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おかえりのすけBOOK

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「gui」73

2004-12-08 | 本、雑誌
でました。今号では関富士子の「七月に至るいくつかの理由」と田口哲也の「ロンドン日記」が好き。
四釜の「ミズハ ノメノ」もいいよ。給水タンクをみあげてよろこんできた無邪気を、水の神ミズハノメに戒められたこの夏の話です。「ミズハノメノカミ、ミズハノメノメ。この星の糞尿譯からいつかわたしがもれてゆく」

 もくじより

 レオン=ポオル・ファルグの詩(2) 秋元幸人
 新明解常識辞典 藤富保男
 七月に至るいくつかの理由 関富士子
 直線で 山本テオ
 空飛ぶ板 國峰照子
 純粋詩 松井茂
 短編 萩原健次郎
 駅前で 大園由美子
 ボタン 南川優子
 源流 賀陽亜希子
 新作(い)(ろ)(は) 小野原教子
 p.o.e 宗清友宏
 二十世紀の骨格 香川紘子
 ロプノール 山中真知子
 双子の見分け方 遠藤志野
 THEM JIM CARROLL 
 ミズハ ノメノ 四釜裕子
 UNTITILED JOHN SOLT
 ロンドン日記(10) 田口哲也
 気まぐれ読書ノート(7) 岩田和彦
 <笑いの系譜>NO.4 藤澤辻堂
 深川日誌 平成16年春ー夏 山口眞理子
 タンゴ・口には出せず(14) 遠藤瓔子
 やさい顔 岡村昭和
 釣り 濱條智里
 風の山の麓で(2) 岡崎英生
 千駄ヶ谷 吉田仁
 晩秋 森千春
 薄暮から(1) 奥成繁
 なぞなぞ(七) 殿岡秀秋
 懐中電灯 中津川洋
 熟睡する前に ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ 飯田隆昭 訳
 北園克衛『郷土詩論』を読む(三七) 奥成達

 表紙:高橋昭八郎
 発行:2004.12.1/編集:gui/発行所/田村デザイン事務所

参照:gui 72

梶井照陰『NAMI』

2004-10-14 | 本、雑誌
リトル・モア主宰の第1回『FOIL AWARD』 のグランプリを受賞した梶井照陰氏の写真集『NAMI』。最終審査までノミネートされた作品を掲載した『FOIL vol.6』の表紙はその一部で、波打つ水面の風景、それはコップのなかあるいはプールかもしれない、しかしまさかほんものの波間にまみれて撮ったとは考えもせず、でもその力強さに圧倒されて魅入った。それが中島英樹氏のデザインで写真集に。絶妙なページネーションと判型、なにより値段を抑えたすばらしい一冊と思うが、店頭で何度見ても、なぜか買えない。
朝日新聞10/13夕刊「ようこそ」欄に梶井照陰氏。「集中して読経していると、お経と一体になる一歩手前まで行くときがあります。風邪で声が出なかった時、その集中する感覚を視覚化できないかな、と考えるうちに、波に行き着きました」
それで今日も本屋に寄って『NAMI』をめくった。子どもの頃からみてきた波もまだみぬ波も、ざんぶざんぶとみな頭に入ってきた。いい写真集だと思った。ほんとうにそう思った。梶井さんのその言葉に触れるために在るのだと思った。

参照:梶井照陰オフィシャルサイト

ワルで子供でやんちゃな男ども

2004-09-25 | 本、雑誌
男雑誌広告(2004年9月24日朝日新聞朝刊東京版より)

19面3段 『LEON』11 主婦と生活社 
リッチなオヤジは、夜にアヤしく華ひらく! 恒例 モテるちょい「不良(ルビ:ワル)」オヤジの作り方
18面15段 『LEON』3周年 主婦と生活社
モテるオヤジに支えられ、おかげさまで3周年! 必要なのは”お金じゃなくてセンス”です!
そしてLEONから「コムスメに勝つ!」新女性誌『NIKITA』創刊まで、あと4日! あなたに必要なのは”若さ”じゃなく”テクニック” 
13面15段 『Gentry』創刊 HACHETTE FUJINGAHO 
紳士になるまで、男は子供だ。大人の男の最上級スタイルマガジン、ついに登場。
11~10面下3段続き 『Straight,』創刊 扶桑社
さあ、男40代、自分の流儀(ルビ:スタイル)ありますか?
40代からのクルマ選び キーワードは「やんちゃ」か「シブイ」

さてすこし検証してみましょう。『LEON』の発行部数は公称6.5万部、定価780円で三年続きましたから、780円×12ヶ月×3年×65000人のモテるオヤジ=延べ18億2520万円のモテルオヤジ小遣いが日本にありました。豊かな日本。ルビをカタカナでふるとかタイトルの「,」を半切れするとかあーヤボい。わたし女なんですけど男雑誌の馬鹿コピーのほうが数倍気味悪いです。その妹雑誌とか呼んでんでしょう?若さをひがむ中年女のための『ニキータ』。

リーフ・ブック刺繍刑vol.3

2004-09-15 | 本、雑誌
リーフ・ブック刺繍刑vol.3、届きました。
開いて解いて開いて解いてめくって解いたもようはこちら

Salome 第三夜 誓い
a melody of the moon
ビリチスの歌 第三話 孤独
ビーターマイヤーの棚 第三集 告解
a story of the shoe 3
戒律の園 第三葉 或る日、木陰で

