■やまとなでしこ■ まー面白かったことは確かだけど、毎度このテのドラマに出てくるウソの上塗りさ(住まいから父親の職業までね)ー、常識的に維持不能ってことくらい表面上自覚した上で演出してほしいよ、婚約までさせたセッティングでまたまた性懲りもなく。ま、そっち系の批判は措いとくとして(結婚式直前まで合コン繰り返す執念に関しては、さすがシュールで楽しめたし)、松嶋菜々子ッてそれほどの美人か? 合コンでも酒場でも「ウツクシー」とか男どもポーッとなるシーン毎度毎度違和感ありすぎョ。まあ打算的な笑顔の魅力がとびっきりってことはそりゃ認めざるをえませんが。どっちかツーと俺矢田亜希子派かな。惜しかったよな、魚屋はいいけど数学者は矢田なんて、思いっきりズレた選り好みさえなきゃねー、あれさえなきゃ勝ってたかもしんないに(オースケが魚屋継ぐのが口実だったのと同じくあの魚屋フェチも彼女が身を引く口実だったかね……て解釈できるあたりぁうまい作りだったワ、そりゃ)。あと何ツーかなぁ、女サイドの選択基準ばっか俎上に載せてて男サイドのは不問ッテのが今ひとつ突っ込み不足で。まぁストレートに言って主人公オースケからして女=顔で決めてるわけで、そんなの当然ってか? 〈考えさせる恋愛ドラマ〉狙ってたとしたらそこが浅すぎね。「男と女がホテル入ったらやることは一つでしょー」って素朴な決めつけもまるで紋切り型で苦笑モノ。いくら何でもモちっとリアルにさ。あ~あどいつもこいつも底抜けの善人ぞろいなのも物足りねかったな~。同窓会で会ったあのデザイナーみたいな男、悪役になりえたあいつ方面がなぜかすぐ立ち消えになっちまったのがイタすぎ。期待外れ。あとやたら周りが、とくにサクマの奥さんあたりがお節介な焚き付け役を受け持ってるのがウザかったんだけど。外野が勝手に相性決めんなよ、おかげで俺が応援してた矢田亜希子、ヒロインになり損ねちゃったじゃねーかー。可愛さでは断然上なのに。……って、ま、でもなんだかんだいって楽しげなラブコメディでしたよ、男女間がいつまで経っても敬語だったり、妙に頑固なイデオロギーがほどほど滑稽すぎて、まーなんつーか、どうしようもないトラウマ女も合コン1000回重ねるうちに男を見る目が養われましたとさ、の巻でしたか。ところであのオースケ君、新院長さんに比べてどの辺が「いい心」してんの? んなもんわかりゃしねって。炎に飛び込んでく熱血漢ぶり? まさかな。結局貧乏だから自動的に心がいいってか。考えてみりゃ結局あれだな、最後は金より心が勝ったっつっても、しょせんは出会いの段階で馬主IDが煌めいてなきゃ始まりさえしなかったんだもんな、一回転してやっぱお金よ、って教訓でしたか。それとしょせんは元恩師にストーカーされる程度には才能あった数学者ってことだし(今さらながら「黒川★教授★」って呼び方恥かしいからやめてね~)、かりに無学な貧乏魚屋だったら永久にドラマになんなかったことでしょうの巻でしたか。
■男と女■ 今回また久しぶりに観て、思いのほか「実験的」な作品だったんだなあと。ふつうのカラー映像とセピア等各種モノクロとが適宜交代するかなり不思議な構成。クロード・ルルーシュはよそでもそういうのやってるんだけど、ただここではそれがわりと論理に則ってて、序盤の出会いの車中は二人の顔が交互にモノクロ、女の追憶話がカラー。終盤のベッドシーン(撮影は顔だけとはなんともお上品なこと……)でも同じくモノクロ現場に女の追想がカラーで重なる(しかし最中にあれってけっこうコワイね。たとえ亡き亭主でもさ)。現場と追憶の生彩度表現が通常手法の逆、てのが凡手のようで案外効果的と。ただしその間のもろもろは、そうすっきりと分けられちゃいないとこがミソ。男の追憶話では亡き妻がカラーとモノクロで登場して、脱臼感が味わえたり。このカラー&モノクロ手法と並んで注目すべきは、ドキュメンタリー手法の多用ですね。レーサーとしての走り場面がいつもドキュメンタリータッチなのは当然として、モロ笑えるのは4人の食事場面。