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三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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トラウマ系10

2005-09-25 03:44:59 | モンスター映画
 ■あずみ■ なんつっても初っ端とラストで引き締めたから文句つけらんないよ。まずせっかくの10人力をわざわざ5人に減らしちゃうって贅沢の極み。一組は向き合わずしていきなり決着ついたのも良い(当然そうなるべし、と沈黙のひととき観てる方は念じていただけに)。そしてラストの科白ね、この作品を決定的に傑作に押し上げたのは。「おれたちは死なない。生き抜くんだ」ふーんそうなの、と思ったらそのあと「――みんなといっしょに」。そういうことですかー、と感心。堂々アフォリズムになってるじゃん! むろん真ん中も全編いろんな仕掛けがあって十分楽しめて、そう、女性差別を利用してすんなり殿様に近づいて不意討ち喰らわせたりだね、女の子は刀なんか持っちゃダメっ、てお節介な横槍が長めに入ったりだね(アイドル映画の義務としてひたすら上戸彩に着物を着せにゃならんかったんですよーって正直さが好感持てまして)、忍びどうしの対決もどうせ引き分けだろと思ってたら意外にもこっちサイドのが負けちゃったりだね。こっちサイドの面々の死に方ったらそれぞれ個性的だったしな(じつは死んでねーよってのもいてくれたし)。でも惜しいことになぜだか皆さん科白が素人臭いのね。肝心のほら、むこうサイドで一番強いの、えーと美女丸だっけ、ほとんど喋んないくせにヘッタクソなセリフ。けっこういろいろ出てる俳優なんでしょ、どうしてあんなヘタなのか。役柄間違ってるのか。その他全般演技もいまいちで、上戸彩は見ようによっちゃシャープにも見える顔立ちなのになーんかボーッとして人格感じさせず物足りないし、アクションは矢倉のあたりはよかったけどおおかた血しぶきでごまかしてる感じだし、とまァ細かい不満挙げてきゃキリないにせよ、なんだかんだ言ってごくごく面白い映画でしたさ。さっきも言ったけど冒頭と結末が光ってるのでかなり高レベルの印象で着地成功です。
 ■あずみ2■ あ~……、こんなんじゃ作らないほうがよかったね、2は……。夜盗の巣で女の切実さもない刺客否定の言葉(あのね刺客ってのは一般民衆は殺さないの)にあずみたち意味もなく動揺するし、へらへら追いすがる金角銀角らが妙にうっとーしーし、ウロウロ逃げ回ってるだけの天海爺さんったらジャマッケこの上ないし、キャラクターが死ぬたびにいちいち長えー余韻やるなよってうんざりだし、だいたいラストはなんなの、まるで変哲のないチャンバラのあげくああも緊張感皆無なヘナチョコ勢揃いは? 勘兵衛と決着つけてなけなしの見せ場で締めくくるはずがろくに出番もなかった幸村なんぞの一言であっさり引いちまうときたし。シラけまくったとしか言いようが。せめて科白が良くなってりゃあねえ、頼みの科白すら前作以下でした。ま、あえて見ごたえあった場面つったらナガラがコズエに殺されるとこと、ツチグモ(だっけ、名前)との戦いでの糸の動きと(片っ端から竹を斬っちゃえばすんなり解決ってのは見ててすぐわかっちゃうんだよね、実際てきめんにあずみも気づいてそれやって勝ったわけだけど。散々もったいぶったわりにゃおそまつな忍術使いだったこと……)、あと平凡ながらブーメランがオモロい胴体切断CG(もっとやってよ!)ですかね。しかしまあ、仲間がほとんど死んじゃったあとの続編だからつまんないのも当り前だったな、と呟いておこう。まさか『3』なんか作んないよね、よもや。

パラサイト系5

2005-09-23 02:29:51 | モンスター映画
