いかな十字架は知らねど
いかな十字架かは知らねど
いかな苦しみとはわからねど
人はみなその胸に
その肩に その額に
人それぞれの十字架を刻んでいる
〈REF〉
ヨブのように生きることなど
このやせたこころにはかなわねど
人はみな証しする
生きること 愛すること
人それぞれの行くべき道にあえぐ
〈REF〉
いかな十字架は知らねど
いかな悲しみとは悟らねど
人はみな生まれ落ち
しあわせを 求め求め
人それぞれのたたかいの繰り返し
〈REF〉
イエスの言葉信じてみても
信じなくても生きられる世を
寂しいこころで
生きるのか こらえるのか
人それぞれの貧しさ胸にかかえ
〈REF〉
〈REF=リフレインするフレーズ=以下の五行〉
かの人の十字架のもとに
ひとりたたずんでみても
救いはない ゆるしはない
ただひとり その苦しみを祈るだけ
その悲しみを 差し出してみるだけ
[POEM-詩集『愛と癒しと』以前の詩から]