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三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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オカルト系(魔界・悪霊系改め)8

2005-10-05 05:09:50 | モンスター映画
 ■ナインスゲート■ 宙を滑る謎の女(ま、堕天使ってことね?)含めてモンスターらしいモンスターひとっつも出てこないけど、妙な緊迫感が。ウルトラ稀覯本をどいつもこいつもタバコ吸いながらいじってる無造作ぶりがハラハラ感を高めてる。灰は落ちるわ火の粉は散るわ。ジョニー・デップったらやわな鞄に入れて持ち歩いてるからひったくられるわぶんまわされるわ。悪魔祈祷書の版画を見比べるシーン、あんな地味なのにけっこうゾッとしたのもそのせいよ。版画の署名にだけ出てくるルシファーがぼんやり影を落としてて、なまじ悪魔が露出するオカルト映画よりかオカルトっぽかったかも。車椅子の男爵夫人がまことにいいベロ垂れ死に顔さらしてくれてたし。ただなんていうかな、アクドイ古本屋ってキャラクター設定なんだから(てゆーか自分じゃ店構えてないのかな?)もっと手を汚してほしかったね。結局違法行為やらずに終わっちゃったでしょ? 結末は「やっぱりナー」的で済んじゃって、しかも友だちの古本屋が版画どおり片足吊されて殺されたのも、コレクターが二人とも殺されたのも、最後になってみりゃ理由らしい理由なかったんでしょうよ。あの教授が一人で版画を全部ぶん盗りゃ済んだんだよねって感じで。祈祷集会にいた人々もなんで老体ひとつ相手に文句もいわずみんなして逃げちゃうのって。でもまあ、いいのいいの、ディテールが練られたおかげでしっかり引き込まれましたんで。本物の版画一枚が最後なんであんなとこにあんだよってのも物語的には無茶苦茶、ただ観客用にだけその場その場で凌いできた安ストーリーだってことバレちゃってんだけど、まあいいよ目をつぶっとこう、瞬間ごとに楽しめたのは紛れもなく事実だからね。全体を振り返っちゃ野暮よ、ってことで。
 ■コンスタンティン■ これ、全然意味わかんなかったんだけど、やっぱ字幕出して観るべきだったかな? ラストに出てきたオッサン何あれ? サタン親分? だとしたらもっと専門的な恰好で出てほしかったなあ。であそこで初登場かい、それとも俺見逃してたかな? 天使は前に出てたの覚えてたけどサタンは。とまあ、なんかいろいろやってるらしいってことだけはわかったけどチンプンカンプン。ワカラナサは他の映画よりずっと上だったな。てことはそれだけ脚本が凝っちゃいたんだろうな。でまあ、さっぱりわかんなかったけど、ビジュアルでそれなりに楽しめたんで満足。前半でチョコマカ登場した魔物っぽいのが素晴らしくて。鏡の中のヤツも禍々しくてよかったけど、とくにカニの大群で出来てる悪魔が旋風の動きでジョンを襲うどえらい場面には私ャ狂喜いたしまして。でもそのあとはほぼ人間スタイルの天使だの悪魔だので固められちゃうんだよね。チョイガッカリ。あとほら、序盤でなにやら火炎放射器だのそっち専用武器みたいなのを手にしてたからもっといろいろ駆使してくれるのかと思いきや結局あんま種類出てこなかったね。基本は弾丸だしな。そういや砂漠でヤリ掘り出した人は結局どうなったのかい? ってそんな基本的なことも掴めてない私ャもう一度この映画観直したほうがいいんでしょうね。ってまぁ、天使だか悪魔だかゴチャゴチャやってるの理解できなかったのはたしかに気になるけどまあ、キリスト教ごっこ系はもともと私苦手なので、あのへんのストーリーつかめなかったのが評価的には幸いしたかもしれません。理解できてたら案外シラけたかもなって。
