ようちゃん@ちばらき

ちばらきは千葉県と茨城県の県境地域。利根川と地平線の向こうに見える筑波山が郷愁を誘う今日この頃。

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2006年10月22日 | つぶやき
北海道警察の冷たい夏

講談社

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平成14年といえば多摩川にアザラシが現れタマちゃんフィーバーが起こり、
鈴木宗男議員が逮捕され、ムネオハウスという言葉が飛び交った年だ。
その年、覚せい剤の使用で現職の警部が逮捕されるという事件が起きた。
なぜ現職の警部が覚せい剤に溺れてしまったのか?
その背景には北の海を取り巻く深い闇と北海道警察の腐敗があった。

ロシアマフィアの表向きは企業として北海道にも事務所を構えている。
しかし実態は盗難高級車を買い、日本の暴力団へ拳銃、北朝鮮製の覚せい剤、
密漁カニなどを代物交換している。

一方平成7年に銃器対策推進本部が閣議決定され設置された。以降拳銃の
押収実績を上げれば特別予算が警察庁経由で都道府県の警察へ投入される
ようになった。つまり点数をあげれば美味しい蜜が吸えるのである。

警部は調査協力者と共に麻薬や拳銃を摘発し、ずば抜けた成績を
残してきた。しかし、実態は暴力団やマフィアとつながりをもち
囮捜査や捏造などだった。
コインロッカーから拳銃が見つかった事件などだ。
警察幹部の欲しがる点数のためにしてきたことだ。
調査協力者が自主した事をきっかけに事件は明るみに出てくるが、
全てを知っている警察幹部達は組織として隠蔽しようとする。

警部は判決により懲役9年と160万の罰金の処分を受けた。
しかし全容は未だに明らかになっていないのが事実だ。
1人の警察幹部が責任を感じて自殺し、自首した調査協力者も
拘置所の中で自殺したことになっている。
それだけこの事件には大きな暗闇が渦巻いている。
この事件に係わった警察幹部は今でもそ知らぬ顔で北海道警察の要所に
就き、口を硬く閉ざしているのだ。