 ■スピーシーズX 美しき寄生獣■ 出だしはよかったね、「うひゃああ、……チッチッチッ、騙されないぞー、……や、やっぱりうひゃあー」が傑作。あとほら死にざまは一々笑えましたよ。勃起したままだったり。丸ごとお笑い映画かと思ったくらい。結果的には案外真面目にやってたようですが。体の内側から凍るっての、たぶん全く新しい特許出願モノの死に方じゃないですかね。ピュルピュルCGもなかなか自然で、セックスさえしなきゃエイリアンすげー弱ぇってのも愛嬌あっていいや。焼いても撃っても即座に爆発ってのは呆気なさすぎとはいえ。てか、なんつうか……実はストーリーいまいちつかめなかった俺が悪いんだけど、結局人間を本気で愛しちゃったのはわかったけど、そいで愛された男がヤッたあとしばらく凍らずにいたのはなんで? どのみち死んじゃったけど。んで、口からモコモコ出てきたムシは何なの、幼虫? で、卵産み付けられる男と違って女は生きたまま寄生されるってことかい? いまいち仕組みわかんなかったんで。ま、ラストはもううんざりするお定まりだけど、あの女がああなっちゃったメカニズムってどういうのだっけ。ま、そのへん理解したからってこの映画の評価さほど上がりも下がりもせんでしょうけど。
 ■ホラー・エクスプレス ゾンビ特急 "地獄" 行■ これってどう評価したもんかね。ハマー・フィルム系キャストは豪華ってことらしいけど(たしかに懐かしいわな、小学生の頃夏休みテレビの定番だった吸血鬼やフランケンの映画ではいっつもピーター・カッシングだったものなあ……、ただ不思議とクリストファー・リーのほうは当時の記憶に出てこない)、なーんかダラダラしてて。詰め込みすぎでダラダラに感じちゃうのよ。唯一笑えたのは解剖してみたら脳の皺がなくなってた、ってとこ。オイオイ眼から記憶を吸い取られて脳が豆腐になっちゃうのかよ、そりゃいいけど、だったら全体、もっとオバカ系にしてほしかったような。真顔のカサンドラ・クロスで幕引きになってるあたり、本気でホラーパニックをやろうとしてたとしか。白目を剥いて目と口から血ぃ出してる死体、もとい仮死者の表情もとい無表情はけっこうイケてて、いっそああいうディテールのアップの羅列だけにしてほしかった。悪魔教に突如魂売ったようなわけわかんない聖職者がエイリアンのまわりうろうろするだの、途中でこれまたわけわかんない盗賊風のオッちゃんが乗り込んでくるだの、ああいうの要りませんからって。20世紀初頭のユーラシア大陸横断鉄道という素晴らしい半密室が舞台なんだからもっと一点集中緊迫系に徹してほしかったなぁ。エイリアンを感じてうーうー唸ってたイヌ君以外は、乗客たちも個性なかったしね。ま、70年代初期のモンスターホラーってあんなもんですか。
 ■EGG■ 毎度言うけど、眼ぇブッ刺すのやめてくださいってば。この程度の観賞体験じゃとても報われません。しかも血いメイッパイ噴き出してるし。ヤな気分にさせてもホラーとは認定されませんぜ。それといっつも直立してないでよ、てのがあるよね。そりゃそーでしょう、せっかくのキラビヤカ系ムシ型モンスターなのだし、表情もパーツのヒクヒク独特に作り込んだからには終始あんな着ぐるみルックじゃもったいなかったでしょうに。しかしまあ煮えきらんストーリーだったな。無差別に寄生する正統パラサイト系とは大幅はずれた世襲制パラサイトって趣向で、だから独特の味が出てたかっつーと小じんまり閉じちゃいすぎ。どのみち普通に面白くすること放棄したアート志向みえみえなんだから、ナンセンス寄りに踏ん切りつけるべきだったんでないかい? それが医師にしろ警官にしろなんだって通俗なコントやってるかなあ。しかも基本ったら韓国女の一人芝居でしかないんだから、やっぱモンスターを現実へ飛び出させてあげないことにはフラストレーション溜まっていけません。ムシも、こっちもね。まあ、ラストのエンドクレジットの、まばたき我慢してるっぽい瞳のアップだけでしたかね、思わせぶり系スタイルがわずかに報われたのは……。
