「大日比 夏ミカン原樹」が天然記念物に指定される
1927年(昭和2)のこの日,山口県長門市仙崎大日比(おおひび)の青海(おおみ)島の海岸近くにある「大日比 夏ミカン原樹」(樹齢300年)が「史跡名勝記念物保存法」により天然記念物に指定される。現在も大日比の西本氏宅に現存。
この夏ミカン原樹は,1704年(元禄17)頃,対馬暖流にのって青海島海岸に漂着した柑橘の種子から成長したもので,日本における夏ミカンの起源といわれる。海岸で種子を発見したのは,西本チョウという女性。
明治維新後,夏ミカンは,旧萩藩では,生活に苦しむ士族救済のため,士族授産資金を活用し,屋敷を壊した空地などに栽培され,旧萩藩士の殖産事業として奨励された。このため,萩はわが国最初の夏ミカン集団産地に成長した。
萩の夏ミカンの産地化に尽力したのは,小倉県令(知事に相当,現・北九州市)を退官した後,萩に帰住した小幡高政(おばた・たかまさ,1817.12.26~1906.7.27)である。第二次大戦前は夏ミカンによる収入が萩市の財政を上回る程であったという。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます