絵本の時間

小学校で よみきかせをしています。
毎週月曜日の朝の読書の時間は、
読み手にとっても 心温まる時間です。

9月 29日

2008年09月29日 | 今日の本
約2ヶ月ぶりに 2学期のよみきかせがスタートしました。
運動会は無事に終わり、楽しい思い出が またひとつ増えたクラスで
またみんなで共有する時間を持てると 嬉しいと思います。
先週末からすっかり気温が下がって 「秋」 を肌で感じるようになりましたね。
これからの 秋の行事も 皆元気に取り組みたいと思っています。


1年 1組(K・I) 秋らしいお話を探して待っていました。コスモスです。 お話を始めると、コスモスが通学路にあるよね・・・という声も聞こえてきて 嬉しく感じました。 ハッチンスの「かえりみちをわすれないで」は、はっきりした色使いがとてもきれいです。 文章にはありませんが、絵をよく見ているとかえりみちが間違っていないことがわかり、お話の中の動物の子どもたちに、教えてあげたくなりますね~。
もうひとつ、秋といえば美しいお月様。「月」に関するお話も、たくさん読んでみてください。

       
コスモスさんからおでんわです かえりみちをわすれないで』  『つきのぼうや』

1年 2組(K・F & Y・K) 「はちうえは・・・」は、夏休みに植物を預かるアルバイトを考え付いた 男の子のお話。みんなの夏休みは終わってしまったけれど、来年の夏休み、ぜひぜひ思い出してくださいね。「ねんどぼうや」は、不思議な(ちょっと恐怖の?)内容を、一緒にグぐっと見入りました。よくよく考えるとハッピーエンドなのですが・・・やはり不思議なお話。。 「あくび」は、表紙から大笑い。迫力のある絵ですものね~。朝から笑うと、いいことありそうだね!

       
『はちうえはぼくにまかせて』  『ねんどぼうや』      『あくび』

2年 1組(N・I)「よりみちせんべい」は、おせんべいの作り方が順にわかる内容でしたね~。最後の“せんべい茶漬け”美味しそう♪ 「おそらに・・・」は“はて(果て)”という言葉を説明してから読み始めました。科学絵本ですが、なんともお洒落な雰囲気です。子どもたちはズームして近づく星を、「大きすぎ!」と、そちらに興味が行ってしまった様子でした。 秋ですからね・・・「空」の美しいものもあれば、「地面」の美しいものも。「おちば」っていろいろな色・形があって、楽しいですよ!

        
   『よりみちせんべい』     『おそらに はては あるの?』

      
   『なんでしょなんでしょ』           『おちばがおどる』

2年 2組(T・H)まずは、男の子が大好きな「きょうりゅうたんけん」から。公園から恐竜の時代につながるトンネルがあるなんて・・・!元の公園に戻ってきたあと、公園の恐竜の目が動いていることに、気付いた子いたかなぁ? 昨年は「へんしんプレゼント」で楽しみましたが、今回のは「へんしんマラソン」。皆で一緒に応援してもらいました。 「ぼくんちカレーライス」は、人の話を聞くうちに、聞いた人たちがだんだんカレーが食べたくなって・・・。こんなことって、ありますよね~。今夜のご飯がカレーだったら、もぅびっくりしちゃいますね!

    
わんぱくだんのきょうりゅうたんけん』 『へんしんマラソン』     『ぼくんちカレーライス』

3年 1組(A・H)「ひみつのひきだし・・・」では、「奥の奥まで」探していたら、どんどんどんどん奥深くなっていく引き出しを、声に出して驚いてくれました。“秘密の引き出し”なので、いつもあるわけではないんだよ~♪
もう1冊は、落語絵本に挑戦です。“茶・栗・柿・麩”を売り歩くうちに「ちゃっくりがきぃふ ぱぴぷぺぽ~」という売り言葉になってしまいます。どんな調子で読もうかと、思案を重ねたところですが、子どもたちはとても楽しんでくれた様子でした。 終わって挨拶のとき、先生が「みんなで一緒に言ってみましょう」と、「ちゃっくりがきぃふ ぱぴぷぺぽ~♪」と声を合わせてくれたのには、大感激でした。