毎度ながらわたしは中綴じ冊子体の「ビーターマイヤーの棚」がとくに好き。今回は、白や黄緑、茶、水色のリネンやフェルトをキャンバスに、針の筆にビーズやスパンコールをまとわせて描くミストレス・ノールのニードル・ワークが全頁に。なお同封の刺繍糸はDMC25。何番かな。通常二つある留め紙のひとつをリボンに替えて。

チリ10ミリに守られたエッセイ

2004-09-10 | 本、雑誌
蜂飼耳『孔雀の羽の目がみてる』は、「菊地信義の、この作家へのオマージュともいえる装幀が本書をひときわきわだたせ、上質なエッセイを求める読者に、書物をひもとく期待感をふくらませている(みすず書房ウェブサイト)」。
みため的にいえば三方チリが10ミリほどあってめずらしいのだが、だからといって必然性は感じられずおまーじゅ言われてもなーなのだが、かといってめくりにくいこともなく、そして表紙カバーをはずすと表紙のヘリにちょっと白がみえるデザインになっていて、これもまたこだわりに違いないのだがおまーじゅ言われてもなー。
などと思いながら立ち読んで、帰る。嫌いと思うひとがいれば好きと思うひともいる。それでよい、それがよい。わたしは嫌い。書店で手書きポップになるような、はりきり装丁が。
←やっぱりうまくいきません。ブログ入力時に文字サイズを選べるようにしてくれているのに、アイコンは一サイズなのでこんなふうに行間が乱れる。地つきか天つきかがせめて選べればいいのに。

60歳のマガジンハウスが47のアンケートを

2004-09-02 | 本、雑誌
きのうまでの渋谷大古本市でもみられたマガジンハウス60周年記念企画、今週末には『ルーツ&ネクスト』と題して、バックナンバーフェアが本社一階のワールドマガジンギャラリーで開かれる。自由が丘の西村文生堂と渋谷のFlying Booksによる出品、ですからもちろん古本です。
60年ということは、いま命ある日本人のかなりのひとが、なにかしらここの雑誌の創刊にたちあっているのね。あなたの場合はどの雑誌? 
なお最新は、今月7日創刊の「BOAO」。「これまで」の経験を生かし「これから」に投資する、27歳から35歳の女性のLucky & Happyをサポート!してくれるそうです。ファッション、ビューティ、スターが3大テーマ、それでもって今月のBOAOBOYは中居正広さん、だそうです。タイトルの由来はすべての血液型の女性にとって幸せのヒントがこの一冊に、とのこと。はっ素敵。このトートバックをもしや街角でみかけたらたいへんなこと。ご一報ちょうだい。
参照:平凡ということ

元祖乙女はハードボイルド

2004-08-31 | 本、雑誌
メダカサン
メダカサン
オホゼイ ヨッテ、
ナン ノ
 サウダン。
ア、ミンナ ガ、
 ワット ニゲテ イッタ。

(小学国語読本 巻一)

この「ア、」の読みかたに、「アッ」「アア」「ア」、三つの読みかたがありますね、それぞれどう違うでしょうねと教えてくれた先生の話に、「ヨミカタ」のおもしろさと「ことば」のふしぎさを強烈に胸に刻んだ藤富康子さんは、その後、この国語教科書を編集した人物に興味を抱き、永年の調査のすえに井上赳を探し当て、その人物像を三冊の本にまとめてきた。
昭和19年、それまで23年間国定教科書の編集に携わってきた井上が辞表を提出、戦後文部省は、サクラ読本、そのあとのアサヒ読本をはじめ、井上に関する資料を一切不明としてきたというから、調査の困難はいかほどであったかと思う。
この夏刊行された三冊目の『サクラ読本の父』では、著者が井上の欧州旅行記片手にその足跡を追う旅の途中で、公園のベンチに立ち上がって声高らかに日記を読み上げるシーンも。「乙女とは、ハードボイルドなのです」(嶽本野ばら)かも。

偶然ですがわたしは、富士山とハイトリグモとニンゲンのあいだで交わされる「あ」「ああ」「あー」を巡る詩を、「あ、ハイトリ」(『gui』72)というタイトルで書きました。楽しい詩ですよー。来年の小学校の国語の教科書にどお?

「COYOTE」森山大道 その路地を右へ

2004-08-21 | 本、雑誌
Switch publishingが今月創刊した「COYOTE」(編集長は新井敏記)。旅をテーマとし、創刊号の特集は「森山大道 その路地を右へ」、表紙には「コヨーテが憧れる、森山大道の放浪。」。ビックネームが並ぶが、手間暇かけて丁寧につくったことが伝わってくる。なかでもいっとう好きなのは、森山大道の文による「西池袋 野犬のはしり」。好きなんだ、森山さんの端的な文体が。引越し先の池袋をめぐるエッセイで、イラストはミヤギユカリ。詳しくは「COYOTE」Day`s of Books, Films & Jazzなどもご参考に。

しかし「コヨーテ」とタイトルした谷川俊太郎の詩だけは、「詩」のジャンルもいれとかなくちゃね、という感じがするのは気のせい? 詩人は意に介すべくもないけれど、酷だ。