男+女+子ども二人のあそこ。観客に聞かせるふつうモードから外れて、彼らペースというか『白い恋人たち』の選手控え室の寡黙雑談シーンとも見紛う無演技のノリ。子どもが出しゃばるのがほぼあそこだけという抑制がまた利いている。ドキュメンタリー・ラブストーリーともいうべき新ジャンル――と言いたいところだが、もちろん今の目で見ると、フランシス・レイのボサノバ調ダバダバダ……の超甘メロディが大ヒットしたせいでなんというか全体、ラブストーリーの模範みたいな貫禄がまつわりついちゃってますね、この映画のせいじゃなくて年月のせいにすぎないんだが。つまりは美男美女が過去に心の傷抱えながら惹かれあい、密接してはすれ違う寸前で真に結ばれる、といった正道中の正道を超生真面目に見せてくれてると。今となってはそれだけが取り柄って感じもなきにしもあらずだが、うむ……真に結ばれる瞬間がいかにもおフランスって感じのエスプリ一言だったりするもんで、たしかに決まりすぎっちゃ決まりすぎ。しかしここまで完璧なロマンスやられちゃっちゃ、マ文句言えんでしょう。サンバが終始響いていたわりにはもともと男と同棲していたラテン系(?)女がどうなったか、なーんて枝葉は全然気にもならなくなっちゃうナチュラルぶりにしても相当なもん。正真正銘の名画たるゆえんですね。
■催眠■ オープニングから、いろんな面白え自殺するやつらが並んだところは、「お?『ファイナル・デスティネーション』の自殺版か?」って期待したのに(トラウマ系1参照)。次から次へと珍しい自殺見せてくれんのかとわくわくしたのに。自分でネクタイで首締めて死亡とか(難しいよね)全力で走って両足複雑骨折して死亡とか(こりゃーとてつもなく難しいよね)ガラス窓に飛び込んで死亡とか(実行は簡単でしょ、ただ死ねるかよ)、そうくれば後ももっともっと笑える自殺が次々と、のはずだったのにねえ、なんでつまらんサスペンスになっちゃうの。稲垣吾郎が終始絶叫しまくっててテレビドラマ並みにうるせーし、刑事や署長どもがまたうるせーし(催眠解いてるんだから最後までやらせろよ、気が短けーなあ。電送人間御出演はうれしかったケド)、タレント催眠術師が殺されたのなんか意味不明だし、いちいち犯行予告(つうか確認)っぽい電話かかってくんのも御都合主義的どころの安易さじゃ済まないし、後半の菅野美穂大暴れにいたってはどういう必然性あんのよ? あ~あ、どうもジャパニーズホラーって序盤いろいろ打ち上げても収拾つける力が不足してるみたいね。だいたい催眠術で嚇かそうなんて50年遅すぎないかい。今は無意識より意識が不思議な時代なんだから。現代科学の常識では心なんて脳という名の物質なんだから、無意識が当たり前、なんで意識なんかがあるのかが謎なんだよね。無意識の怪奇を演りたかったら、意識の謎に先に食い込んでくれなきゃさ。金属音に反応するから大変だ、みたいな一律ゲームに堕してからはもう全然失格。心をテーマに謳う以上は責任持って繊細なところを描いてくれよ。なお、電話ボックス内のオバチャンの唾液噴出は論外として、おオネーサン刑事の嘔吐場面も時間短すぎて画面の隅っこすぎて萌え度いまいちでした。
■催眠■ オープニングから、いろんな面白え自殺するやつらが並んだところは、「お?『ファイナル・デスティネーション』の自殺版か?」って期待したのに(トラウマ系1参照)。次から次へと珍しい自殺見せてくれんのかとわくわくしたのに。自分でネクタイで首締めて死亡とか(難しいよね)全力で走って両足複雑骨折して死亡とか(こりゃーとてつもなく難しいよね)ガラス窓に飛び込んで死亡とか(実行は簡単でしょ、ただ死ねるかよ)、そうくれば後ももっともっと笑える自殺が次々と、のはずだったのにねえ、なんでつまらんサスペンスになっちゃうの。稲垣吾郎が終始絶叫しまくっててテレビドラマ並みにうるせーし、刑事や署長どもがまたうるせーし(催眠解いてるんだから最後までやらせろよ、気が短けーなあ。