 ■ゴーストキャッチャー■ 絵だけ見てりゃそこそこイケるんです。芸術気取りの無駄な無声映像が序盤と終盤(なぜに太陽系?)に続くのが鼻についたりはするものの。で、ネコたちが活躍するムードもよいのだけど、2つ決定的な難点を言うとですな、一つめ、逆ゴーストキャッチャーになっちまった女精神科医ね、タバコ吸いながら告解してんのかよ。もっと神妙にやれよ。しょっぱなからあれじゃあ、事件全体が緊張感失って安っぽくなるっつんです。『コンスタンティン』なみにタールまみれの伏線として効いてるってなら別だけど、あの女自身に対する好感度もタバコ懺悔で激減して、死神とのえらく馴れきったような対話も不快感増すだけでしたわ。二つめ、その死神との対話の直後死にぞこない(あいつ一応ヒーローなんだからもちっと若い男にすりゃよかったのに、死の痛ましさを感じさせるような。あんなジジーじゃ死の値打ちがこれまた安すぎるワイ)と手を携えてすいっと逃げてきたあそこだけど、あれなんであんな簡単に逃げてこれたの? 説明がないぞおい。あの一場面でこの映画ズドーンとさらにレベル急落。絵的にいくら頑張ってみてもあれですべて台無しね。人の死が見える半猫人、て題材はうまく使えば相当なものになったろうに、絵に逃げちゃったねえ。ストーリーで堂々勝負してほしかったよ。てわけで例により、この映画でもベストシーンはあの可愛げのないヒロインの嘔吐シーンでした。

陰鬱ホラー系6

2005-10-02 03:37:02 | モンスター映画
 ■えじき■ これってやっぱ、『呪怨』あたりの影響受けてる? ありありやなあ。ゴーーッというアンビエントノイズ低音で盛り上げるのはいいけど、毎度引っ張りすぎてホントもう、ろくな事件ないまま時間ばかり経ってこっちゃあイラ苛イラ。井戸から手ぇ伸びてきて引きずり込んでくれてやれやれこれで本番かと思いきやまた落ち着いちゃうし。設定は相当いいのよね、大量殺人してきたばかりの銀行強盗6人がなにやら呪いがかかったっぽい屋敷で右往左往を強いられる、と。極悪vs邪気という図式、わくわくするじゃありませんか。そりゃたしかに逃走途中で子どもぶっ殺しちゃったことを悔いたりはするものの(あと井戸から子どもを救おうなんて性善説見せつけたりもするものの)、基本的に全員がどーしょーもない外道ってのは、魔物の犠牲者としちゃ豪華千万だわ。映画で模範生的ヒーロー不在構造ってなかなかお目にかかれませんもので。しかし如何せんもったいぶりすぎ~。モンスターっぽい亡霊やら皮剥がれ動物やら毎度一瞬しかお目見えしないし(生剥げアニマルは最初飛び出してきたときゃそりゃ笑っちゃったよいい意味で、びっくりだよあれ)、おばちゃんのお腹からモコモコ塊が盛り上がってきたときなんざスワ物体Xっ! ブレインデッドっ!て大期待に胸躍らしたのにさ。なんで一々ケチるかなぁ。ま、『呪怨』よりゃずっとよかったし、ラストの「あひぇ?」感も大したものだけど、で画像も全般美麗で高級感あんだけど、私ゃひたすらもっとじっくり見せてほしかったんだよう生剥げちゃんをぅ。なので結果としてベストシーンは、例によりおねえちゃんのゲロ吐きシーンということになってしまいました。真下アングルで撮ってくれたのが嬉しかったね、ただ口に白濁液含んどくだけじゃなくてちゃんとエズイてくれてたら私大喜びだったんですが。
 ■デモンズ ’95■ ゾンビに驚く手間を一切省いてすでに日常の一部になってるとこから始めてくれた省エネ超アートシネマっすか。とにかく色彩とカメラワーク、映像芸術半開持久走ってとこだな。シーンが変わるごとにいちいち「お?」と思わせる視覚トリック。気怠い退廃美がそこそこ凝ってますよ。どっちかつうと前半が面白かったな~。日常派ゾンビだから事件のたびに主人公サイドの緊張感の無さが逆に浮いてめっぽうシュールな違和感があふれる。ナギとかいうフリーク系の助手が異様にいい味出してました。ナギの恋人の頭が飛んでっておとーちゃんの首を噛み切っちゃうとこなんぞ、ギャグなんだか本気なんだか。ゾンビの出番そのものは少なめだけど、髑髏顔の死神やきれいなヒトダマもふわふわ飛んで、けっこうバラエティ豊か。頭撃ち抜いたはずのゾンビがまた復活、と思いきや考えてみると頭撃ち抜いた時点でまだ生きてたと。人殺ししちゃったんだと。あそこ怖かったよね。後半もまーまー良いのよ、だけど正直言って全然わけわかんなくなっちゃってね。あまりにわけわかんないんで、私の英語力不足っつーよりこの作品自体がナンセンスって判断で、よろしいですかね? あまりにくるっくるっ場面変わるんで集中が妨げられたとはいえ、アート仕立てはラストまで変わらず、なんとも不可思議な。何度目かに現われたあの女が喋りながら主人公のまわりをぐるぐる回るとこはほんと酔っちゃいましたわ。ゾンビ映画としては異色中の異色狙って成功したクチでしょう。