 ■宇宙からの侵略者■ 投げやりな映画だねどうも。決着ナシだし、人物の行動に脈絡ないし、儀式だか何だかちっとも盛り上がってないし、そもそも間抜けな場所に覗き穴があって一部始終がバッチリ見通せるとはどーしたことかい。ラスト近くに一瞬だけ出た大型ムシモンスターは全身見せてくんないしさ。とにかくメインっぽいUFOハンター女、やたら突っ張ってピストル振り回してホンット好感持てないこと夥しい。もしかしてテーマは「家族愛」って言いたいの? エイリアンに肉体乗っ取られても息子を案じて精一杯抵抗する親の精神、てか? おーいそれならもっとうまく説得的にやってよう。しかし何かなこの結末わざとつけない終わりかたって、まさかオイ、続編作る宣言じゃないだろうな。冗談だろ。こんなのにホントに『2』が出来たりしたら大笑いだぞ、俺の世界観変わるかもなっと。

トラウマ系9

2005-09-22 03:11:29 | モンスター映画
 ■メドゥーサ・タッチ 恐怖の魔力■ そりゃあ、司祭のお祈りよりかは超能力のほうを信じるわな、俺もどっちかつうと。キリスト教への信頼の無さをあっけらかんと前提している本音ものストーリーは小気味よかったです。しかしああいう状況でモーラーを殺した日にはそりゃあ、当然殺人罪だね。緊急避難は認められるかな? まあ無理でしょうな。てことでもちろんあの精神科医は科学者の風上にも置けないアホって診断下さざるをえないわけだけど、反射的にウワアアアッて体が動いちゃったってのは理解できるよな。けどラストのあすこで刑事がモーラーを殺したりしたら確実有罪だから。皆さんわかってると思うけど。しっかし大聖堂の破壊、やりまくってくれましたねえ。CGのないこの時期にあんだけ派手にできるとは驚きです。9.11状態のビル破壊はいかにもセットって感じが隠せなかったけど、寺院崩落にはとことん参りました。目ェ瞠らされっぱなし。オカルトと大規模パニックを掛け合わせた欲張り新ジャンルだから大味かっつうとそうでもなくて、サイコパス系も入ってるところが微妙きわまりなくて。罪の告白と抑制を切望するサイコパスってのは珍しいんじゃないか。ラストの筆談予告も、自分で止められない破壊衝動と意識の抑制衝動との戦いの現われってわけだけど、ホントはどっちが本心?ってプライベートな謎と、法と科学の関係は?ってパブリックな問題とのミックスがなんか考え込ませるそれこそ「魔力」をたなびかせるんだワ。しかしあの調子だとモーラーは不死身みたいだな。超能力者モノでありながらモンスターっぽい要素は皆無だったのが残念だが。ともあれあのあと警察がどういう策に出たかが気になります。
 ■2010年■ 蛇足っちゃ~蛇足だけど、『2001年宇宙の旅』ファンにとっても十分楽しめる、最大限成功した続編じゃないかな。ハルが復活してくれるとはなんとまあ懐かしい。ディスカバリー号の亡霊は必要だったかどうかわからんけど、米ソ対立政策が宇宙船内にまで適用されるという超律儀な戦争文化にはほんと、現実そのままがさぞああいう感じなんで笑うに笑えませんな。リアルこの上なしです。映像美は前作を意識して慎重にやってくれてる。船外作業、過呼吸気味の切迫感も素晴らしい。それになんといってもハルに対する命令の出し方で苦慮する人間サイドこそ、ハイライトの名目に恥じぬ静かなテンションを保つ。いかんせんディスカバリー号事件の前歴があるだけに、そりゃ怖いわな。結局は真実を述べさえすれば機械が反乱を起こすことはない、というアイロニカルに感動的な「真実」で幕、とは考えたものよ。人間がコンピュータをどう見るか、ってのがテーマとは哲学的と呼ぶにふさわしい。モノリスが急速増殖する恐怖シーンはあれ、結局何が原因かわからないんだよね? 俺なにか見落としてたかな? ハルがあそこで探求心を優先させようとしたところも抑制の利いたホラーって感じ、ハルは今後こそ死んじゃったのか……という感慨が活きたのは、科学者ハルのあそこの固執ゆえなのだ。してみると、ハルは人間サイドがちゃんと真実を言ってくれるかどうか、試していたのだとも言えるよな。わざとモノリス調査にこだわって。うーん、余韻の深いすぐれた続編でした……。
