ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

ちょっとした散歩にも発想の転換を

2020-07-31 06:02:32 | 雑感
 毎日が日曜日のような年金生活者の私です。ともすれば行動もワンパターンになりがちなので、マンネリにならないよう日々刺激を求めてはいるのですが、なかなかうまくいきません。

 “キョウイクとキョウヨウ” に丁度いいと、週2回通っていたAAのミーティングが、コロナ禍のせいで休止続きとなっていることも響いています。

 それに追い打ちをかけたのがこのところの長雨。益々行動が制限されて気分が滅入り、頭がダレて冴えもなくなっています。

 こんな刺激のない日々が続くと、ついよからぬことを考えてしまうところが怖いです。

 長雨で鬱々していた先々週と先週、雨の降らない頃合いを見計らい、少し遠出をしてみようと思い立ちました。

 遠出と言っても、普段とは違った所を散歩してみようとしたまでで、すぐ隣の市まで足を伸ばしてみました。

 歩いた距離は歩測で片道約5千歩強、実測距離にして精々3 kmちょっとでしょうか。往復しても1万歩強ぐらいなものですから、毎日散歩で歩くコースの倍程度の距離です。

 ある意味、近場とも言えますから、思いがけない所で知り合いにバッタリ出会え、久々に雑談を交すこともできました。そのお陰で頭が少しシャッキリしました。

 本来、マンネリな生活にメリハリをつけるには、物見遊山の旅が一番効果的なハズ。今は、go toキャンペーンもやっています。

 アルコールなしの生活が板に付き、今なら1、2泊の旅行でも大丈夫とは思うのですが、このコロナ禍では泊まりがけの旅に出かける気にもなれません。

 今回、ちょっとした思い付きで試してみた散歩コースの変更ですが、いつもとは違った町並を歩くだけでも新しい発見に好奇心がそそられ、久々に出会った人とのたわいない雑談も十分刺激的でした。

 マンネリな生活に変化を求めるなら、何も遠くへ旅に出なくともいい、たとえ近場であっても普段と違った場所を散歩するだけで十分刺激になり得ます。
 散歩するにも、ちょっとした発想の転換が大切では?



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延命処置は主治医でも中止できない?

2020-07-28 05:49:18 | 世相
 先週は、延命処置について考えさせられた出来事が二つありました。

 ひとつは、介護を受けている人が日頃、「延命処置は望まない、緩和ケアでいきたい」と言っていたのに、「新型コロナにかかったら人工呼吸器を着けてもらいたい」と言ったという話。

 これは、20日(月)のNHK報道番組(『クローズアップ現代プラス』?)で、ある介護関係者から伝え聞いた話ですが、私は
「さもありなん! 決して、あさましい無定見だの、ダブルスタンダードだのと嗤ってはいけない」と思いました。

 新型コロナは肺炎が重症化するのが特徴で、その呼吸困難の苦しさは水に溺れてアップアップするような苦しさだそうです。こんな場合の延命処置は緊急避難的であって、がん末期や脳死状態のそれとは別だと考えてのことでしょう。

 もう一つは、23日(木)に報道された嘱託殺人事件。2人の医者が、ALS(筋萎縮性側索硬化症)で苦しむ女性患者を安楽死させた容疑で逮捕されたという事件です。

 ALSは、頭はハッキリしているのに身体の自由が利かなくなる進行性の病気です。病気の本人にしてみたら、延命処置を受け続けることはまさに生殺しにあっているようなものでしょう。脳機能がまともであるだけに悲惨です。

 ところで、人工呼吸器の装着や胃瘻で知られる延命処置、一旦受けることを選択したら途中で中止が利かないこと、皆さんご存じでしょうか? 中止が殺人になるからだそうです。

 このことを私は、ブログ記事『どこまでいきる』を読んで初めて知りました。今回の事件は、患者本人が強く希望しても主治医に延命処置の中止が許されない法律に誘因があったのでしょう。

 身体の自由が利かなくなったり、認知症が進んだりしたら、回復の見込みがないのですから私も延命処置を望みません。物を食べられなくなった場合もお迎えが近いそうですから、下手にジタバタしないつもりです。

 痛みに苦しみ、ジタバタするのも意識がある間のこと、意識がなくなったら苦痛もそれまでです。まぁ、家族の都合もあって、人はそれぞれですが・・・。

 私がそのつもりでも、いざとなったら気の動転した家族は医者の言いなりになるかもしれません。これを機会に家族には、安易に延命処置に同意しないよう伝えて置くつもりです。