トラウマ系11

2005-10-01 02:41:05 | モンスター映画
 ■太陽を盗んだ男■ こっりゃ面白いわ。映画ってのはこうじゃなきゃいかん。ジメジメしたのや空虚なアート気取りの多い邦画の中で、いい意味でハリウッド的突き抜けかたしてる。細かいことツベコベ考えないお馬鹿なエネルギーっていいよな。教師メインに据えたこのテのにありがちな生徒の脇役なんぞ出しゃばりっこ一切なしでさっぱりしてて、バスジャック犯の切実さもキテるし原爆製造過程なんか無駄なほど異様な迫力に満ちてるしで、てわけでハイ、基本的にモノスゴーク面白い映画だってことは実感として認めた上で、ただなんかこう、進むにつれてますます荒唐無稽になってっちゃったのが残念っていうかなあ。DJは必要だったけど池上季実子は要らなかったし(発声張りつめすぎ)。原爆取り戻すときのターザンはあれ何? カーチェイスのときのラジオ局ヘリのスタンスがいまいち煮え切らんかったし、菅原文太のほとんどゾンビ的不死身ぶりはまあ防弾チョッキってことでOKにしても、沢田研二は屋上から落ちたらそりゃちゃんと死んでくださいな。平然とすたすた歩いちゃダメでしょう。等々オバカ展開が度を過ぎた感が強いわけで、全編、原爆作ったはいいが何したかったのかわかんない不条理でチンタラ徹してくれたほうが却って迫力あったかも。でもまあいっか。現に十分楽しめちゃったんで。原爆はプルトニウムさえありゃ大学生でも作れる、てのはホントだろうけど、作る本人髪の毛抜けたり歯茎溶けたりするの覚悟しときなさいよ、ってのも妙によくわかった。そうか。あびないあびない。やっぱ個人で原爆作りはやめとこっと。
 ■デスレース2000■ 運転席視点をもっと多くしてくれたら迫力あったのにな。チキチキマシンみたいなの期待してたんだけど、外野からいろいろ妨害が来るんで却って集中できなかったよ。3日に分けてるってのもね、やっぱこういうのはガーッと一回で終わってくれなくちゃ。轢き殺しかたはそれぞれ面白かったですよ、爺さん婆さんたち殺るかと思ったらギュイーンってそれて看護婦たちを逐次跳ね飛ばしてったマンガチックなノリとかね、ウム、たしかにそのほうが得点上がるかもしれん。しかしUターンして老人らもきっちり轢き殺してくのが筋なんだけどな、あの文脈だと。いずれにしてもよくぞ作ったという鬼畜映画ではあるけれど、鬼畜はルール設定だけで実際は老人と子どもは避けおおせてるんだよね、女も男もバカスカ跳ねまくっていながら。やっぱこれ系ぶち挙げた以上子どもを轢きツブさなきゃなあ(赤ちゃんはただの爆弾だったし)。しかし子どもより老人のほうが得点高いってのは面白いね。子ども殺すほうが鬼畜度上のような気もするんだが。75歳なんてスゲー元気な人いるしさ。ま、基本的に面白かったよな。外野がうるさくしなければもっとね。
 ■自殺サークル■ こーゆーのってほとほと困るんだわ。創作意欲のカケラもないのミエミエなのに無理して時間稼ぎしてるこういうのは……、こうまでして映画作んなきゃならんのかい? しょっぱな54人手つなぎ飛び込みとやらも他の客が全部ずっと背後に退いてて不自然なことこの上なし。混雑した駅のはずなのにさ。謎を残したとかそういうレベルじゃなくて何も展開できなかっただけでしょうが。むやみに繰り返す質問形も思わせぶりにすらなってない(あんなもん「テツガク的なセリフ」なんて言ってくれなさんなよ)。ネット掲示板も効いてない。死をテーマにしさえすれば何やってもみんな考え込んでくれるだろうって甘えた期待に溺れた、どうしようもない堕落作。ただひとつの取り柄となりえたはずの血しぶき量さえ節約しちゃったクズ未満の糞。
