おかえりのすけBOOK

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読むよ食べるよ

2004-12-28 | ぶらり
近くを通ったので久しぶりに Dexee Diner へ。棚に雑誌ばかり並んでいます。もう本をいろいろ置くのはやめたみたい。犬もかわりました。マフラーやペンで犬じゃらしつつ、居心地は良いので長居。でも雰囲気変わったなーと思いウェブから追ったら、一時期あの牛角のレインズの元でFCになってたんですか?松濤店とか(web across 03/09/05日経BP 04/10/12)。さらにまた運営元が替わったんでしょうか、ちょっとよくわかりません。「読む?食べる?」ってはじまったお店でした(そのころの様子:Tokyo Cafe Mania 2000)。照明とスタルクの椅子が読書に最適!などかかれていたけれど、今村さんとおっしゃったでしょうか、店長のふるまいが印象的だった気がする。

申し訳ございません二題

2004-12-27 | その他
その一)先週末オープンして花など飾ってある店にランチではいりました。「いらっしゃいませー。ご注文いただいてから15分ほどお時間いただきますがよろしいですか?」といきなり。いいよ。ところが30分待ってもきません、きたかと思えば間違ってます、見回すとどこのテーブルも同じ状況、あぁ向こうのお兄さん怒って帰りました、そっちの二人連れのお嬢さんたちは一個だけきた麺をわけて食べて帰りました、なにごと?きっと厨房には怪獣が。ホール担当の4人はみな「申し訳ございません」。それがぼくたちの仕事、なのね。だってメニューにかいてあるスープとザーサイが盆になくても誰も気づかないんだも。うるさい客にはとにかく謝れ。鉄則ですね。謝るひとと責任者が別であることがボイント、客としては責任者呼べー!でいいんだけどそれを言うと先方いい気になるので探してしゃべります、バイトたちがバカでもーみたいな態度とるほんもののバカが、今日のランチをタダにしてくれます。あ、どうも。
その二)買い物したらできるだけ袋をもらいません。どうせ家庭ゴミとして出すのですから。今日も本屋のレジで「そのままでいいです」と言っていたら隣におねえさん猛烈駆け込んできて「さっきまとめて買ったんだけどカバーついてなかったんだけど! おたく、カバーかけてくださいって言わないとかけてくれないの?」。レジのお兄さんたじたじで「申し訳ございません」。おねえさんきっとカバー欲しかったんじゃなくてお話したかった。

高橋昭八郎リアクションポエム2004

2004-12-25 | 
今夏、啓祐堂ギャラリーでおこなわれた「高橋昭八郎展 反記述による詩」でのリアクションポエムのプリント版が届きました。会場で詩人が用意した18×11個のコトバ(ガラス瓶にかかれている)に、観客がモノを入れ、その全景写真と参加者の名前をプリントし、全参加者に送付する、というもの(展の公式サイト/リアクションポエムのこと)。
おさめられたモノは、この展のために参加者が前もって用意した作品然としたものから、撮り終えたフィルム、新聞紙、ポケットに入っていたガム、タバコ、どうみてもゴミ、などさまざま。コトバやモノが気紛れに等しくされたり隣合ったりふいに眺められたり忘れられたり。一枚の紙にプリントされ淡々と並び在る参加者のナマエ、それすらも。昭八郎さんの「ふとした戯れ」に誘われて、あのくそ暑い夏の日に汗だくになってでかけニヤニヤしながらこんなものを瓶にいれて喜んだひとたち。
この作品は日本現代詩歌文学館に永久所蔵、いつか足を運ぶだろう、その場その時の<詩>に立ち会いに。

  ……その場、その時にょって、たとえばスコアのように読みとかれる、こともなく、
  映し移しあう反歴史、反記述としての<詩>。
 (添付された書面、高橋昭八郎「ふとした戯れから」より)



空中権

2004-12-25 | その他
JR東日本が東京駅の空中権売却を決めたときのことは「経済オンチ、日経を読む 2004.3.18」がとりあげていましたが、それを使って新丸の内ビルが建て替えを決定(asahi.com 12.23)とのこと。地表だけじゃなく地下に地上に、地殻から大気圏いっぱいいっぱいまで、どうせヒトしかわからない「言葉」で、少しずつ、「権利」をつくってまいります。今度生まれてくるときは、ひとりずつがその瞬間から空中権を持つのかも。ヒトひとり分の面積×大気圏の丈サイズで。そして最悪、それを唯一の「財産」として生きろ、とかね。
写真は松山巖『住み家殺人事件』みすず書房。より高層のビルを建てるために、近隣のビル、住宅、寺、墓地の空中権を買うという話も出てくる。

 三階建てに越したとき/東側の一軒家から
 ちいさい富士山を/西の窓にいただいたのはわたし
 こんなことを繰り返してだな/最期のマンションのウリも
 きっと太陽に向かう眺望/陽当たり良好眺めも絶好
 うんとあっつい空がひらけてると思うの
  「智恵ちゃんと下見」(『回転ツアー』)より一部抜粋