 ■ISOLA 多重人格少女■ どっひぇえーウソでしょ? こんなんが商品として流通しうるとは! 世の中ってそんなレベルなの? 悲しくなるつぅか作り手の皆さん気は確かでしょうか、それこそ人格大丈夫でしょうかと。設定破綻しまくりでしょうが。てかはじめっからうっとーしくて(押し売りボランティアのうっとーしさね)なんか観続けるのやめよーかなーとは思ってたの。あーやめときゃよかった。テレパスに多重人格に体外離脱に憑依に、それでもまだ足りなくて念力も使うってか? あと阪神大震災の力も借りてだね。こんだけ動員しなくちゃ映画に仕立てられないほど不安だったんだろうか、制作サイドは。あとまだ児童虐待と、なにやら怨念も入ってるらしいときた。あんなに人殺しまくったさぞ深いだろう怨念って、で結局何の恨みだったわけ? ラストあれで決着ってことは単なる恋愛感情? おいおい切実さゼロだよ、そんなんで連続殺人せんでください。そもそも「好きでやった実験」でしょうが? いひゃあマイッタねこの破綻ぶりには。これでせめて美人が一人でも出てくれてりゃァ。血統書付きの新人美少女とやらがメイン付近に配置されてるけど終始ブスッとしてるしさ。多重人格っつっても3つくらいしか(下手すりゃ2つ?)お出ましにならねーし。テレパスが多重人格を読み解くプロセスがあるわけでもねーし。見どころ皆無。それからてっめー、決め手に事欠いて眼ぇシャープペンでブッ刺すとこ俺らに見せようとしやがったな……ドクズ映画に付き合うのにそんな負担強いねーでくれっつのよ全く。アホらし。でいくらなんでも原作ァもっとましなんだろ? 読んでないから知らんけど、こんなんで逆宣伝されちゃって原作者可哀想に。

魔界・悪霊系7

2005-09-19 02:12:47 | モンスター映画
 ■チャイルド・プレイ■ たかが人形だろ、と侮っていたらほほーぅ、本格モンスター映画でしたねえ。黒コゲになっても腕がもげても脚がもげてもアタマ吹っ飛んでもズルズルと迫ってくる執拗ぶり。こ、怖いねこりゃ。ストーリーもわかりやすいしガキの頃にこういうの観たかったなあ。完璧トラウマを授けてくれたでしょうねこれ。人形が人を襲うなんてバカも休み休み言えっ、と信用されない主人公サイドが苛立つはしから、信じなかったヤツの面前にすかさずチャッキー登場、攻撃……てそのつど直ちに苛立ちが解消されてゆくのもいい感じ。6歳の子どもを鉄格子の中に拘留する警察とか、ちょっとなぁという映画用お定まり設定が素直すぎるけど、チャッキー全力の暴れっぷりが細かいこと言いっこなしの快進撃。あれほどしつこいチャッキーの性格知ってんのに人間サイド、いつも襲撃を逃れるやいなやチャッキーから目そらして互いに「大丈夫か」なんてやってる悠長ぶりったらまたいかにも映画、おかげで被害を拡大して、まあスッキリできる世界です。アンディはすべての子役の中で一番可愛い部類に入るかも。
 ■チャイルド・プレイ2■ このシリーズ俺、けっこう好きかも。チャッキーの行動ったらいっそうコミカルかつ陰湿に。相変わらずアンディの言うこと信じないおとなどもが次々退治されてくし。答案に「ビッチ」とか落書き見つけただけで単純に怒って監禁の罰を与える女教師とか、映画向け設定も健在だし。もしかしてチャッキーってアンディの味方?とか(まあ殺す気はないわけだしな。しかしなんで乗り移り対象がどうしてもあの子でなきゃならんのかね?)。じつは大して強くないのにあの攻撃性あのしつこさが独特濃厚モンスターキャラを実現してくれました。正編のおかあちゃんが退場したおかげで、臨時の養父養母は思いっきり殺されるに違いない的期待がはじめっから盛り上がってたせいで全編わくわくして観れました。なんつっても終盤の人形工場が素晴らしすぎるね。わざわざあそこへ誘導するチャッキーもチャッキーだが、脱出するためにモニターに信号送るでもなくわざわざ危険なコンベアをゲームばりにクリアしてゆくおねえちゃん&アンディもどうかと思うよ。だから面白いんだけど。いやぁそれにしてもグチャグチャになったねえ、ラストは。液体プラスチックまみれだねえ。心臓は無傷だから当然続編に続く作りがミエミエで浅ましいが、むろんチャッキーの性格に免じてこんな終わり方でも十分OKですわ。