 ■ごくせん■ 2005年版のDVD出るっていうから、前の2002年の一通り観とこうと思って5枚一挙購入。で、私としちゃこういうこと珍しいんですが、挫折しました。途中で見事に。イヤ、もはや見続ける根気続かず。どーしてかなあ、『トリック』はあんな面白かったんで、これもイケルかと思ってたんだが。まず第1話の、生徒が川に捨てたと言ってる袋を探して先公が一日中川をさらってるってので閉口。だみだこりゃ。キンパチとどこが違うんですか? 「型破りな教師」ってこんなんだけっすか? 仲間由紀恵だものありきたりな熱血教師ものじゃないよねって前提で観始めたのが間違いだった。裏切られ裏切られても我慢して観続けた結果、とうとう限界にきまして、中断。しょせんテレビドラマってか。どこで力尽きたかといいますと、第4話ってことになるのかな、同僚の女教師がクラブでホステスのバイトやってることが学校にバレて、で彼女を依願退職にしたくなければクラスの生徒全員30点以上とらせろとかいうことになって、そのためにヤンクミが補習を買って出る、とかいうあたり。だめです。ついてけません。そもそもここまでひとつもいいとこなしでした。お約束どおり問題児揃いの最悪クラスを担任させられるのは当然として、最大の問題児とされているなんつったっけ、サワダだっけ、そいつが全然問題児でもなんでもない。クセもない。ヤンクミを盛り立てるヤクザどもも迫力不足。親分も物わかりよすぎ。頼みの生瀬勝久も生きず、他の俳優で事足りる役柄しかもらえてない。てことで、お約束も満足に守れない・かといってお約束外せてもいない取り柄ナシドラマ、私がこの続きを観ることはないでしょう。つーかトホホホまだ未開封のDVD3枚残ってるよ、あ~あ……仲間由紀恵そのものは好きだからいつかつい観ちゃうかもな、ってそんなレベルとっくに踏み外してやがるでしょう、これは。

爬虫類・恐竜系6

2005-09-29 02:54:24 | モンスター映画
 ■彗星に乗って■ これはファンタジー系だろうか? どう分類したモンかな。カレル・ゼマン、チェコアニメ映画の巨匠ってことでシュワンクマイエルみたいなグロめの期待してたら全然違って、でも面白かったす。実写とアニメと書き割りセットの合成をむしろはっきり見せびらかしてるアート仕立てか。地球やら別のわけわからん惑星やらが水平線に近づいたり遠ざかったり、ものすげえ幻想的。モノトーンへ切り替えを多用してなんか緊張感をあえて緩める不思議な異空間ムード放出しっぱなし。天井の崩れをしつこく繰り返すほどほどギャグも効果的ね。しかし絵葉書の女、とことんいい女やなあ。口もとの表情がたまらんですね。陸と海を行ったり来たりちんたらちんたらストーリーが漂っていく中で、歩くお魚には笑っちまいました。次の瞬間イノシシみたいなのに変わってたけどね。肝心の恐竜たちなんぞ金物の騒音に遭って素直に逃げてくところが可愛い。超巨大ウミヘビにいたってはこっちを睨みすらせず潜ってっちゃうチョー引っ込み思案ぶりで。で異生物は一切さしおき人間どうしのバトルがどうしても中心てことで、ちょびっと帝国主義への批判が? とも思わされるが時代的にその必要性があるとも思えない、そのアナクロぶりが異次元ファンタジーっぽさを補強しておりますな。いやいや1970年チェコだからやはりリアルな政治性はたっぷりか。で結局は夢落ちでフツーに終わるんだけど、アンジェリカだっけ、あの女の典型的東欧美人ぶりが、非実在とわかった瞬間また切ない輝きを増すんだな。妙にオリエンタルなかつ壮大なBGMが情緒盛り上げてます。しみじみ系+不条理系の、まあ傑作いうより奇作ですな。
