フランシスコの花束

 詩・韻文(短歌、俳句)

人 人であること<改>

2005-03-27 04:33:27 | POEMS(詩)

   人 人であること<改>

  人 人であること
  人 人でしかないこと
  人 男でもなく
  人 女でもなく
  人 人そのものであること
  人 そしてなお
  人 人である以上に もっと
  人 人でありたい
  人 人に満ちていて
  人 人に熱していて
  人 人に熟していて
  人 濃密に人であること
  人 情理を尽くして人であること
  人 人そのものであること
  人 ただそれだけを願っている
  人 ただそのためだけに
  人 人を生きたい
  人 人そのものを生きたい

          [POEM-愛と癒しと/Ⅰから]


ひねくれ

2005-03-26 01:48:05 | POEMS(詩)

   ひねくれ

  きみは ぼくを ひねくれ
  って 言うけれど
  ちがうんだ それは
  ぼくの愛が ひねくれたんじゃない
  だって ぼくは きみを
  素直に まっすぐに愛しただけ
  ぼくの愛が
  心の中にしまってあった 愛が
  ちょっと曲がっていたんだ
  ああ だから
  いつまでも ぼくの愛は
  きみに届かない
  いつまでも ねじれたまんま
  きみには気づかれない

  きみを たくさん 
  なじった あとで
  きみを いっぱい
  からかった 夜に
  ひとりで もだえているんだ
  ぼくひとりの 孤独の部屋で
  ぼくの いやしい愛欲が
  切ないうめきを しのばせるんだ
  五月のそよ風に
  ほてった頬を なぶられながら
  いつまでたっても
  やさしさいっぱいもって
  きみを 抱きしめられない
  ひねくれ者の 心 
  悲しく よじらせるんだ

         [POEM-愛と尊厳と/(4)より]


言葉とぼくら

2005-03-21 10:24:28 | POEMS(詩)

   言葉とぼくら

  ぼくら いつも
  言葉で考え 
  言葉で通じ合い
  言葉で愛し合い
  言葉で赦し合う

  そして いつも
  言葉に撃たれ
  言葉に裏切られ
  言葉に突き刺され
  言葉に殺される

  ぼくら いつも
  それでもやっぱり
  言葉にたより
  言葉を信じて
  言葉でほぐそうとする

  ああ ほしいのだよ
  そんなぼくらに
  言葉を超える
  愛のしぐさ
  結び合う共感のまなざし
  支え合う心の いつか
  いっぱいにあふれるときを

        (『愛と尊厳と』(2)から)


うたう人って

2005-03-20 14:43:48 | インポート

   うたう人って

  うたう人って うたう人って
  さびしいから うたうのね
  むねのおくの あついきもち
  だれかにつたえたくて
  うたうのね
  つたえるあいてが そばにいなくても

  うたう人って うたう人って
  むなしいから うたうのね
  むねのおくに ぽっかりあいた
  かなえられないおもいを
  うたうのね
  こんなにも人を もとめているから

  うたう人って うたう人って
  やさしいから うたうのね
  むねのおくは なぐさめみちて
  そっとなでるように
  うたうのね
  あいするひとに であいたくて

  うたう人って うたう人って
  こいしいから うたうのね
  むねのおくの せつないきもち
  すこしわかってほしくて
  うたうのね
  あいするあなに このこころとどくようにと
  いのちのといき きこえるようにと


歩くと(「軽くなる」から改題・改稿>

2005-03-19 20:20:19 | POEMS(詩)

  歩くと<「軽くなる」から改>

 歩くと体が 軽くなる
 歩くと心が 軽くなる
 歩けば歩くほど 軽くなる
 軽くなって 軽くなって
 ふかふか ふかふか かあるくなって
 
 右の足からひょい、
 左の足もひょい ひょい ひょい 
 だんだん、だんだん 浮き上がり
 二つのあんよが宙に浮き
 あれよあれよと昇り出す
 
 それからふうわり
 ふうわり浮かんで 地を離れ
 ずんずん ずんずん 舞い上がり
 雲のずうっと、ずっと上
 天の国まで行けたら いいな!