 聞くところによると、延命一辺倒だった医学会も、遅まきながら尊厳死について議論を進めているようです。

 さすがに、安楽死を認めるまでは行かないでしょうが、せめて本人や家族の希望があったら主治医に延命処置の中止ができるようにすべきです。

 今回の事件を奇貨に、医学会はガイドラインの策定により前向きであってほしいものです。法律の方も、きっと学会の後を追っかけると思います。

         *   *   *   *   *
 今回のALS患者嘱託殺人事件、メディアは東海大病院での末期がん患者安楽死事件(1991年4月)に絡めて報道していました。そのお陰で、横浜地裁(1995年3月28日)で下された司法判断について調べてみる気になりました。
 参考までに、その判例で出された重要な項目と要点を挙げておきます。 

【安楽死を3つに分類】
(1)消極的安楽死:苦しむのを長引かせないため、延命治療を中止して死期を
  早めること
(2)間接的安楽死:苦痛を除去・緩和するための措置をとるが、それが同時に
  死を早めること
(3)積極的安楽死:苦痛から免れさせるため、意図的積極的に死を招く措置を
  とること

【末期患者の治療中止が許容される3つの要件】
(1)患者が不治の病を患い、回復の見込みもなく、死が避けられない状況を
  迎えていること
(2)治療を中止する時点で、それを望む患者の意思表示があること
(3)中止の対象は、疾病治療、対症療法、生命維持などすべての措置が含ま
  れるが、どれをいつ中止するかの決定は自然死を迎えさせる目的のもとに
  中止されなければならないこと

【積極的安楽死が許容される4つの要件】
(1)患者が耐えがたい肉体的苦痛に苦しんでいること
(2)患者の死が避けられず死期が迫っていること
(3)患者の肉体的苦痛を除去、緩和するために方法を尽くし他に代替手段が
  ないこと
(4)患者本人が安楽死を望む意思を明らかにしていること

 今回の嘱託殺人事件は、上記判例に沿って司法判断が下されると思います。
 ただしALS患者の場合、必ずしも肉体的苦痛が伴うわけではなく、精神的に苦痛だろうと推察できるだけです。
 この点で、肉体的苦痛が容易に診断できる末期のがん患者とは異なります。ただ単に、肉体的苦痛を精神的苦痛に読み替えるのか、新たに基準を設けて “耐えがたい” 精神的苦痛を認定するのか、新しい司法判断が待たれます。




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“やって後悔する方がよい”

2020-07-24 06:22:54 | 雑感
 子どもの頃、誰でも同じと思うのですが、私も歯医者が怖くて嫌いでした。特に、虫歯の治療に使う電気ドリル(?)が恐怖の的でした。

 その当時の電気ドリル、今よりもずっと回転速度が遅かったようで、しょっちゅう神経に触ってはその都度痛さに飛び上がっていました。以来、キュイーンと音がし始めた途端にビクビクし、歯から骨に伝わってくる振動音に身体を思いっきり硬く強ばらしていたものです。

 そんな苦い経験があったため、たとえ前歯であっても、少しぐらいの虫歯なら治療を先延ばしにしていました。穴が大きく開いたと気づいたときには既に遅く、隣り合った歯も完璧な虫歯になっていました。

 当時、前歯に保険が利くのは銀冠だけで、高校生のときには上の前歯4本が銀冠に。奥歯もほとんどが銀冠を被せた状態でした。

 後になって気づいたことですが、虫歯のせいか処置のせいか、どうやら歯の噛み合わせの悪さが祟ったようです。

 その後も忙しさにかまけて歯の治療を怠っていました。結婚後にやっと、保険外の差し歯に取り替えたのですが、上下10本の前歯に80万以上かかったように記憶しています。

 虫歯がまだ初期だった頃に治療していたらと悔やんでも後の祭り、まさしく “後悔先に立たず” でした。

 先日散歩の途中で、小学6年の娘を持つ母親にバッタリ出会いました。何でも娘さん、歯科検診で前歯の矯正を勧められたそうなのです。

 調べてみたら、歯列矯正は保険の適応外、前後2期にわけた矯正には100万程度かかるとか。
「受けさせたいのは山々なんだけど、治療費が高くってね。母子家庭だから、どうしても二の足を踏むのよねぇ」と嘆いていました。

 前歯ではエライ目に遭っている私だけに、こう言ってエラソウに母親を励ましてみました。
「歯列矯正には今がギリギリの時期なのでは? “やらないで後悔するより、やって後悔する方がよい” ですよ。」

 何を隠そうこの言葉、NHK朝の連ドラ “エール” からの受け売りです。音の父親が存命中、事あるごとに娘の音に言い聞かせていた励ましの言葉です。

「そうね、またお爺ちゃんに泣きつくしかないかなぁ?!」と、苦笑いしていた母親でした。

 泣きつかれる方のお爺様も大変でしょうが、一粒種の孫娘のこと、前歯は一生の大事と弁えて、きっと願いを叶えてくれることでしょう。ほぼ同年代の私にはそれがよくわかります。



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直感像素質者って?

