノ、ジプシー仲間)ソフィア・コベリゼ
ダンカイロ:(バリトン、密輸団)ニコロ・チェリアーニ
レメンダード:(テノール、密輸団)カルロ・ボージ

舞 踊:アントニオ・ガデス舞踊団
合 唱:ヴェローナ野外劇場合唱団   
管弦楽:ヴェローナ野外劇場管弦楽団   
指揮:マルコ・アルミリアート

収録:2022年8月11・14日 ヴェローナ野外劇場(イタリア)


映画「ノートルダム 炎の大聖堂」を観る

2023年04月19日 | 映画

映画「ノートルダム炎の大聖堂」(2021、仏・伊、監督ジャン=ジャック・アノー)をテラスモール松戸のUnited Cinemaで観た。シニア料金1,200円。監督のアノーは「セブンイヤーズ・イン・チベット」などを手がけた79才のベテランだ。

この映画は、2019年4月15日に火災があったノートルダム大聖堂の消火活動に従事した消防隊を中心にみたドキュメンタリーのような映画だ。

出演はサミュエ・ラバルト/ジャン=ポール・ボーデス/ミカエル・チリ二アン

当時この大聖堂は屋根の修繕をしていた、足場が組まれ、多くの資材が運び込まれ、工事が行われていた。観光客が入る聖堂は閉鎖されておらずミサが行われていた。いろんな国から観光客がツアーガイドの案内で見学している姿が描かれる。夕方6時半くらい、工事は終わり、作業員がもう帰ったとき、工事現場の屋根裏から火が上がる、警備室の警報が鳴るが誤作動だ、とされる、そのうちどんどん火が回り煙が外からもわかるくらいになり消防署に一般人から通報が入る、そして火の手が勢いを増し大変なことに、消防隊が現場に行こうとするが夕方の渋滞に阻まれなかなか進めない。そんな状況での消火活動を描く。

観て感じたところを記してみよう

  • 工事現場で禁煙となっているのに守られていない、やはり基本がおろそかになると怖い結果になる
  • 放水用の水道管がいたるところで漏水して水圧が上がらない、日頃のメンテナンスがいかに大事かわかる
  • アラームがなっても以前誤作動があると、またか、というバイアスがかかる、怖いものだ
  • 塔の最上階に行くのに300段の螺旋階段があり、それ自体消火活動に大変な負担、しかも途中にドアがあり鍵がかかっている、これが消化の妨げになる、こういう点も怖い
  • 火の手が広がると温度が上がりアルミでできたものが溶け出して流水のように流れ、地上にこぼれる、本当に怖い
  • この映像は一体どうやって撮影したのだろう、映画の公式サイトの説明などによれば実物大の大規模なセットを作って炎上させながらIMAXカメラで撮影したとなっている。
  • 消防隊を含めて犠牲者ゼロというのはすごい、また、文化財のほとんどが運び出されたというのもすごい、日本で同じようなケースが起こったら人命最優先で、文化財も運び出してくれ、という教会の要望は聞き入れられるだろうか
  • 火災の前、大聖堂の内部の観光客のツアーの模様を描いているが、いろんな国の観光客が描かれる、最後の方でやっと日本人と日本語ガイドが出てくるとほっとした、アジアでこのような場合に出るのは中国だけになる日も近いか

消火活動に関連した消防士のドラマがあるわけではなく、淡々と消火活動が描かれている。しかし、それがかえって迫力を増している。火災の原因を追求することではなく、どのように大聖堂が救出されたことを見せるのだ、と公式サイトには書いてある。観ている途中から血圧が上がって後頭部が痛くなった。心臓が弱い人はみない方が良いだろう。

ところで、ノートルダム大聖堂は何年か前に行ったことがある。その時の写真を一つ

火事は怖い、基本をおろそかにしない、それを改めて認識したが、観る人にそう思わせれば、この映画は成功だろう。


劇団温泉ドラゴン公演「悼、灯、斉藤(とう、とう、さいとう)」を観る

2023年04月19日 | 演劇

テレビの劇団温泉ドラゴン公演「悼、灯、斉藤(とう、とう、さいとう)」を録画して観た。2023年2月の東京芸術劇場シアターイーストでの公演。

【作】原田ゆう(温泉ドラゴン、45)
【演出】シライケイタ(温泉ドラゴン、48)