電送人間御出演はうれしかったケド)、タレント催眠術師が殺されたのなんか意味不明だし、いちいち犯行予告(つうか確認)っぽい電話かかってくんのも御都合主義的どころの安易さじゃ済まないし、後半の菅野美穂大暴れにいたってはどういう必然性あんのよ? あ~あ、どうもジャパニーズホラーって序盤いろいろ打ち上げても収拾つける力が不足してるみたいね。だいたい催眠術で嚇かそうなんて50年遅すぎないかい。今は無意識より意識が不思議な時代なんだから。現代科学の常識では心なんて脳という名の物質なんだから、無意識が当たり前、なんで意識なんかがあるのかが謎なんだよね。無意識の怪奇を演りたかったら、意識の謎に先に食い込んでくれなきゃさ。金属音に反応するから大変だ、みたいな一律ゲームに堕してからはもう全然失格。心をテーマに謳う以上は責任持って繊細なところを描いてくれよ。なお、電話ボックス内のオバチャンの唾液噴出は論外として、おオネーサン刑事の嘔吐場面も時間短すぎて画面の隅っこすぎて萌え度いまいちでした。
■サイレント・ランニング■ 面白かったな! 素ッ晴らしいね。ロボット系に分類したいとこだけど、三体のロボットが(最終的に生き残るのは一体だけだけど)あまりに可愛くてね、歩きが有機体で(もしかしてあのサイズに人が入ってたりする?)ロボットというより動物なので。あとナチュラル系マッドサイエンティストというかエコロジー・サイコというか、主人公の一人芝居の比重が大きかったもので。同僚3人全部殺害するところがあっさり済んじゃったのが観てる最中は物足りなかったんだけど、終わりまで行ってみるとあれでよかったと。テーマはむしろそのあとに来てるからね。宇宙空間を背景にした凝りに凝ったメカ(切り離し時の屑の飛び散りが何気なく最高。ただしセルの曇りが浮いてたり特撮の粗が見えてたのは残念)と、ドーム内の森の箱庭的まどろみ感とがくっきりコントラストをなしてまことに良い感じ。相次ぐ爆発が悲劇的アイロニカルというか植物学者の心の陰翳に危険な光を点して闇を際立たせる。お仕事では忠実でもゲームでは人間様を出し抜いちゃうロボットペアが微妙なスタンス、音声なしの光と振幅だけの抑えたコミュニケーションがなんとも言えん。ほんとたっくさん要素が絡みあってるよなあ、いいねえ、ラストの自爆は致し方なしでしょうかね、ホントは死ぬ必要ないんだけど、やっぱ同僚を殺した重荷が森再生の希望と釣り合いをとるためにはね……。ラスト、黙々と水撒きするロボットの映像が素直に泣けますよね。無茶苦茶死にまくったわりにはファンタジー系にも属する作品かもな。こぢんまりしていながらなんかすげー格調高い映画って印象でした。
■-less [レス]■ ……やれやれ、またこのオチかよ。ほどほどにしてつかぁさい。まあ、いっぱい謎をひけらかしたあげくいちおうの辻褄合わせるには重宝な手だってことはわかるけど、それで実際、私も十分楽しめたってのが正直なところだけど、独創性に欠ける以上、やっぱ安易というべきだよなあ。暗い道をずーっと車走らせていくというシチュエーションだけで怖かったりするので、ヘタな小技使わないほうがよかったぜってこと。新案ならともかく、百年以上前から使われてきたオチだからねえ……。そもそも全編、とくに前半だけど、家族が互いにやたら突っかかりまくって言葉尻捉えて怒鳴りあってるのが不愉快だったね。アメリカ映画にはよくあるシーンだけど。ラストまで観ればあのオチを活かすための演出だったとも思えるが、何度も言うけどあんな平凡オチのためにクダラナイやりとり延々と聞かせんでください。まあしかし好意的に言うと、私はてっきりあのオヤジが怪しいと思ってたのよ、見知らぬ女を乗せるために娘を下ろして歩かせたり、そもそもわざと裏道選んだりしてなんか企んでるんじゃないかって。最期は女を追って森に踏み入って銃乱射→ぱたっと途絶えるという、よくある殺されたと思わせ実は後で再登場ってパターンに違いないぞとかね。そしたらまあ、あんなオチにせよ見事に裏切ってくれて、人物評価全部再評価しなきゃいけなくなって、そのへんわりとインパクトありでした。そういえば駄目押しのつもりか、ラストに紙片が拾われて、それが〈幻覚かと思いきや実は冥界での現実〉みたいな謎を残してるっぽいよね。あれ、弱いね。あんなもん始めっから車の中のどこかにあって、お嬢ちゃんそれを目にしてただけかもしんないし。もっとちゃんと、あの事件の最中に作り出されたこと確実な物件が拾われたんでなきゃダメだよね。なお、あのオバチャンのゲロじゃ私ピクリとも勃起できませんでした(かりに口元アップでもね)。