 ■チャイルド・プレイ3■ うへぇまたかよ、わざわざ前回の残骸から人形を復元すると。笑える。材料に窮乏してるわけじゃないだろうに、そこがお話開始の必要条件てことで。まるで開き直った御都合セッティング、このシリーズいよいよ好きかも俺。だいたい陸軍学校の規律も管理もいい加減すぎやしないかね、だからこそチャッキーが活躍できたんだが。弾を入れ替えちゃうチャッキーのイタズラモードは『グレムリン』(コメディ系1参照)的ファルスににじり寄りつつ『スモール・ソルジャーズ』(ロボット系1参照)式健気さを貫き通しているという、なんとまあ単純なんだか複雑なんだか。とくに今回は黒人幼年兵がたまたま交流しちゃったせいで(あの2人はもっと長く仲良くしててほしかったが)アンディ一点張りの全二作よりチャッキーにも成長が感じられたりして。そのぶん16歳アンディの殊更なもたつきぶりが以前の子役に比べてちょっとイライラさせられたけどね。終盤のお化け屋敷は大当たり、前回のオモチャ工場に劣らぬ爆笑もの。死神の大鎌で顔面ゴソッと削ぎ落とされちゃったチャッキー、どうせならマペットどうしの戦いに突入したりすりゃもっと面白かったんだが。それにしても老司令官殿~、ナイフ片手に現われた人形にびっくりしたくらいで心臓発作起こして死んじゃわないでくださいよう、張り合いなさすぎ。
 ■チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁■ 依然快調快調。人間カップルと人形カップルのダブル逃避行ときたか、ううーむ。十年も思い続けてた一途かつ凶悪な恋人がいい味出してました。全三作に比べてグチャグチャシーンは不足、つうか皆無に近かったけど、血飛沫轢死シーンはバッチリ入ってたしね。標準爆殺に乱杭顔に鏡破片和えに、殺し方もバラエティ豊かに。二度殺されちゃった警官もいたしね。で、チャッキーが墓地に行きたがった理由がちょっとわかんなかったんだけど、なんで? それと墓地でティファニーがいきなりチャッキーを刺したのってなぜ? フォローしそびれちった。まあそんなのわかんなくても十分楽しめたことは確かだからいいとして、ホレまたもラストやってくれゃしたねえ、続編をあからさまに宣言した二世誕生ねえ、人形どうしのセックスで子どもができちゃうとは、『バスケット・ケース』(フリークス系1参照)もマッツァオの何でもありぶり。子作りなんかするまでもなく、ここまで四作通じて、人間臭い頭脳プレイというか(もともと人間だから当り前っちゃ当り前)、いざ危なくなったときはすぐ動き止めてただの人形になれば窮地脱出……って人形差別の世間常識を利用した裏技でここまで殺戮繰り返してきた新手モンスターにはこりゃ、肯定的感情移入を禁じえませんでした。今回も、ピンヘッド警官が息吹き返したところでチャッキー&ティファニーが驚きあわてふためく様子に、「しっかりせい、しっかり!」とエールを送ってしまいましたってば。これは制作者も狙ってる効果だと思うが。とにかくこんなに一生懸命なモンスターは、他ではそうめったに見られんわな。
 ■ワールドアパートメントホラー■ これさ~、予想以上のモンスター色で嬉しかったっちゃ~嬉しかったんだけど、肝心のデカイそれ、ぼんやり突き出てるだけで動きゃしないし、ウーンせっかくのアイディア賞モノの舞台どうして生かせなかったかねぇ。結局は地上げヤクザがアジア人たちと心の交流しちゃいましたとさ、ってかい? 東南アジア系土着妖怪とバブル期東京の最底辺不法就労外国人アパートの便所とが繋がってるって雰囲気は決して悪かありませんよ、そりゃ。でもねえ、ヤクザ君が始めから無駄にイキがってる空回りぶりに対して、せめてアジア人たちのキャラがはっきり色分けされてたらよかったんだがねえ。全員がいつも団子になって雁首そろえてるだけってんじゃねえ、電子工学だったか学んでる台湾人がもっと頭脳派ぶりを発揮するとかさ。なんだかんだいって活躍(?)したのはアパート住人でもない飛び入りの黒人だけでしょ。とくに必然性もないまじない唱えて解決と。ちょっとあれじゃあね、詰めの甘さばかり目立った脱力ホラーコメディでした。つーか携帯なかった頃はヤクザ稼業も大変だったんだなと。最後にひとつ言わしてもらうと、せっかく新宿舞台にするなら、アジア系だけじゃなくてあの辺で前々から働いてる南欧や東欧やロシアからの風俗嬢なんかも混ぜれば引き立ったのに。「日本人は、ハクジンだ~」なんてみっともない科白も必要なくなったろうと思うし。

