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フランシスコの花束

 詩・韻文(短歌、俳句)

罪人だから<改>

2005-09-16 03:45:40 | 詩集『愛と癒しと』から

      罪人だから<改>      
    
    罪人だから、
    わたしは神にとらえられる。
    罪深く生きているから、
    わたしは深い愛を知る。
    罪人として、
    こんなにも生かされていて。
    この命包まれていて。

          [詩集『愛と癒しと』から改]


黄金色に輝く裳裾<改>

2005-09-13 00:40:04 | 詩集『愛と癒しと』から

      黄金色に輝く裳裾<改>
      
    ぼくは赤ん坊のように、
    その裳裾を握って眠っている。
    寒い、寒い雪の日も、
    春おだやかな風の日も、
    真夏の木陰に涼む日も、
    ぼくはただひたすら握っている。  
    黄金色(こがねいろ)に輝く衣の裾に、
    ぼくのちっちゃな手が光を帯びている。
    けっしてはなさぬ手の中に、
    ぬくもりがじんわりとあふれている午後。
    ぼくはきっと復活する!
    この疲れた心はきっと生き返る!

    目覚めたまなこには、
    輝くものがある。
    裳裾を握ったまま、
    頭を起こし、体を起こし、
    ぼくは希望のなかで転げていたのを、
    まざまざと思い出す。
    生きる望みがそこにあふれていて、
    ぼくはいつかたくさんの力をもらっていた。
    あなたはそっとぼくを見下ろして、
    ああ。懐かしいママのように、
    目を細めて、こういわれる。
    「あなたを信じて行きなさい」

    希望とはきっと、
    黄金色の裳裾の輝き。
    赤ん坊のようにそこに眠ること。
    ただ信じる心一つもって、
    光の中に安らぐこと。
    復活する力はきっと、
    だれにもあり、
    どんな苦痛からも、
    どんな疲労困憊からも、
    生き返る。
    「ああ。よく寝た!」と、
    幸せに満ちて生き返る。    

    黄金に輝くその裳裾。
    それはいつでも、どこでも、
    すべての人の癒しの泉のよう。
    悲しいときには、しっかり握って、
    木陰のハンモックに揺られてみよう。
    寂しいときには、じっとつかんで、
    夕暮のデッキチェアーにもたれてみよう。
    ママのひざに眠るがように。
    光のなかで、たっぷりと、
    愛のマンナをいただこう。
    幸福な心で、目覚めるために。
    明日へと歩く力をもらうために。
      
    

     [POEM-詩集『愛と癒しと』改]


秋の青い空

2005-05-21 03:30:43 | 詩集『愛と癒しと』から

      秋の青い空

    秋の青い空は ほら
   大きくて 深いよ そこで
   ぽっかり浮かぶ コッペパンのような
   白い雲を
   追っかけているのだね 
   空の小さな風よ
   子どものようなたわむれよ
   黄色くなった稲穂の上の
   空の色は
   どこまでも光だらけで
   明るくて 明るくて
   目が溶けてしまいそうだよ

        [POEM-『愛と癒しと』(2)から]