2020-07-21 05:59:54 | 雑感
 世の中、特殊な能力の持ち主は確かにいます。大抵は、本人にひけらかす気がないので、公に知れ渡ることは意外に少ないようです。

 恐らく知らないと言う人の方が多いと思いますが、直感像素質者というのをご存じでしょうか? 一瞬でも目にしたものを記録画像のように記憶し、大分後になってからでも細部まで詳細に思い出せる特殊な記憶力の持ち主のことです。

 先週、暇つぶしに見ていた午後のサスペンス『女刑事ふたり 赤い月連続殺人!!』でこの直感像素質者という言葉を知りました。ドラマの途中から見始めたので、殺人現場の目撃者のことだったということしかわかりませんが、この言葉からある一人の後輩社員のことを思い出しました。

 その後輩社員の M 君、彼は理系の東大卒でしたが、要領が悪く気も弱かったので担当を次々変えさせられました。最後に担当したのは確か、統計解析だったような。胃がんが見つかり、30代の若さで亡くなりました。

 彼に特殊な記憶力があったと知ったのは、彼が亡くなった後のことです。彼と一緒に働いたことのある同僚が、こんなことを教えてくれたのです。
「彼にはすごい才能があったんですよ! 学会で映されていたスライドを完璧に再現できるすごい記憶力でした。」

 医学系の学会で発表されるスライドには、新しい知見のエッセンスが詰まっています。スライド1枚の映写時間は長くても精々30秒から1分ぐらい。そんな一瞬の間にもかかわらず、スライドの細部まで覚えていられたとは!

 当時は、さすがに東大卒だとしか考えられなかったのですが、恐らく本人は、単に記憶力の良さで東大に入れたなどと思われるのが癪だったようで、そんな特殊な記憶力があるとはおくびにも出しませんでした。

 今になって思えば、M 君は明らかに直感像素質者だったのでしょう。彼の特殊な記憶力を生かす職種が必ずやあったと思うのですが、上司に一人として彼の才能に気づいた人のいなかったことが悔やまれてなりません。

 さて、同じように直感像素質者を扱ったドラマにフジTV系『スーツ』があります。

 こちらは弁護士資格がないのに弁護士を詐称している青年が主役格だったのですが、やはり一瞬の内に文書を完璧に記憶してしまう記憶力の持ち主でした。

 こちらも近々、シーズン2が始まるそうで、今からドラマ再開を楽しみにしています。



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サイコパスはどこにでも

2020-07-17 05:49:37 | 世相
 以前、ゴミ拾いをしていて思ったことですが、反社会的行動をやって人を困らす精神病質者、サイコパスと思しき人は結構いるようです。

 普通の人なら道や公園では決してやらないこと、なぜこんな物を(?)と不審に思ったシロモノに出くわしたことが度々あったからです。

 公園のベンチに使用済みの紙オムツや女性器を模した大人のオモチャを置き去りにするとか、トイレットペーパーをロール丸ごと大便器に突っ込むとか、歩道にたれた人糞とか、人が迷惑することを平気でやらかすのにビックリするやら腹が立つやら。

 最近、そんな思いを再び強くした事件がありました。可燃ゴミ収集パイプラインに、常識では考えられないゴミが詰まって運転停止となったのです。市が調べたところ、とんでもないシロモノが投入されていたそうです。

 その原因となったシロモノとは、剪定された木の枝の丸太、折りたたみノコギリ、折りたたみ傘、スプレー缶、ペンチのような金属製工具等々。ちょっと考えれば、捨ててはいけないとわかる物ばかりだったそうです。このせいでパイプラインの内部が損傷し、補修のメドもつかないとか。

 このパイプライン、可燃ゴミなら24時間投入口から捨てられるので、私の住む地域自慢のシステムです。

 投入するゴミの大きさに縦横高さ30 cmまでという制限があるものの、地下に埋設されたパイプラインが掃除機と同じ原理で可燃ゴミを吸引して収集し、焼却炉で集中処分するという優れものです。

