おかえりのすけBOOK

bookbar4のメインキャラクター、おかえりのすけのページ

「黄金の馬車」

2005-06-07 | 本、雑誌
書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」Vol.10が出ています。表紙はいつもどおり山下陽子、今号は、本の中のオブジェseriesーオクタビオ・パス「緑のインクで書かれたもの」より《緑の星座》。わたしのタンク・ギャラリーも9回目で、タンクを基点にした街並シリーズをはじめてみました。関東のある街です、どこかわかったかたがいたら知らせてちょうだい。

・「黄金の馬車」は書肆啓祐堂にてご覧になれます。

非石油系インキ

2005-06-02 | 本、雑誌
『通販生活』は、非石油系インキで刷っているんだそうです。いわゆる「大豆油インキ」にも割合は少ないが石油系の溶剤が含まれているので、非石油系インキとは言い切れない、それで新たに開発したのだそうです。特許権を放棄して開発費をおさえたが、印刷時にやはり一手間必要なようで、まだこのインキを使っている例が他にはないという。
カタログハウスのウェブサイト/ほんとうにちゃんとエコしてるの?

石油に替わって大豆をはじめとした植物系の油を用いるようになったことは大きな変化ですが、ソイシールさえあれば「環境にやさしい」印刷物だとわたしたちが思い込むようになったのは妙なことです。おかげで刷り物にミニチュア米国旗がいっぱいだ。
アメリカ大豆協会/ソイシールについて

自費出版の本展

2005-06-01 | 本、雑誌
スパイラル・マーケットで「自費出版の本展」(6/1-15)。「デザイナー、コピーライター、フォトグラファー、画家、作家など約50名のものづくりに携わる人達が自費で制作した本や小冊子を集めた」とのことで、そのあたりに興味のあるひとには馴染みの冊子が、一堂に会しています。bookbar4の本も自費出版なんだけど全く対象外だったみたい、声がかかりませんでした。おっと極地的地震がいま。東京です。犬がワンワン吠えています。
展をひととおりみたところ、詩集的ジャンルが少なかったのは、このたびの展の主旨に反するのか企画者が嫌いなのか、そもそも「詩」の絶対的孤立なのかわかりませんが寂しいことです。ほんものの現存する詩人たちの声をもっと、作品として詩壇に発表するのとは別のところで汲み取り伝えねばなりませんと思います。それはかなりだいじな仕事のように思えます。

福井良之助孔版画展図録

2005-05-24 | 本、雑誌
現在確認しうる全作品を収録したという福井良之助展の図録がようやく到着。印刷も美しく、とくに鉛筆で描かれた作品の、堅さと粉末感までが呼び起こされるのはすばらしい。装丁は角背ハードカバー、背の部分だけ茶色の布、表紙は冬枯れの木立を描く孔版画の一部、裏表紙はまさにその作品を彫っているところだろうか福井のすらりとした手の写真。抜群の選択。今年一番の図録となりましょう。はて値段はいくらだったかなと思い出してみるになんと2000円!!!!
佐倉市立美術館で観たときに気になってしょうがなかった一枚の下絵もありました。それは《小さな世界》(1957)の下絵で、その空きスペースに、やがて《小花の少女》(1957)に結実したのであろう、いたずら描きのような最初の瞬間をとらえた走り描き。

福井良之助孔版画展図録
2005.3.8発行
学芸担当:黒川公二、柴田純江、住田常生、吉田尊子
編集:黒川公二
企画協力:株式会社アート・ベンチャー・オフィスショウ
海外作品調査:南平妙子、スティーブ・マロニー
翻訳:南平妙子
デザイン:梯耕治
印刷:光村印刷株式会社
発行:岩手県立美術館、佐倉市立美術館、高崎市美術館

『植田実の編集現場』

2005-05-20 | 本、雑誌
『植田実の編集現場――建築を伝えるということ』

『都市住宅』編集長(~1976)、「住まい学大系」編集長(1987-1999)を経て現在もフリーで活躍する編集者・植田実氏が、2003年度日本建築学会賞文化賞を受賞したのをきっかけに企画され、花田佳明氏によってまとめられた本。「植田は批評そのものを扱うのではなく、自らの『夢』を巧みに編集することにより、雑誌や本そのものに別のかたちの『批評』力をもたせることに成功したといえるだろう」。植田さんを追った著者の「夢」が紙面に溢れる。

冒頭で著者が「植田実像が揺らぐ事件」としてあげた『真夜中の家』の読書体験と似たことが、わたしにもあった。「揺らぐ」ほど植田さんを知らないけれど、北園克衛をめぐる研究誌「kit.kat +」第2号(2003)での<還元的イメージと生のつぶやき>や、故・森原智子さんの個人誌「TOUCH」no.6(1988)での<傷>をお書きになっている植田実というひとが、あの植田さんなのだろうかと。その後「TOUCH」を持ってご本人にお会いする機会があった。なつかしい!森原さん、お元気ですかと聞かれた。亡くなったことを伝えた。
あとがきに森原さんはこう記した。「建築が芸術的要素の頂きにあるということは、植田実さんのあらゆる事物へのフレキシブルな接近が、どの様に大きな環をもっていられるのか知るのと同じことだ。」

