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気ままに生活してるシニアの残日録

歌劇「カルメン」を観る

2023年04月20日 | オペラ・バレエ

BS放送のヴェローナ野外劇場2022年、歌劇「カルメン」を録画して観た。2022年8月11・14日 ヴェローナ野外劇場(イタリア)で行われたものの収録である。

<演目>   
歌劇「カルメン」(全4幕)
音楽:ビゼー   
演出・美術:フランコ・ゼッフィレッリ

観た感想などを述べよう

  • 音楽はジョルジュ・ビゼー(仏、1875年36才で病没)、クラシック音楽を聴き始めたとき宮城谷昌光氏の「クラシック千夜一曲」で氏が勧めていた10曲の内の1曲が「アルルの女」で、その作曲家がビゼーだ。氏によれば、当時のフランス音楽会はオペラ一色で作曲家はオペラが当たらないと生活ができなかった、ビゼーはそれで苦しんだが戯曲アルルの女の音楽の依頼が来て全27曲を書き上げた、戯曲の方ははやらなかったが音楽が評価され、自信を得たビゼーは2年後カルメンを作曲した。その翌年の初演から3ヶ月後に病気でなくなってしまう、と説明されている。
  • 演出は先日観たばかりの新国立の「アイーダー」を演出したゼッフィレッリだ。どんな演出になるか楽しみに観たが大変良かった、特に1幕目、2幕目、4幕目が色彩がカラフルでよかった。また、野外演奏と言うことでいろんな困難があるだろうがうまく舞台設定していたように見えた、舞台に幕が下ろせないので人が絨毯かカーテンのような幕を何人かの人が一つずつ分担して持ってステージに出てきて舞台をかくして幕の変わりをしていたのが面白かった。
  • ゼッフィレッリの演出で面白いと思ったのは、今回の演目でも生きた馬が何回か出てきたことだ、先日の「アイーダ」でも出てきたのでそこまでやるかと思っていたら今回もそうだった、馬はよほど調教しないとオペラハウスや屋外劇場では興奮して暴れ出すと思うが、見ててヒヤヒヤした、オペラでは歌舞伎で出てくる人間の馬のようにはできないのだろう
  • スペインが舞台で闘牛士が出てくる演目でもあるところ、今回はフラメンコの本場にして最高峰アントニオ・ガデス舞踊団が特別出演してフラメンコを踊ったのはよかった、第4幕目の最初のところのダンスは見事だった
  • 野外ステージの場合、テレビで見ている限り歌手はマイクを使っていないように見えたが、実際どのくらい観客席では聞こえるのだろうか、経験がないからわからないが何らかの工夫がなされているのだろう。野外劇場となっているので、普段でも競技場などで使っているのではなく、劇場になっているので各種工夫があるのだろう
  • 出演者ではなんと言ってもタイトル・ロールのエリーナ・ガランチャであろう、METオペラの演技を観たことがあるが、記録を見ると2010年1月16日のMET公演「カルメン」にタイトル・ロールで出演したライブビューイングを観てる、その時の自分の感想は「野性味がありカルメン役にピッタリだ」とある、また、2017年5月13日MET公演「ばらの騎士」でオクタビアン役で出演したライブビューイングを観ていた。その時の感想は「宝塚の男優みたい」とある、その時の元帥夫人はルネ・フレミングだから若いガランチャはオクラビアン役になったのだろう。昨年は日本に来て熱演したようだ。テレビの説明では世界ナンバー1のカルメン歌いとある。今回の演技もよく演じていたと思った。

最後にカルメンのあらすじ、出演者を書いておこう

伍長のどん・ホセは許嫁のミカエラがいるがタバコ工場の女工カルメンに惹かれる、カルメンは私に惚れると危険だよと「ハバネラ(私に惚れると危険だよ)」を歌う、女工同士の喧嘩でカルメンが捉えられるがカルメンから助けてと言われホセはカルメンを逃がしてしまい、逃亡幇助で牢屋に入れられる

セビリアの街外れの酒場、カルメンが「ジプシーの歌」を歌う、闘牛士のエスカミーリョが現れ「闘牛士の歌」を歌い、カルメンに一目惚れして去って行く、そこに密輸団がカルメンを誘惑するがホセが来たので断る、ホセは帰営のラッパを聞くと去って行こうとする、カルメンから非難されるとホセは「花の歌」を歌い熱い思いを語る、そこに上官がきて決闘になるが、密輸団が現れ上官を締上げホセは仕方なしに密輸団に加わる

密輸団の基地、カルメンはトランプ占いで死のカードを引く、そこにミカエラがホセを探しに来る、そこにエスカミーリョが来てホセと決闘になるが密輸団に止められる、エスカミーリョから全員闘牛を見に来るよう誘われる、ミカエラから母が危篤と知らされ帰る

闘牛場前の広場、エスカミーリョに嫉妬したホセはカルメンに復縁を迫るが断られ、嫉妬に狂うホセはカルメンを刺す

<出演>   
カルメン:(メゾ・ソプラノ)エリーナ・ガランチャ (ラトビア、46)  
ドン・ホセ:(テノール)ブライアン・ジェイド(米、43)
ミカエラ:(ソプラノ)マリア・テレーザ・レーヴァ
エスカミーリョ:(バリトン)クラウディオ・スグーラ
スニーガ:(バス、上官)ガブリエーレ・サゴーナ
フラスキータ:(ソプラノ、ジプシー仲間)ダニエラ・カッピエッロ
メルセデス:(メゾ・ソプラノ、ジプシー仲間)ソフィア・コベリゼ
ダンカイロ:(バリトン、密輸団)ニコロ・チェリアーニ
レメンダード:(テノール、密輸団)カルロ・ボージ

舞 踊:アントニオ・ガデス舞踊団
合 唱:ヴェローナ野外劇場合唱団   
管弦楽:ヴェローナ野外劇場管弦楽団   
指揮:マルコ・アルミリアート

収録:2022年8月11・14日 ヴェローナ野外劇場(イタリア)



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