電源開発(Jパワー)が老朽化した松島石炭火力発電所(長崎県)を改修して使い続けようとしている問題で、計画中止を求める市民の声を届けようと、SNSなどの呼びかけで集まった若者らが11日、東京・銀座の電源開発本社前でスタンディングを行い、同社に要望書を提出しました。
松島火力発電所は1981年に操業し、電源開発で最も古い石炭火力発電所。電源開発は4月、同発電所の1号機を廃止する一方、2号機に石炭をガス化して燃やす設備を新設し、効率を高めることで稼働を続ける計画を発表しました。2024年に着工し、26年に運転を開始する計画です。
スタンディングを企画したグループの代表の山崎鮎美さんは「要望書では、この計画によるCO2の削減量などを明らかにするよう求めたが、それも分からないという回答だった。見切り発車の計画という印象を持った。これからも市民の意見が事業者に伝わるよう取り組んでいく」と話しました。
COP26inグラスゴー
脱石炭へ世界加速
英声明に40超す国・地域賛同 日本は参加せず
英グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、脱石炭に向けた動きが加速しています。議長国の英国が「エネルギーデー」と位置付けた4日、英政府は国内の石炭火力発電からの撤退を含む脱石炭に向けた声明を発表。少なくとも新たに23カ国が、石炭火力発電を段階的に廃止していくと表明しました。日本は参加していません。
4日午後(現地時間)時点で40以上の国・地域が賛同しました。韓国、ポーランド、チリのほか、ベトナムとインドネシアも名を連ねました。
声明は、先進国は2030年まで、それ以外の国は40年までに石炭火力を全廃するという内容。▽国内外で、新規石炭火力の新設への投融資を終わらせ▽影響を受ける労働者らに対し、公正な移行を実現することが明記されています。
英政府は4日、声明で「190の企業や国が、石炭発電を段階的に廃止し、新規石炭発電所への支援を終了することで合意した」と紹介。「石炭は歴史として刻まれる」と表明しました。
石炭以外の化石燃料からも脱却し、資金の流れをクリーンエネルギーに転換しようという動きもありました。カナダ、米国、デンマークなどを含む25カ国と公的金融機関は、22年末までに化石燃料部門への国際的な公的支援を終了し、クリーンエネルギーへの移行支援を優先すると約束しました。
— しんぶん赤旗より —