■感染■ ありゃりゃー。決め手を欠いたあまりいつまでも未練がましくズルズル続けちゃった系の見本ですねー。とにかく序盤から医師も看護婦もやたらあたふた騒ぎまくって、あんたらもうちょいプロっぽくしとけやって感じ。そしてなんですか終盤のまとまりのなさ・とりとめのなさ。「馬鹿な観客が勝手に有り難がってくれるだろーから適当にわかんなくしとけー」てのはべつにかまわないけど、べたべた無闇にくっつけすぎ。締まりのないこと悪いこと。「意識に感染」なんてただ言われてもねえ。だから無理してホラー作らなくていいんですってば、ホントに作りたくなったときに作れば十分ですから。あ~あ。感染症の生じた病院という閉鎖空間もの、正攻法できちんと作れば傑作んなったのにねぇ。いちおー役者があんだけ揃っていながらこれっぽっちの映画にしかならないとは、こりゃあ大問題でないかい、誰のせいなんだ? 無人のブランコ、お面の男の子、医療ミス、縫い続ける新米外科医、ボケ婆さん、安楽死エピソード、首なし見舞客、赤緑反転、等々やたら出てきてたけど、そんなに出さなきゃダメなほど不安だったのかなあ、制作サイドは。それらが全然つながってもいないし(ほとんどが感染者の幻覚だからいーのいーの、て観られ方を期待してるんだろうけどね)。かと思えば肝心のスライムまみれの急患の姿も見せてくれやがらねーし。困ったね、だからインスピレーション湧いたときに作ればいいって言ってるんです、無理しないで。設定だけ仕立てたもののあとやることなくなっちゃった、こけおどしだけですっぽ抜けた失敗作、いや未熟作でした(「駄作」というのは酷かな、程度)。かえすがえすも設定&ムードはよろしかったのにねぇ。
■予言■ 『感染』ともども「Jホラーシアター」名乗るのはいいけど、こんなんばっかかよ。オメーのせいでもないこといつまでも俺のせい俺のせいってウジウジしてる男と、信じられるわけねー話を信じなかった私が悪いと泣く女。おまいらいい加減にしろ。どいつもこいつもめそめそしてるばっかで山場がねーっつの。ウジウジの頂点ではやっぱ縒り戻しのセックスかよ。そこへ至るまでも本だのビデオだの調べ物にばっか無意味な時間とりやがってさあ。そもそもあれなんだよね、新聞がどこからともなく飛んできて未来を予言してる、つうネタがなんかこう、せせこましいのよね。そりゃまあ原作の責任だろうけど。どこの誰だか知らんけどなんで特定の人間相手にせっせと新聞配達してんのって、それを怖がれって言われてもなあ。未来変えたらアウトだよゲーム仕掛けるなんて、神か仏か鬼か知らんけど暇だなあって思うくらいで。あとトラックをよけたければ壊れてるってわかってるシートベルトにこだわらずにさっさと車ごとどけろっつの。そんなこともわからねーでいつまでも輪廻転生やってんじゃねえや。
■-less [レス]■ ……やれやれ、またこのオチかよ。ほどほどにしてつかぁさい。まあ、いっぱい謎をひけらかしたあげくいちおうの辻褄合わせるには重宝な手だってことはわかるけど、それで実際、私も十分楽しめたってのが正直なところだけど、独創性に欠ける以上、やっぱ安易というべきだよなあ。暗い道をずーっと車走らせていくというシチュエーションだけで怖かったりするので、ヘタな小技使わないほうがよかったぜってこと。新案ならともかく、百年以上前から使われてきたオチだからねえ……。そもそも全編、とくに前半だけど、家族が互いにやたら突っかかりまくって言葉尻捉えて怒鳴りあってるのが不愉快だったね。