番組の説明では、劇団ドラゴンは2010年結成、現在5人のメンバーで活動している、原田ゆうは2016年から温泉ドラゴンに加入、2022年には文学座から依頼を受け文学座の分裂騒動を描いた戯曲「文、分、異聞」を書く、今回の作品は彼の母が2020年に突然亡くなり葬儀に追われながらも俯瞰的にその状況を見ているところがあり、その時に起きた出来事とか感じたことなどが作品になると思って脚本を書いたと述べている。

演出のシライケイタは演出家、劇作家、俳優としていろんな団体の演出を手がけてきた実績がある、2022年だけでも演出家として劇団民藝「ルナサに踊る」、青年劇場「殺意」を手がけ、劇作家として劇団青年座「ある王妃の死」、結城座「変身」のために脚本を書いた。


【出演】
阪本篤(温泉ドラゴン、三男和睦なごむ)
筑波竜一(温泉ドラゴン、長男倫夫みちお)
いわいのふ健(温泉ドラゴン、次男周二)
大森博史(父親吾郎)、大西多摩恵(母親佳子)、林田麻里(泰菜)、宮下今日子(奈美恵)、枝元萌(小田切萌)、東谷英人、山﨑将平、遊佐明史

物語は、2020年6月、母の急死で5年ぶりに実家に集結した斉藤家3兄第。喧嘩をしたりいがみ合いながらも諸々の手続きを進めていく中で互いの思いを知り、絆を紡ぎなおしていく姿を描くもの。

長男は料理店を始めたが失敗し6ヶ月前から仕事をしていない、妻の働きで生計を立てる、次男は安サラリーマンで妻はダンサーだがコロナで収入が激減、三男は独身で売れない映画ライターで金がない。父親は年金生活、母親は年金をもらっているが介護施設で働いている。そんな中で、深夜勤務をしていた母が勤務中に倒れてなくなってしまう。

親兄弟それぞれいろんな問題点を抱えているが当面必要な葬儀代、お墓代などの工面をどうするかで悩む、母が生命保険に入っていた筈だた保険証が出てこないなど混乱する。そんな状況で母が生前、父とどんな会話をしていたのかと言う場面がフラッシュバックするように再現される。この場面転換、時間の逆戻りの演出がうまかった。一瞬、舞台が暗くなり、その間に場面転換がなされるのはうまい仕掛けだと思った。演出家の工夫であろう。この場面転換が何回もあったが違和感を覚えなかった。

劇では両親、兄弟のそれぞれの抱えている問題をじっくりと語らせて物語が進行していく、段々とその状況が観客の理解するところとなる。そして最後の方になると子供思いの母の秘密が明らかにされていき、兄弟を感動させ、観客も感動する。親兄弟お互いにそれぞれの置かれている状況や今までの人生の経過を知り理解を深めていく。なかなかうまい脚本だと思った。

出演者の中では大森博史(父親吾郎役)が良い味を出していたように思う。渋い演技が目立った。

 


ジャズ喫茶「JAZZ Olympus」に行く

2023年04月17日 | カフェ・喫茶店

お茶の水にあるジャズ喫茶オリンパスに行ってみた。雑誌で見て一度行ってみたいと思っていた。お茶の水か新御茶ノ水、小川町の駅から歩いて行けるが大通りには面してなく、目立たないビルの1階にある。

ジャズ喫茶やジャズバーといえばなぜか地下にある店というイメージがある。四谷のイーグルは地下1階だ。吉祥寺のサムタイムも地下だ。ニューヨークのビレッジ・バンガードも地下だった。ところがここは1階だ。窓が大きく、窓の外には緑の葉が茂った木が植えてあり室内から見ても良い雰囲気だ。

室内は比較的新しい店の雰囲気があり調度品や壁などもきれいな感じだ、室内正面に大きなスピーカーが二つどんと構えている。壁にはLPがいくつか展示してある、小さな写真も飾ってある。全部で30人くらい収容できる広さか。落ち着いた雰囲気だ。2時からはジャズタイムで音量が大きくなり会話は禁止となるようである。

