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松江泰治 CC gazetteer

2005-03-23 | ギャラリー
『Hysteric 松江泰治』(2001 編集:大田通貴+綿谷修 装幀:塚本明彦 評論:楠本亜紀 協力:TARO NASU GALLERY 発行:ヒステリック・グラマー)
などの作品で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞した松江泰治。受賞後、TARO NASU GALLERYで開かれた個展(2002.5.11-6.8)で、今、NADiffで開かれている個展「CC gazetteer」(2005.3.11-4.17)の都市シリーズを初めて発表したのではなかったでしょうか。新種の松江泰治菌(*以下参照)がみごとプレスされ、イヴ・タンギーの「弧の増殖(Multiplication of the Arts 1954)をモノクロで観ているような圧倒的な感触。

* 僕にとって松江君の写真はね、とっても肉体的なものに見えるんだよね。
皆、どっかで一種アカデミックにとらえている。松江君の写真に僕が一番
思うこととして、スパッとはなかなか切りにくいイメージの排除をあっさ
りやっちゃったからね。たとえば、一見コンセプチュアルに見える写真っ
て、結局イメージを相対的に消そうとしているつまならさがあるよね。そ
れがスケて見えちゃう。松江君の写真にはそこが見えないんだよね。……
松江君は本当にすべての面でヤマイ(病)だからね。病がここ(写真)に
出ているわけだからさ、アートだとかそんなのじゃなくて、この写真1枚1
枚がヤマイなんだ。松江泰治という病気。だって、これ粒子じゃなくて病
原菌がびっしりプレスされているわけだからさ。これ半分本気で言ってい
るんだけど。
(「STUDIO VOICE」2002.6 VOL.318 で松江泰治と対談した森山大道のことば)

なお今回の展にあわせて写真集二冊が同時刊行。写真をできるだけ美しく再現させつつコンパクトに冊子としてまとめることが追求されたようです(Days of Books,Films & Jazz/2005.3.13参照)。それが似合う写真もある。でもこれは、買えなかった。似合わないと思う。

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