アメリカ映画にはよくあるシーンだけど。ラストまで観ればあのオチを活かすための演出だったとも思えるが、何度も言うけどあんな平凡オチのためにクダラナイやりとり延々と聞かせんでください。まあしかし好意的に言うと、私はてっきりあのオヤジが怪しいと思ってたのよ、見知らぬ女を乗せるために娘を下ろして歩かせたり、そもそもわざと裏道選んだりしてなんか企んでるんじゃないかって。最期は女を追って森に踏み入って銃乱射→ぱたっと途絶えるという、よくある殺されたと思わせ実は後で再登場ってパターンに違いないぞとかね。そしたらまあ、あんなオチにせよ見事に裏切ってくれて、人物評価全部再評価しなきゃいけなくなって、そのへんわりとインパクトありでした。そういえば駄目押しのつもりか、ラストに紙片が拾われて、それが〈幻覚かと思いきや実は冥界での現実〉みたいな謎を残してるっぽいよね。あれ、弱いね。あんなもん始めっから車の中のどこかにあって、お嬢ちゃんそれを目にしてただけかもしんないし。もっとちゃんと、あの事件の最中に作り出されたこと確実な物件が拾われたんでなきゃダメだよね。なお、あのオバチャンのゲロじゃ私ピクリとも勃起できませんでした(かりに口元アップでもね)。
■感染■ ありゃりゃー。決め手を欠いたあまりいつまでも未練がましくズルズル続けちゃった系の見本ですねー。とにかく序盤から医師も看護婦もやたらあたふた騒ぎまくって、あんたらもうちょいプロっぽくしとけやって感じ。そしてなんですか終盤のまとまりのなさ・とりとめのなさ。「馬鹿な観客が勝手に有り難がってくれるだろーから適当にわかんなくしとけー」てのはべつにかまわないけど、べたべた無闇にくっつけすぎ。締まりのないこと悪いこと。「意識に感染」なんてただ言われてもねえ。だから無理してホラー作らなくていいんですってば、ホントに作りたくなったときに作れば十分ですから。あ~あ。感染症の生じた病院という閉鎖空間もの、正攻法できちんと作れば傑作んなったのにねぇ。いちおー役者があんだけ揃っていながらこれっぽっちの映画にしかならないとは、こりゃあ大問題でないかい、誰のせいなんだ? 無人のブランコ、お面の男の子、医療ミス、縫い続ける新米外科医、ボケ婆さん、安楽死エピソード、首なし見舞客、赤緑反転、等々やたら出てきてたけど、そんなに出さなきゃダメなほど不安だったのかなあ、制作サイドは。それらが全然つながってもいないし(ほとんどが感染者の幻覚だからいーのいーの、て観られ方を期待してるんだろうけどね)。かと思えば肝心のスライムまみれの急患の姿も見せてくれやがらねーし。困ったね、だからインスピレーション湧いたときに作ればいいって言ってるんです、無理しないで。設定だけ仕立てたもののあとやることなくなっちゃった、こけおどしだけですっぽ抜けた失敗作、いや未熟作でした(「駄作」というのは酷かな、程度)。かえすがえすも設定&ムードはよろしかったのにねぇ。
■予言■ 『感染』ともども「Jホラーシアター」名乗るのはいいけど、こんなんばっかかよ。オメーのせいでもないこといつまでも俺のせい俺のせいってウジウジしてる男と、信じられるわけねー話を信じなかった私が悪いと泣く女。おまいらいい加減にしろ。どいつもこいつもめそめそしてるばっかで山場がねーっつの。ウジウジの頂点ではやっぱ縒り戻しのセックスかよ。そこへ至るまでも本だのビデオだの調べ物にばっか無意味な時間とりやがってさあ。そもそもあれなんだよね、新聞がどこからともなく飛んできて未来を予言してる、つうネタがなんかこう、せせこましいのよね。そりゃまあ原作の責任だろうけど。どこの誰だか知らんけどなんで特定の人間相手にせっせと新聞配達してんのって、それを怖がれって言われてもなあ。未来変えたらアウトだよゲーム仕掛けるなんて、神か仏か鬼か知らんけど暇だなあって思うくらいで。あとトラックをよけたければ壊れてるってわかってるシートベルトにこだわらずにさっさと車ごとどけろっつの。そんなこともわからねーでいつまでも輪廻転生やってんじゃねえや。
