ですよね。
当たり前のことですが、ここが書道の魅力のひとつでしょう。
『あれ?今朝何食べたっけ?』とか
『あの番組録画予約してたかな?』とか
考えながら紙の上で筆を走らせるとこなんて、できませんよね?
理由は簡単。
一切を忘れて集中しなければ、『書の美』の入口にすら立てないからです。
つまり
『上手く書いてやろう』とか
『褒められるように書いてやろう』なんて考えながら書いているようでは、習字レベルということ。
書道は己の中にある一切合切を見つめるために、書く文字や文章の力を借りて、心の中から諸々引っ張り出して、筆を使って真っ白な紙に真っ黒な墨でさらけ出す行為。
私はそのように考えています。
『善悪』と言う言葉を書くとき、上手く書く事を目的とするなら、それは習字。
自分の中にある『善』と『悪』を引っ張り出し、対比して、対峙させ、紙一重であったり、混沌としていたとしても、それはその時々の自分にとっての真実を『書』と言う形で現そうとする行為。
それが、書によって人の道を求める
『書道』なのだと思うのです。
更に厳しくなってきそうな年明けですが、私にもあなたにも『書道』がある。
『書道の力』で、心を折ることなく、しなやかに、ゆっくりと乗り越えていきましょう。