         
  『ひみつのひきだし あけた?』    『ちゃっくりがきぃふ (らくご絵本)』

3年 2組(K・N)担任の先生が、ほんの少し前に結婚されました。人が人を好きになる気持ち・・・ちょっと特殊ですが「がいこつ」の気持ちで読んでみました。 「ウエズレーの国」は、ずっと読みたかった1冊。もう少し暑い時期がよかったけれど、夏休みの自由研究を終えて9月の新学期を迎えるまでのお話。ここまで、たいへん静かに聞いてくれていたため、少し不安にもなりました。ので、3冊目の「だるまさんが」は、楽しい気持ちを出して欲しくて、みんなのほうを向いて読みました。 くすくす笑い声も聞こえ、ちょっと安心もしたのです。

   
      『がいこつ』          『ウエズレーの国』        『だるまさんが』


先生と老犬とぼく

2008年09月12日 | 本の紹介

小学校の「よみきかせ」で読んだ本の記録をしていますが 合間に、本の紹介をしています。
この本は、中学年くらいの子から読めるお話だと思います。
主人公も、3年生の男の子です。

   『先生と老犬とぼく』 
               ルイス・サッカー/作  むかいながまさ/絵  はらるい/訳

先生が留守の間、老犬の世話を任された少年のお話。
少年が気付かないうちに もともと先生の信頼を得ていたのだけれど
先生の信頼を得ているということが、この少年の自信を倍増させたのです。
少年と友人たちとの関わり、少年と老犬との関わり・・・とてもよかったです。
任されるということ、責任を全うするということ、難しいけれど、
この少年のように学んでいけたらいいなぁと思います。

同作者の著書 『穴』(こちら) を読んで 非常に面白かったのも記憶に新しいところです。
こんなに 小さな子向けのお話も書いていらしたとは、驚いてしまいました。

 


忘れないこと。

2008年09月11日 | 本の紹介

小学校で読んだ 「よみきかせ」の記録をしていますが
合間に 本の紹介をしています。


何年経っても 思い出さずにはいられません。
その後の報道等でみる、様々な憶測 ・ ・ ・ 本当の本当の真実を知ることはできませんが
そこで起こった 悲しい事実 と それを知ったときの 自分自身の憤り、混乱
何年経っても 忘れることはないでしょう。

忘れないでいたい という思いとともに、 子どもたちにも 知っていて欲しいと願っています。
報復が報復を生むという 悲しい連鎖のためではなく
人の持つ 優しい気持ちと 守る強さを知るためにも。

そして 思い出すのは この2冊の本です。

   
 『しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる』 マイラ・カルマン/作・絵 矢野顕子/訳

 
 『9月のバラ』  ジャネット・ウィンター/原著  福本友美子/訳


木かげの家の小人たち

2008年09月02日 | 本の紹介
小学校の「よみきかせ」の時間に読んだ本を記録していますが
合間に、本の紹介をしています。
少し難しい言葉もありますが、小学校の中学年以降の子どもから読めると思います。
古く上品なお話の中に、不思議なファンタジーの世界が広がっています。

『木かげの家の小人たち』 いぬいとみこ/作 吉井忠/イラスト

体が弱く、控えめな性格の少女・ゆりは、外国からきた小人の家族のお世話を任されています。 それは、毎日、決められたカップにミルクを入れて届けるというもの。 もちろん、小人たちを誰にも見られてはいけません。
ゆりの家族は、代々そのお世話をしてきたのですが、そのお世話がままならない時代がやってきてしまいます。 第二次世界大戦。

まさか、その時代設定で、小人の登場するお話が描かれているなんて、ほんとうに驚きました。また、苦しい生活の中で小人たちを守ろうとする少女の姿は、あまりに健気で、戦争の実態を語らずとも、人を破壊してしまう怖さが、充分に伝わってきます。
小人の子どもたちと、日本古来のアマノジャキの出会いも素敵で、優しさと勇気に満ちています。こういうお話がずっと守られていることに、なんともいえない喜びも感じています。