 ■前世紀探険■ いかにもカレル・ゼマン。1955年作だよねこれ。そんな昔なのかって目で見るからかもしんないけど、驚くべきレベルの高さっすよ。おとなしすぎるというかアクションやスペクタクル皆無だけど、頭上の豹なんかリアルだったし、肉食恐竜対ステゴザウルスは近年のドタバタCGよりか真に迫ってるんじゃないか、接写がないのだけがそりゃ物足りないけど。水浴びするトラコドンのひょうきんな表情には笑えた。石炭紀のトカゲ型両生類が無意味にしつこく抵抗するとこなんざも。石炭紀の巨大トンボを帽子でつかまえようとする最年少坊やに一番笑えたかな。冒険心発揮するかと思うとボートが壊されてただけで大泣きするしね。なにしろ男の子4人がずーっと川を遡って行くだけでそのままタイムマシンになっているなんて、なんの説明もなく始まってるファンタジー仕立てが夢の中感を当り前のように前提して、ふわふわした霧が時代を区切っているというのもまた漂い模様を深めてる。大した事件も起きぬまま、本物の三葉虫と持ってきた化石を掌に並べるとこでおしまいという、なんとも理科の教育番組的な色彩も混じった何気なさが気に入りましたわ。子どもたちがすっかり科学者してるし、原始人との余計な交流なんぞ無しで済ませて住居&道具にだけ対面という抑えまくった作りにも感心、シュールと称する必要もない自然体の準メルヘンタッチ。女の子が一人も登場しないのも正解でしたよね。
 ■アナコンダ2■ 前作からだいぶ落ちやがりましたねェ。ありきたりすぎる低空ジャングル空撮のオープニングはまあいいとしてと。サルが飛び出してギョエエエー、ヒルにくっつかれてウヒャーウヒャー、骸骨見るたびにドヒャヒャヒャー、ったくテメーらオーバーだっつんです。蛇サイドももうチョイ頑張ってほしかったよ、数が多くなったぶん一匹一匹がやはり弱っちくなりましたねと。あんなヘナチョコ落盤でオッ死なんでくださいよと。4人もぞろぞろ生き残る意味あったんですかねと。前作の濃いオジサンに匹敵しようと力んでたチーフがどーも役者不足でしたよと。なんか見せ場なかったなあ。サルが見下ろしてる水面にみんな気づかぬ大蛇の影がぼわわーっ、てとこだけかな、「お?」と思ったのは。
 ■ボア vs パイソン■ ヘビ対ヘビとは何たるセンスの悪さよ、かたっぽワニかUMAにでもすりゃいいのによう、と始めから諦めていたらなんと、そんな諦めをも軽く凌駕する長々駄作ときやがった。うはー。CGを節約しまくってるからそもそもヘビがほとんど画面に出てこねえ。それにどっちがボアでどっちがバイソンか、たぶん色と装着メカで判別しろってんだろーけどわかりづらいこと夥しい。全般、人間とヘビが直近で緊迫してるはずのシーン、どれもこれもヘビだけショット、ヘビの気配ゼロの人間だけショット、これ見よがしにチラッと両方いっしょショットと、テンポズタズタのバラバラやんか。絞め殺された女の死体が無傷ってのも納得ゆかんぞ。だいたい二体が戦うのは終盤の終盤1~2分程度ってどーゆーことさ。地下鉄車両越しの決着の付きかたも何とカタルシスのない。あ~あ。

ロボット系4

2005-09-28 04:40:57 | モンスター映画
 ■クラス・オブ・1999 処刑教室2■ 荒れたハイスクールの教室っつったら授業開始前モノを投げ合い紙飛行機が飛んでる、ってのがお定まりだけど、ここでもさっそくそれやってます。現実にはそんな無意味な荒れかたしませんって(苦)。なわけで思いっきり定型系、アンドロイド教師が暴走するという設定からしていかにも普通で端から諦めてたのだけど、これがなんと、面白かった! 教室映像を教師視線で中央モニターしてるなんてぇトボケぶりから、マンガ的な体罰連発、自分ら強いくせにセコイ手で不良生徒グループを相討ちさせる教師軍団、殺し方も一々さりげなく異色(壁越しに両手で腰かっさらって即背骨ボッキンとかね)。不良サイドが団結してからのバトルの正統ハチャメチャさったらこれがまた。いやぁ夜の学校、みんなで廊下をオートバイぶっ飛ばしたらそざ楽しいだろうよなあ。自動小銃乱射に火炎放射にロケット砲ときた。ズダボロアンドロイドがズルズル這い出て最後の逆襲するとこはメいっぱいモンスターでうがった特撮で怖いよあれ。ただひとつ疑問なのは、2体はちゃんと壊滅場面アップで映ってて納得だけど、女アンドロイドだけは階段教室大爆発で済ませちゃったよね、あそこは不満だぞ。ちゃんと残骸をさらけ出してくれないと。てのもまあ、とりあえず細かいこと気にしない大味アクション連鎖の表われで、そこが全般よいわけでもあり。乱闘けっこう気合い入ってて、痛そうな投げ飛ばされシーンも豊富、うーんジャンク映画色全開のこういうのって、俺つくづく好きだなあ。楽しかったョゥ!