月影屋

2004-12-25 | ギャラリー
散歩道に月影屋、通りからみたらなにやさんかちっともわかりませんでしたが、きのうはDMが出ていてそれをみましたがやはりわかりませんでしたが、ウェブをみたらわかりました。「一定の巾でただ長いだけ」という帯の形を美しいと思い制作を始めたという重田なつきさんの作品ショールームでした。動機が抜群です。作品ネーミングもいいです。皮の帯、写真の帯、アフリカの帯、鋲の帯、ペンキの帯、など、わかりやすいようなハテわからないような。ところがこれがどうやらそのまんまなんですね。たとえば写真の帯。東京タワー、霞ヶ関、築地、首都高などの写真をインクジェットプリントした帯のシリーズです。月影屋さん、給水タンク帯ってどうでしょう。

「立花文穂展 SMTWTFS」

2004-12-22 | ギャラリー
用事が早く済んだので、ユトレヒトサイトで見ていた「立花文穂展 SMTWTFS」をのぞきにいく。場所は田園調布駅から歩いて約五分、宝来公園の近くだったからすぐわかるだろうと思ったが、看板もないし見逃してうろうろ。ああここねと戻って入ると、座敷に男性が二人向かい合って座ってます、お寺で開催中の書道教室に紛れ込んだかのような風情ですよ。あがっていいですか、と声をかけて座敷へ。yasuminaサイトによるとここは荒木信雄さんによる設計だそうで。伺えば、普段は雑貨屋さんとのこと。
内容は2005年カレンダーをモチーフに、活字や罫など組み合わせた恒例の作品展で、活版刷りと、A2サイズで印刷された普及版が展示販売。日焼けした紙やセロハンテープで留めた「★」、ぐるぐるの「5」、超巨大な「,」が「9」など。あっちこっち見比べて楽しんでいたら、キッチン(というよりは水屋といってしまったほうが似合うな)のほうから梨を剥くシャーシャーという音と香りが。あぁなんて立花さんにそしてこの場にぴったりな!と思うも、腹ぺこになって退散。展示は12/23まで。

参照:come a booky!で『クララ洋裁研究所』とユトレヒトの前身「NON」のこと(2001)。上写真は『クララ洋裁研究所』です。

紙は皺が似合う

2004-12-22 | 本、雑誌
きのうのシリーズ装丁の話で思い出しました。
PENGUIN BOOKS の GREAT IDEAS シリーズの装丁はなんて軽やかで美しいのでしょう。二色で、デザインによるけれど文字部分がエンボス加工、全20冊、並んでいるとみな欲しくなるほど。読みもしないのに一冊だけ『Confessions of a Sinner』( Cover artwork:Catherine Dixon)を買っていて、そういえばとさっき棚から出したら、表紙の角は折れてるわ背にくっきり縦皺がついてるわですがもちろんそれもよし、なわけです。このようにそもそも紙って皺や折れが似合うのに、おおかたの本や雑誌はみなPP加工とかしてわざわざ似合わなくされてごくろうさまだし可哀想なことであります。

両脇かためて「詩の森文庫」

2004-12-21 | 本、雑誌
思潮社の「詩の森文庫」シリーズ、クリティック類がブルー、エッセー類がグレー(装丁者は無記名)でスタート。 マーク的につかっている一本の木のシルエットが一冊中に常に二種類登場するのが気になる。それと字、でかすぎ。とくにもくじの字のでかさはじんじょうでありません。書影は埴谷雄高『幻視の詩学』ですが、埴谷さんの顔写真だってあれなんですか。失礼だ! というか、せっかく新シリーズはじめるんだからきちんとやればいいのに。

ジャンル別色分け装丁って流行ってんの? 並べるとグラデーションとか一枚の絵とかいうのも嫌いですが、昨今のは色合いがぱっきぱきで。桂川潤さんによる岩波書店の「ことばのために」シリーズや中島英樹さんによる講談社現代新書などどっちもそれぞれ好きじゃないです。とくに後者は書店でもどう並べたらいいのか困ってるのでは。だいたいところどころ面出ししてるもんね。それが狙いですか? 揃えてもばらしても、目立つけどタイトルが見にくい。色だけの問題ではないような。いずれにせよシリーズものは退色対策がたいへんなんじゃないかと思って。やけやすい背の部分は平の部分とインキの調合を替えていると前に聞いたことがあるけれど今はそうでもないのでしょうか。朝日出版社・カルチャースタディーズシリーズの佐藤可士和さんの色別装丁はあの四冊で終わったんだったかな。だからいいのかも。書店でも並べて置いたりしてなかったし。

ネーミングについて言えば「詩の森文庫」は光文社の「知恵の森文庫」とどうしたってかぶる。本のムシくんを超えるいいキャラを育てないとね。ネーミングでかぶり、装丁でかぶり。両脇をがっちり固めてのスタートです。これエールです。

賀状の資料

2004-12-20 | 本、雑誌
そろそろ年賀状の用意をせねば。酉。よい資料が出ました。『きんぎょ』でもおなじみの、AD: 高岡 一弥+写真:久留幸子による『ニワトリ 十二支第十番酉』。写真、絵、置き物やグッズのほか、天然記念物、南方熊楠の「鶏に関する伝説」など収録。
今回はどうしよう。立体じゃなく編み絵法でいきたいんだけど。きっとまた遅れて寒中見舞いになる、御無礼します。