ゾンビ・バンパイア・ミュータント系(人間型系)6

2005-09-17 02:10:21 | モンスター映画
 ■スパイダーマン(2002)■ 思ってたよりずっとシリアスで、翳りあって、コミカル度ももちろんクリアしてて、ウンいいよこれ。のっけから紫色のクモ、気に入った(かみつきかたがホントお茶目!)。全体ゆるまない、素敵に面白い。そりゃ贅沢言えばきりがないんで、ヒロインだよねーネックは、実年齢いくつの人か知らんけど高校生にしちゃ老けすぎでしょういくらなんでも。ほとんど中年。いかにも軽薄そうだしヒロインらしい笑顔も皆無だしスパイダーマンが子ども満載のケーブルより優先して救う価値ある女とは到底思えんぞ。でもそこがいいのかね、リアリティあって。いや、しょせん娯楽映画ならあえて不細工娘を起用せんでも……映画は視覚芸術なんだから……ハリウッドはロマンスが命なんだろ……、いやいやいじめられっ子出身のヒーローの男性ホルモンレベルがあのへんって言いたいわけだからあの程度の女が似合いか、等々まあそんなことはどうでもよろしい。びゅんびゅん空中技魅せてくれるスピード感だけでこの映画は断然傑作の名に値します。……って参考までにウェブでレビューチェックしてみたらみなさん、ヒロインの不細工ぶりには苦情述べまくってますねぇ。審美眼が一致してるので安心しました。つーか限度超えりゃみんな意見一致するわなそりゃ。なんでもこの女優、子役のときは可愛かったんだって? ただヒット作だけあって膨大なレビューの中には「キルスティン・ダンストの美貌も、正直、あまりタイプではなかったのですが……」なんてのもあって笑えた。タイプじゃないのに何を根拠に美貌と? ってまあとにかく優良映画ではありましたよ、ビジュアル的にとことん派手で。ヒロインを除いて。……えーどうしてもそこへ戻ってしまってすみませんが、不細工はそれなりに理由あるだろうとして、いや、だから美人である必要はないのよ、もすこし性格良さそうとか、愛嬌あるとか、清純そうとか、一途とか。それがこの人、言っちゃ悪いけどなんもないときてるんで……。これだけ受け狙いの大作なのに、キャスティングで確実にポイント落としてるのは惜しいし、かさねがさね不可解。なんであの人だったんですかね?
 ■スパイダーマン2■ ヒロインは前作に輪をかけて軽くなってる。念願の舞台に集中すらできないフマジメな女になってる。しかしそんな大欠点もモノともせず映画自体は素ッ晴らしい完成度だ。定評どおり前作を超えてる。ていうか、男何人取っ替えてんだよって感じの自己陶酔バカ女なんかにもういい加減こだわるのやめなよーってマジ忠告したくなるヒーローの不甲斐なさと、すわスパイダーマン出撃時のかっこよさのコントラストが効いてる、と思えばヒロインのアホ女ぶりもそれなり以上の効果挙げてるってか。いや~そんなことよりタコ男が素晴らしいじゃないですか。前回のグリーンゴブリンのシャープな邪悪っぽさとはうってかわって腹出たボッテリオジサンの背中から四本ハサミ触手という不格好メカがシュールでもーたまらん。電車の天辺側面に張り付いてのハチャメチャバトルはCG芸術の究極シーンと言えますね。マンガやアニメで自由に作れたどんなシーンも今やすべて実写で可能な時代になったんだなあとつくづく……。人命救助しながらウェブを咄嗟に張って救助対象をぽんぽん投げて貼ッ付けてくというウェブ活用法には瞠目脱帽しました。ところで途中で糸発射ができなくなってスパイダーマン廃業に追い込まれたのはなぜ? そいでパワー復活したのもなぜ? ちょうどヒロインが軽薄な顔近づけて「キスして……」とかやってる最中だったから彼女が関係してんの? なんか面白え仕組みがあったんでしょうかね、英語聴き取れなかったですわい。ま、聴けなくても見てるだけで興奮できるこういう映画っていいよな。ビルの谷間をビュンビュン渡ってゆくシーンは何度やってもらってもそのつど新鮮です!