今日は開店直後の12時ちょっと前に入り、赤いチキンカレーセットを注文した。岩手あべ鶏と高品質のスパイスで作るシンプルなチキンカレー、とホームページには書いてある。チキンカレーとコーヒーで1,200円。自分が入店後結構客が入ってきて満席近くなっていた。人気があるのは良いことだ。いつまでも営業してほしい。

ジャズはあまり聴かないがきらいではない、名盤といわれるものを選んで買ったCDが20枚くらいあるがたまに聴きたくなる。ジャスはビジネス・マーケットとしてはクラシック音楽に比べてかなり小さいのではなかろうか。ジャズを聴ける場所は限られていると思うし聞けても収容人数が少ない、クラシックは全国各地にホールがあり、収容人数も多い、新しいCDも多く販売されている。最近は若手の演奏家などが多く世界で活躍している。日本はクラシック音楽のマーケットでは世界ベスト5には入るだろうが、ジャズは世界全体でもごく一部の人しか聴いてないのではないか。そこが将来心配だが、それだけ改善の余地もあろう。

また来たい。


逢坂冬馬「同志少女よ、敵を撃て」を読む

2023年04月16日 | 読書

2022年の本屋大賞を受賞した「同志少女よ、敵を撃て」(逢坂冬馬、あいさか とうま)を読んでみた。本屋でよく目につくところに置かれていたし、Amazonのレビューも多く、評価も高かったかということもあるが、独ソ戦にまつわる物語だというので読みたくなった。近現代史は興味のある分野だ。

この小説は、第2次大戦中の独ソ戦においてソ連により戦線に投入された女性狙撃兵の物語である。主人公セラフィマは1924年生まれの少女、イワノフスカヤという小村に住んでいて家族と暮らしていた、生活のため狩りをして鹿を撃って食料にしていた。あるときドイツ軍が攻め込んできて家族を殺し、村を焼き尽くした。それに復讐をするために狙撃兵になる決意を固め、訓練学校教官のイリーナに厳しい特訓を受ける。そして最後まで訓練に耐えて残った同志少女数名とスターリングラードとケーニヒスベルグの戦闘に投入され、地獄を見る、というストーリー。

感想を述べてみよう

  • 物語の中でセラフィマが憤るのが女性に対する軍人の戦時性暴力だ。これはドイツ側もソ連側もあった。戦争の極限状態に置かれた兵士はもう正常心を保つことができない、人間を狂気に陥れるのが戦争だという現実。人類がずっと行ってきた愚かなことだ。今もウクライナで同様なことが行われていると思うと暗澹たる気持ちになる。
  • そして、戦後、ロシアもドイツもこのことについは一切何も語ろうとしない。ドイツが国際社会に復帰するときも何も言わなかった。双方の被害者も何も言わなかった。本では何も触れないことによって問題を相対化してドイツの尊厳を保ったと書いてあるが、戦争当時国女性の性被害を言えば戦勝国によるニュルンベルク裁判の正当性にも影響するから事実上言うことができなかったのではないか、原爆投下や都市空襲、シベリア抑留などの戦勝国の犯罪は東京裁判でも一切触れることができなかった。
  • 物語の中でウクライナのことが多く出てくる。ソ連時代、その前の時代、ウクライナはソ連・ロシア帝国から搾取されていた、穀物などをロシアに提供されられていた。戦争中、一時、ドイツの占領下にあった、戦後は激戦のあったウクライナとベラルーシを優遇した、クリミア半島はウクライナに返還されたが、ウクライナの平和は長く続くだろうか、とセラフィマに言わせているのは意味深である。
  • 大戦でドイツは900万人、ソ連は2,000万人の命を失ったとある、本当に人類は愚かだ

期待した独ソ戦に関する知識の向上にはあまり貢献しなかったが、物語としてはまあまあ面白かったと思う。ただ、本のタイトルやカバーのイラストは如何なものか。出版社の売らんかなの意図が丸見えでセンスがないと思うが。