松葉里栄『10 ・ten』

2004-12-19 | 製本
コラージュを片面カラープリントして二つ折りしたものを32枚束ね、コの字厚紙でくるみ、さらにカバーでまいて125ミリ×90ミリサイズに仕上げた冊子。「一冊ずつ手製本したもの」とポップにあるが、見本を触ると開きが悪く、おそらく背の部分を強力な接着剤でつけただけなのでとたんにメリメリ壊れるだろうと思ったが、後付けにわざわざ製本終了日が記録してあるのが気になる。3000円は高すぎるが気になって買う。さっそくこころおきなく開く。メリメリいわない。みると奥に茶色の糸(写真右、見えるかな)、ぶっこ抜きかな、でも穴の数と位置が妙だ、なんか工夫してあるみたい、どうなっているんだろう。数カ所留めてあるカバーを剥がしてみるが糸は見えない。かがったあと表に出た糸を、一手間かけて隠してある。パチパチ! もう一枚剥がしてそれを見てみたいけど、内容も質感もひじょうに好きなのでこれ以上の解体はできませんでした。

女性たちのライフ・ポートレイト(2002年)参加時の松葉里栄さんのコメントをみると、「紙を縫う」はずっとテーマとしてお持ちのようです。そしてこれまた、協力:ART BY XEROX。なにをどう協力しているのか気になる。

箪笥に手をふらず

2004-12-19 | その他
押し入れのなかで使うために買ったのち色を塗り替えてテーブルにしたりタイヤつけたりなんだりしつつ引越しのたびにそれなりに役割を果たしてきた三段箪笥がついに居場所をなくしたので捨てることにしました。この土曜日が粗大ごみ収集日で、だいたいいつも昼過ぎなのでコーヒー飲んでから永年のご苦労言って別れましょうと思っていたらこの日に限って8時に来ましたよ! 大慌てで30メートル走って回収車を追いかけ、寒くて涙目になりながら「あの、あの」言って後方指差したら「あぁ押し入れ箪笥のひと?」と勘鋭く「次に回るから出しといて」と紳士。30メートルまた走って粗大ごみ処理票500円分を貼ってよっこいしょ出します、階段のうえでもたもたしてたら紳士登場、「はい、おあずかりしまーす」と力持ち、タイヤ付きなのでそのまま押して走って行くのですが、アスファルトの道をがーがーがーがーがーってすごいうるさい、いちおう閑静な住宅街の休日の朝、30メートル分を耳で聞きながら、ずいぶん大騒ぎして呆気なく行っちゃったねと言った。こっちも驚いたけど近隣も驚いたでしょう、でもだれより驚いたのは箪笥、手をふる間もなくてごめん。

『手をふる 手をふる』

2004-12-17 | 
五時になったら子どもは魔道をつかって意地でもおうちに帰ったほうがいい《わが町》は、目にモノ、歯にキヌ、手に職つけてくれるいたれりつくせりな町で、捨て犬《チェロキー》はうずくまる。ランブータンではなく《サンラータン》、ロクデナシではなく《ロキデナシ》、キュレーターとかクレーター、らりるれろのれとろの間に《ある》あれはなんだ? 宇宙の知らない大きな何かののりしろのような骨が突き出た《耳の後ろをまも》りながら、人生にラメが入ってきたころやばいと言って骨壺に《しま》われたい。そしてわたしは《パーティ》会場である天国ホテル行きのリムジンの窓から斉藤さんに手をふりたい。素敵な詩集をいただいて、あのとき(それは今なのだけれど)ほんとにほんとに楽しくうれしかったことを伝えたい。

斉藤さんの blog 手をふる 手をふる 

発行日:2004.10.10
著者:斉藤倫
装幀:名久井直子
プリンティング・ディレクター:落合崇
発行所:あざみ書房
定価:1,714円+税

Surfaces of Life : Junko Yamamoto

2004-12-17 | ギャラリー
山本純子「生活のてざわり」展(2004.11.26~12.18 小出由紀子事務所)へ。

布や毛糸にまみれて暮らせたらどんなに楽しいだろうと思ったことあります。材料さえそろえばなんだって思いどおりに造れると考えたわけですが、布の種類や毛糸の色の増殖は、かつて夢みた「思いどおり」の「思い」とやらが、いかにたやすく枯渇するかを露呈さすものでもありました。

その「思い」がとりとめもなく続くとどうなるか。山本純子さんちはアップリケだらけになりました。詳しくは小出由紀子事務所mon petit lapin 2004.09.10から是非。そのなかの幾点かが展示。《アディダス》だったかな、アディダスマークの隣に「m」みたいなものが刺繍された作品はなんとも大切な「m」風で釘づけ。あとタイトル失念、白地にレモン色の四つの四角がアップリケされたやつ。なんだろう、窓?パン?好きです。

写真は《キッチンウェア》1990s 。綿地にフェルトでアップリケ。