 ■人造人間ハカイダー■ わはははは、こりゃいい。こりゃ楽しめる。ギャグなんかひとつも入ってないのになぜか笑えるよっつの。観たのはディレクターズカット版だけどそれでもきっちり詰まった印象、いきなり始まりまくってノレました。劇場版はもしかして背景説明っぽい科白とかそういうのが省かれてんのかな? だとしたらいっそう良いな。カオルの出来損ないフアンタジーみたいな夢のシーンがもしカットされてるってならこっちのほうが良いだろうな。いずれにせよミカエルとの戦いが素晴らしいよ。殴る蹴るのたびにいちいちカキーン、カイーンって金属激突音。いい加減しつこくて笑えたよ。派手なアクションが全然ありゃしないだけによけい笑えた。次のラスボス戦はあれはダイナメーションで作ってるのかな? 両者の動きがハリーハウゼンっぽかったんで。それにしてもカオルのド素人っぽい演技がカワイイのなんの。驚くところの口の開けかたがヘタクソでたまらなく可愛い。あの人、富江も演じてるらしいな、観てないけど。富江は菅野美穂の第一作(ゾンビ・バンパイア・ミュータント系(人間型系)4参照)でワタシ懲りたんで観る気ないんすよ、あれ以上。しかしカオル役のこの可愛さ目にしたらむらむらと観たくなってきたな富江replayも。いかんな、思いどまろう。でまあカオルだけじゃなくみなさん演技も科白もほとほとヘタ糞なんだけど(とくにグルジェフねぇ……あの人マジ素人さん?)、であんだけ「重武装兵」がぞろぞろろ揃いながらターミネーターを千倍薄めた程度のへなちょこアクションしかついぞ含みゃしなかったわけだけど、うむ、メカおよびバトルの偏った微妙トホホ系がかったハイレベルさに免じてこれ、傑作と呼びたいと思うのですよ、私は。
 ■デスマシーン■ そりゃないっすよ。せっかく怖ろしげな鋼の牙ガシガシ爪バリバリの戦闘用ロボットが襲ってくるってんだから、当然「人の胴体を牙でグシャーッとかみつぶす!」てシーン期待するでしょうが。……一度も映ってねえでやんの。釣るだけ釣っといてお預けですかよ。かろうじてエレベーターに半身突っ込んで爪で腿をブッ刺してくれただけ、でも刺された兄ちゃんそのあと平気で走り回ってるしさ(しまいにはどうもヤラレたらしいけど)。なんていうかなあ、あんだけスピード感全開のわりにはロボットの襲いかたが単調で、爆弾何度ぶつけられてもびくともしない不死身さが却ってハラハラ感削いじゃってて。つーか、そもそも全身あんまり見せてもくんないじゃないのよう。デザイン良さそうなんでじっくり見たかったのに常時画面は暗いしまわりに邪魔な障害物やたらうるさいし。足もとだけは何度もリプレイいただいたけど。閉鎖空間ものだからってあんな見づらくする必要なかったと思うよ。あとパワースーツ戦闘マンとの正面対決がちょびっとしかなかったじゃないのよ。あれだって当然こっちは期待するんだから、責任は果たしてほしかったよなあ、パワースーツ男ったら冒頭に登場してスワこれこそメインモンスターか、と思わせたアイテムなんだから。てことであれやこれや、よさげな設定だけ満載で〈オアズケ〉の連続、なんかこちとら躾け中の犬みたいな気分を味わわされる、つーかただ詰めが甘いだけだろ的な恨めしい凡作になりはて系でしたとさ。