■大失恋。■ やっぱモンスターものばっか観てるとこういう映画が新鮮だねぇ。面白かったよ。いや、いくら恋愛ものあんま観ない俺でも、これがとことん定型で成り立ってるってことくらいはわかるよ、しかし定型は定型でもここまでいろんなカップルを同時進行的に(何組? 十組くらい?)それぞれ別のパターンを振り分けたマルチラブストーリーってサービス精神、私ゃ素直に楽しめちゃいました。ナンパにロマンス願望に不倫にゆきずりに結婚詐欺にスワッピングに。ロケーションを遊園地に徹底限定している趣向もイイ。オープニングとエンディングが遊園地そのものの独白仕立てになってるんで、遊園地全体を巨大モンスターに見立てることもできなくはないしな。ジェットコースターに酔ったりゴーカートで突っ伏したりと。馬鹿馬鹿しいエピソードとけっこうリアルなエピソードが交錯してるのも楽しい。しかも相互干渉なく。白状すると私、性懲りもなくというか未練がましくというか宝生舞めあてで(人間型系7、ロボット系4参照)これ購入して観たんですが、まだ十代ってことでここでは光ってますね彼女。しかし菅野美穂にやっぱ食われてるよなぁ(食われるってのはメイン張ってるやつにだけ使う用語だっけ?)。美人度で勝ってても必ずしも目立てないってことですね。ただ、並み居る男女のなかでほぼただ1人、なんも悩んだり考え込んだりしない無人格役とみればそこそこのポジションこなしたことになるのかも。もうひとり中谷美紀がいたか、脳天気役は。あと遊園地サイドの管理職が当事者になってるとこも成功でしたよね。しかもそれが山口智子ときたから(関係ないけど山口智子激似のスカトロモデル写真ネット上にあるの知ってますか)。全部失恋に統一せずに二組半程度は余韻残した感じなのも粋な〆。まっ、全体、誘拐エピソードと一人二役エピソードを除けば荒唐無稽さも抑制され、十分アートと言えもする仕上がりになってました。あとそうね、芸能界にウトい私としては、あんだけ出てきたさぞ豪華キャストであろう俳優たちの大半を知らなかったってのが残念でした。男優はまだしも大半見覚えあったっぽいんだが、女優陣はほとんど初見って次第で。
■美女缶■ もとはテレビ用のショートドラマらしいけど、ウン、これ面白かったよ。隣室からいっぺんに何十人もゾロゾロ出てくるのはやりすぎかなと思ったけど(小出しにしてくれたほうがリアルだからね)、かといってコメディってわけじゃなく、まあ60分ワクでストーリーすべて語りきろうとしたらあれしかないか、って感じ? なんならもっと長くしてもよかったのに。で、ラブストーリーとしても第一級なわけだけど――何がいいって性的シーンも愁嘆場も皆無ってとこがさ――、ちょっとわかんなかったのがほら、最後に送られてきた隣人発のビデオ(あれは隣人が頼んだ自分宛の荷物なの、それとも主人公宛のなの?)、それと、品質保持期限より前なのになんで浮気しちゃうのかなってこと(缶人間どうしは別計算?)、それと金魚2匹の役割だな。まあいろいろそういう細かな些末なワカラナサが不条理ふうの奥行きをもたらしているわけで、あのオチで終わらず主人公のほうのしみじみで締めくくったところがまたいいね。うむ、これ、傑作模様です。個人的には、風呂の湯に流れ出していく赤いゼリーのヒラヒラした蠢きが一番よかったです。あれはCGじゃなさそうだな、物質は何かなあ。
■マイドク いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか■ タイトルのみ名高い映画、ついに観てみました。「なんじゃこりゃ?」が案の定のリアクションでした私も。なんとも雑な作りというか、ニュージーランド映画ってふつう安っぽくてもそこそこ見どころあるのが多いんだけどなぁ。改造人間つったってべつに超能力あるわけじゃなしモンスターっぽい外見してるわけじゃなし、どいつもこいつもただの精神薄弱風情だし。いいとこってったら、エンドクレジットのときの音楽が、スキャット中心の妙に脱力アンビエント音楽で。チョイ聞き惚れた。全編、あの音楽のレベルの前衛風味でやってほしかったよ。ただのドタバタだったろ。あとほら、敵を燃やしてやれやれと思ったらおねーちゃん自分にも火が燃え移ってましたとさ、ってとこと、あとほら冒頭近くの、熟女の下着姿には私とりあえず勃起しました。あのすぐ撃ち殺されちゃったおかーちゃんですけどね。そこはかとなく淫靡で。
