絵本の時間

小学校で よみきかせをしています。
毎週月曜日の朝の読書の時間は、
読み手にとっても 心温まる時間です。

ケルトの白馬

2009年09月28日 | 本の紹介
『ケルトの白馬』 ローズマリー・サトクリフ/著  灰島かり/訳

イギリスの丘陵地帯に描かれた 巨大な白馬の地上絵。
この古代ケルト人による地上絵を知った著者が 「なぜ この地上絵が描かれたのか」を紡いだ物語。

この物語は まさにこの地上絵のように美しく 感動的なものでした。
実は 中ほどになるまでは なかなかお話に乗ることができなかったのですが・・・
じりじりと打ち寄せてくる 感動の波に 心動かされずにはいられませんでした。
民族の存亡をかけて生き、友情を持ちつづけ 死をもって生をなす強さ。
心打ち解けることは許されない敵対する部族の長と 生きる世界が違っていたならば友情を育めた
であろう悲しさも、すべて 主人公の潔さによって 美しい光を放っているようです。

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チョコレート戦争

2009年09月18日 | 本の紹介
『チョコレート戦争』  大石 真/作  北田卓志/絵

そういえば 以前はそうだった。私が子どもの頃は・・・。
洋菓子なんて 高級品で、ケーキともなれば お誕生日か クリスマスにしかお目にかかれない。
たぶん そんな時代のお話で 高級シュークリームが80円も(!)するお店があったのです。

その洋菓子店の名前は 金泉堂。 町一番の人気店。
わけあってショーウィンドウの前に立っていた子供たちの目前で、ウィンドウの硝子がパリンと割れた。
空気銃を手にしていたこともあって、身に覚えのない罪を着せられてしまう。
自分たちじゃないと言っても 大人はちっとも信じてくれない。 このままじゃ、引き下がれない。
町一番の人気店・金泉堂に「戦争」を仕掛ける子どもたち。

なさそうでありそうな・・・ありそうでなさそうな・・・ そんな親近感に満ちていて、楽しいワクワク。
最後の章には 作者のいたずら心も垣間見れて 嬉しくなってしまいます。
優しさや勇気や思いやり、そういうものも含まれて、子どもの本って こうあって欲しいと思える1冊。
そして そして 必ず金泉堂に行きたくなってしまいます!!


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じっぽ

2009年09月11日 | 本の紹介

    『じっぽ  まいごのかっぱはくいしんぼう』 たつみや章/作

台風の翌日 ぬいぐるみみたいなものを拾った。 家に持ち帰ってよくよく見てみると・・・
なんと それは河童の子ども。
とってもくいしんぼうで こっそり飼う(?)のが大変になった太郎ですが、じっぽの可愛らしさに
守ってあげたい気持ちが沸き起こります。

優しい気持ちは 強さと同等。 守るって事は いつまでも傍に置いておくことではない。
太郎の行動には じーんときてしまうのです。

河童の存在を ナイショにする本はありがちですが、太郎は証明するために学校へ連れて行っ
ちゃうのが面白い。 
大きな人たちが 「かはたれ」 「たそかれ」 で 河童物語を楽しんだ後、中学年の男子のために
我が家にやってきた1冊。 じっぽの可愛らしさに 男の子もきゅーんとなるはずです。

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