この本のデザイン・装幀も手掛けた山口信博さんが、「住まい学大系」のブックデザインについて寄せた文章も貴重。「ハーフ・ジャケット」の誕生、製本屋さん泣かせの背タイトルのデザイン、それを記した表紙やカバーの指定書も収録。なお、前見返しは赤、後見返しはピンクです。

発行元はラトルズ社で、シェアード出版による。制作に関わるひととラトルズ社の株主から制作費を募り、売上に応じて利益分配するという仕組み。パソコン関係書籍が多いとのことだが、他分野から参加する機会を広める一冊にもなるだろう。

ラトルズ/シェアード出版について

筆とヒコーキ

2005-04-22 | 本、雑誌
筆の白鳳堂が出している、道具の文化を考える季刊雑誌「ふでばこ」。2号は白い器の特集で、素材である土や石にもめをむけ、瀬戸や砥部の採掘場をも訪れているのがいいんですが、表紙に「別冊航空情報」とかかれていたことにさっき気づきました。「航空情報」は酣燈社が出している月間雑誌で、ここが「ふでばこ」の発売元のようです。
インターネット航空雑誌「ヒコーキ雲」 付属 航空史探検博物館

ひとりでワイワイ飲むなら

2005-04-20 | 本、雑誌
「日経デザイン」2005.4掲載、アンケート調査を基に考えるデザインの力/包装向上委員会によると、ビール風味のアルコール飲料(麦芽の代わりにエンドウたんぱくや大豆ペプチドなどを原料とし、税率を低く抑えている)”第3のビール”のなかで、クールにひとりで飲みたいのがアサヒの「新生」で、ワイワイ飲みたいのがキリンの「のどごし<生>」だそうです。この調査でみずをあけられたサッポロさんやサントリーさんは、ひとりでワイワイ飲むときや、みんなでクールに飲むときを設定してデザインされるのがよいでしょう。

『私は猫ストーカー』

2005-04-13 | 本、雑誌
浅生ハルミンさんが「relax」で連載していたものをまとめ加筆した一冊で、猫たちが飼い主たちに見せない空白の時間を、めだたないかっこうで追い回した抜群の記録。これを読めばあなたも猫追いになれることまちがいなし。浅生ハルミンの『私は猫ストーカー』passageでストーカーニュースもはじまってますからご参考になさるといいでしょう。
もちろんイラストもあり。71ページの「おかえり」図などは涙出てきます。おかえりのすけをよろしく。
浅生さん、うちの近所にいっつも窓にぴったりくっついて坐っている二匹のシャム猫がいるんです。じじばば集う喫茶店の猫なんですが、通るときいっつもいるの。あれこそ狙いがいのある猫ってもんでしょう? この本を手引きにやってみます。それから猫の尻の柄なんですけど、あれは蜜柑の房の数のようにいろいろ違いがあるのですか。

『私は猫ストーカー』浅生ハルミン 洋泉社 2005
編集:小笠原格 装丁:川名潤(Pri Graphics) イラスト・本文写真:浅生ハルミン 扉写真:エリオット・アーウィット

『室内の科学旅行』

2005-02-19 | 本、雑誌
オヨヨ書林196より購入。心底大好きこういう本。あとを継きたい。

宮下正美/講談社/1948/1,050円/並本/サイズ 210mm/189ページ

 序
 少年の友よ。私も、かつて三十いく年か前に、少年であった。私はきみたちを見ると、
 いつも思い出す、私の少年の時を。そして、少年の私に、案内者のいなかったことを。
 ……医学博士 林たかし


 この本のはじめに 少年少女のみなさんへ
 みなさんの中には、しょうらい、りっぱな科学者になって、あたらしい日本のために
 つくしたいと考えている人がずいぶんたくさんいましょうね。これは、なんとしても
 うれしいことです。……宮下正美

「Ahaus」

2005-02-18 | 本、雑誌
青森県発の総合建築デザイン誌で、創刊号の特集は、前川國男と弘前。今年末から東京ステーションギャラリーを皮切りに「生誕100年・前川國男建築展」が開かれるなどにぎやかですが、8件の前川作品が弘前市内に現存するんだそうです。それらを丁寧にみながら、「前川國男の建物を大切にする会」の活動を報告したり、「アオモリのフォルム」として津軽こぎんをとりあげたりで、年二回刊行でスタート。なにかこう、こっちの勝手なんだけどね、中綴じで粗い紙でA5判くらいでと思っていたものだから、取り寄せしてみて、ぴっかぴかの紙で開くといきなりアウディ広告ばーんで発行元や編集サイドの情報が少ないしいきなりムック然としてて戸惑う。
特集について言えば、前川さんがコルビュジエやレーモンドから得たものを日本で再現しようとして、気候風土の洗礼を受けてボロまるだしとなるようなこともあったりして、でもその作品変遷が弘前にさまざま残り、今も大切にされているようすを現地発の雑誌が報じるというのは気持ちよいです。しかし。あまりにもふつうの体裁で残念。内容も含めてもっと凝ってぎりぎりまでそぎ落として、思いきってフリーペーパーにしたほうが向いている。
とはいえ今年の花見旅行は弘前できまりです。気分だけは。