■富江 replay■ やべ。観ちまった。宝生舞めあてで。『人造人間ハカイダー』(ロボット系4)であまりに可愛かったんでね、つい。富江はもうやめとこうと思ったのに。どうせクズに決まってるから(ゾンビ・バンパイア・ミュータント系(人間型系)4参照)。で、それほどまでして観てしまった(のみならず買ってしまった)宝生舞はと……、あれっ? おかしいな、ちっとも可愛くないじゃないか。おっかしーなー……。単なる美人に成り下がってしまってる。独特の素人っぽさが無くなってるなあ、ウーン……、やっぱ5年経つと違うものなのか、10代と20代では。うーむ残念だ。てわけで、作品は予想通りのクズ中のクズで、途中から車椅子になった一応ヒロインっぽい女が魅力フェロモン存在感どれもゼロのまま富江に呼び出されてわざわざ閉鎖された病院内に踏み込み対決するという、しかもこれまたちっともカッコヨクもなければツヨソーでもなければヒョーキンでもなければチテキでもないなんのアピール度もない窪塚洋介が無意味なショボ過ぎ演技を空転させるという、ラストも何なの二人してあのやる気の無さは、ていうかマ、やめとこ。レビューするだけ無駄だ。幸か不幸か宝生舞のファンになり損ねた私でした。
■マイドク いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか■ タイトルのみ名高い映画、ついに観てみました。「なんじゃこりゃ?」が案の定のリアクションでした私も。なんとも雑な作りというか、ニュージーランド映画ってふつう安っぽくてもそこそこ見どころあるのが多いんだけどなぁ。改造人間つったってべつに超能力あるわけじゃなしモンスターっぽい外見してるわけじゃなし、どいつもこいつもただの精神薄弱風情だし。いいとこってったら、エンドクレジットのときの音楽が、スキャット中心の妙に脱力アンビエント音楽で。チョイ聞き惚れた。全編、あの音楽のレベルの前衛風味でやってほしかったよ。ただのドタバタだったろ。あとほら、敵を燃やしてやれやれと思ったらおねーちゃん自分にも火が燃え移ってましたとさ、ってとこと、あとほら冒頭近くの、熟女の下着姿には私とりあえず勃起しました。あのすぐ撃ち殺されちゃったおかーちゃんですけどね。そこはかとなく淫靡で。
■富江 replay■ やべ。観ちまった。宝生舞めあてで。『人造人間ハカイダー』(ロボット系4)であまりに可愛かったんでね、つい。富江はもうやめとこうと思ったのに。どうせクズに決まってるから(ゾンビ・バンパイア・ミュータント系(人間型系)4参照)。で、それほどまでして観てしまった(のみならず買ってしまった)宝生舞はと……、あれっ? おかしいな、ちっとも可愛くないじゃないか。おっかしーなー……。単なる美人に成り下がってしまってる。独特の素人っぽさが無くなってるなあ、ウーン……、やっぱ5年経つと違うものなのか、10代と20代では。うーむ残念だ。てわけで、作品は予想通りのクズ中のクズで、途中から車椅子になった一応ヒロインっぽい女が魅力フェロモン存在感どれもゼロのまま富江に呼び出されてわざわざ閉鎖された病院内に踏み込み対決するという、しかもこれまたちっともカッコヨクもなければツヨソーでもなければヒョーキンでもなければチテキでもないなんのアピール度もない窪塚洋介が無意味なショボ過ぎ演技を空転させるという、ラストも何なの二人してあのやる気の無さは、ていうかマ、やめとこ。レビューするだけ無駄だ。幸か不幸か宝生舞のファンになり損ねた私でした。