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四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

12月〜4月が旬の貝もGW頃には食べ納めとなりそうです。山椒のジントニック仕込んだ分は完売、次の仕上がりをお待ち下さい。

のがみの芝エビの話

2016-05-03 00:00:02 | のがみの〇〇の話
のがみの中太巻に入る芝エビのおぼろですが、おそろしく手間暇がかかるすしダネです。手間もそうですが歩留まりのよくなさといったら震え上がります。1kg仕入れて頭と殻をはがして剥き身にして一尾ずつ背ワタを取って量ると485g。今、築地005003_2そこまでだけでも仕込みの時間が相当かかるそうです。ちなみに昔、東京の芝の辺りで獲れたから芝エビと名が付いたそうですが、今仕入れているのは熊本・佐賀・三河などが多いです。その剥き身を茹でて、ミキサーにかけ、塩、砂糖、味醂のみで調味、鍋を火にかけ菜箸を四本束に持って勢いよくかき混ぜながらおぼろのほろっとした具合を見極めます。水分の飛ばし具合とともに芝海老の持っている味と主人が決めている最終のおぼろの味との差をバランスを見ながら埋めていきます。たとえば芝海老自体の甘さがとても強いのならば砂糖は足さずに微量の塩を加えて海老本来の甘みを引き立たせる、逆に甘みが弱い場合は砂糖を加えるとか、その日仕入れた芝海老によって調整の仕方に僅かな差が出ます。味見は出来立ての熱いものなので、冷めたときの水分や甘みの感じ方を想定して決めていきます。最終的には巻物の具になるのでほんのちょっとしか入らない中に存在感を出さなければなりません。008芝海老のおぼろ単独で食べると「ちょっと濃いかな」くらいが味の決めどころです。当店では好評につき『芝海老のおぼろの細巻』というのもメニューにあります。ていねいに背ワタを取った雑味ひとつない天然芝海老100%のおぼろ。中太巻でも、細巻でも、ぜひご賞味ください。

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