アーハウス公式サイト

『風景の手入れ』

2005-01-18 | 本、雑誌
写真:ホンマタカシ 文:木内昇 デザイン:山田拓矢、162mm×128mm 144ページ 写真45点 日英併記 1,000円(税込み)、2005年1月10日、森ビル広報室編/発行。判型と写真の関係、それとタイトルがいいと思いました。ただ、風景とは地面からうえのことではないと思うので、その土地の凹凸をどう埋め、どのあたりの土がどう運ばれたのか、草花についてもその移動の具合を示して欲しかったです。それができるのは開発者だけ、だからやらないんでしょけれど、森さんなんか思いきってやっとくれ。くわしくは森ビルリリース2005.1.14をどうぞ。

 見ても見ても山ばっかのふる里にジャリ兄
 自転車で帰ってくたくた。
 馴染みの山並の凹凸の中間に線
 おー
 地平線を知らない子供たちのために作ってあげたよイェ~イ!
 コン
 チワ。

 「テツキンコンクリ」(四釜裕子『回転ツアー』)より一部抜粋。山並を横につっきる高速道路は地平線ならぬ人平線。

紙は皺が似合う

2004-12-22 | 本、雑誌
きのうのシリーズ装丁の話で思い出しました。
PENGUIN BOOKS の GREAT IDEAS シリーズの装丁はなんて軽やかで美しいのでしょう。二色で、デザインによるけれど文字部分がエンボス加工、全20冊、並んでいるとみな欲しくなるほど。読みもしないのに一冊だけ『Confessions of a Sinner』( Cover artwork:Catherine Dixon)を買っていて、そういえばとさっき棚から出したら、表紙の角は折れてるわ背にくっきり縦皺がついてるわですがもちろんそれもよし、なわけです。このようにそもそも紙って皺や折れが似合うのに、おおかたの本や雑誌はみなPP加工とかしてわざわざ似合わなくされてごくろうさまだし可哀想なことであります。

両脇かためて「詩の森文庫」

2004-12-21 | 本、雑誌
思潮社の「詩の森文庫」シリーズ、クリティック類がブルー、エッセー類がグレー(装丁者は無記名)でスタート。 マーク的につかっている一本の木のシルエットが一冊中に常に二種類登場するのが気になる。それと字、でかすぎ。とくにもくじの字のでかさはじんじょうでありません。書影は埴谷雄高『幻視の詩学』ですが、埴谷さんの顔写真だってあれなんですか。失礼だ! というか、せっかく新シリーズはじめるんだからきちんとやればいいのに。

ジャンル別色分け装丁って流行ってんの? 並べるとグラデーションとか一枚の絵とかいうのも嫌いですが、昨今のは色合いがぱっきぱきで。桂川潤さんによる岩波書店の「ことばのために」シリーズや中島英樹さんによる講談社現代新書などどっちもそれぞれ好きじゃないです。とくに後者は書店でもどう並べたらいいのか困ってるのでは。だいたいところどころ面出ししてるもんね。それが狙いですか? 揃えてもばらしても、目立つけどタイトルが見にくい。色だけの問題ではないような。いずれにせよシリーズものは退色対策がたいへんなんじゃないかと思って。やけやすい背の部分は平の部分とインキの調合を替えていると前に聞いたことがあるけれど今はそうでもないのでしょうか。朝日出版社・カルチャースタディーズシリーズの佐藤可士和さんの色別装丁はあの四冊で終わったんだったかな。だからいいのかも。書店でも並べて置いたりしてなかったし。

ネーミングについて言えば「詩の森文庫」は光文社の「知恵の森文庫」とどうしたってかぶる。本のムシくんを超えるいいキャラを育てないとね。ネーミングでかぶり、装丁でかぶり。両脇をがっちり固めてのスタートです。これエールです。

賀状の資料

2004-12-20 | 本、雑誌
そろそろ年賀状の用意をせねば。酉。よい資料が出ました。『きんぎょ』でもおなじみの、AD: 高岡 一弥+写真:久留幸子による『ニワトリ 十二支第十番酉』。写真、絵、置き物やグッズのほか、天然記念物、南方熊楠の「鶏に関する伝説」など収録。
今回はどうしよう。立体じゃなく編み絵法でいきたいんだけど。きっとまた遅れて寒中見舞いになる、御無礼します。

前田建設、マジンガーZ格納庫を72億円で

2004-12-10 | 本、雑誌
前田建設ファンタジー営業部の活動が本になりました。こちらのプロジェクトは現在ふたつ、銀河超特急999号が地球から発車する際の高架橋とマジンガーZ格納庫で、マジンガーZ版ですね。この工事にあたっての新技術は、大規模高速昇降装置と可動底板式プール、入札区分は競争。場所は富士山麓北側青木ヶ原樹海附近、72億円、6年5ヶ月でできるそうです。

前田建設ファンタジー営業部』 著者:前田建設工業株式会社 発行:幻冬舎