 近年、パイプラインの老朽化が進んで大雨で浸水して運転休止になることがあり、不法投棄も今回が初めてではありません。その都度運転休止となって、時間指定のゴミ収集車による回収が1ヵ月程度続くこともよくあります。

 その不便さを住民は身を以て知っています。ですから住民は、パイプラインへの不法投棄は不便になることはあっても何の得にもならないことをよく理解しているハズです。

 また、投入口は鍵がなければ開きませんし、鍵は住民しか持っていないハズです。

 さらに、投入口には注意書きも掲示されているので、住民なら捨ててはいけないゴミのこともよく理解しているハズなのです。

 それでも敢えて不法投棄をやるのは嫌がらせ以外の何ものでもありません。ひょっとしたら新型コロナ禍への鬱憤晴らしのつもりかもしれませんが、こんな嫌がらせはサイコパスならではの仕業としか思えません。こんな輩が住民にいるかと思うと益々気が滅入るばかりです。

 パイプラインの復旧には、まだまだ時間がかかるようです。運動不足を避けるためにも、そろそろゴミ拾いを再開しようかと考えていたのですが、拾い集めたゴミを自宅に持ち帰って保管するのにはさすがに抵抗があります。

 幸いなことに、私のゴミ拾いコースは想定していた程ムチャクチャにはなっていません。新型コロナの方も再び勢いをぶり返しているような。

 ここはパイプラインの復旧まで待って、ゴミ拾い再開の方も自粛と行きましょうか、ネ?



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“エール” でキラリと光る言葉たち(下)

2020-07-14 05:28:44 | 雑感
 コロナ禍で収録休止を余儀なくされたNHK朝の連ドラ “エール”。

 コミカルに展開するドラマのここぞという場面では、箴言とも言えるほどの名言がうまく嵌め込まれ、場をビシッと引き締めています。それらキラリと光る名言を、今回も一つだけご紹介します。

「人は行動することで自分を変えられる。
 考えていても何も変わらない。・・・(中略)・・・
 行動すれば全てが変わる。」
  (第58回放送 子ども時代の佐藤久志の言葉)

 喫茶『バンブー』を近所で営む保と恵夫婦の馴初め話、その佳境の場面で出て来た言葉です。

 古本屋の店主をしていた保、客の恵に心を惹かれながらも、引っ込み思案から店に籠もってばかり。煮え切らない保の尻を叩いたのが子ども時代の佐藤久志でした。

 上はそのときに久志が言った言葉。子ども時代から大人びて生意気だった久志ですから、ここでも硬い言葉遣いになっています。

 これも人生の核心を突く言葉ですが、どうやら、この言葉が言いたくてこの一話を作ったようです。そう思えてなりません。

 正直なところ、私が最初にシビレたのは、久志の言ったこの言葉でした。久志と全く同じ考え方を、私は自助グループAAで学んだように思います。

 “自分を変えようと思うなら、先ず行動から変えればよい。
  やることを変えるだけで人は変われる。”

 飲酒時代、私が毎日通い詰めていたのは立ち飲み屋でした。酒で死の瀬戸際まで行った底着きを契機に、私の行動は少しずつ変わっていきました。

 先ず変わったのは、アルコール依存症専門クリニックへの半強制的な毎日通院でした。通院中、それがいつの間にか毎日のゴミ拾いと、週2回のAAのミーティング通いへと、すっかり行動が様変わりしていきました。

 行動習慣そのものは大して変わったわけではないのです。 が、行動の目的と場所が少しずつ変わったため、考え方もすっかり変わってしまったようなのです。

 今まで飲まない生き方を続けて来れたのは、行動を少しずつ変えたお陰ではないか、それで思いついたのが上の言葉です。

 これに気づかせてくれたのが “行動に移す” というAAの言葉。この一言だけでもAAには心底感謝しています。

 ところで聞くところによれば、ドラマの脚本は複数の人による合作とのこと。以上に挙げた言葉たちをみれば、さすがにプロの仕事と思わざるを得ません。ほとほと感心させられました。



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“エール” でキラリと光る言葉たち(上)

2020-07-10 06:04:20 | 雑感
 コロナ禍で収録休止を余儀なくされたNHK朝の連ドラ “エール”。今、再開への繋ぎに第1回放映分から再放送されています。

 その再放送を見て改めて感心させられたのは、ここぞという場面にうまく嵌め込まれているキラリと光る言葉たちです。それらは箴言とも言えるほどの名言ぞろいで、コミカルに展開するドラマの中、その場をビシッと引き締めています。

 大概が、気持ちの落ち込みかねない場面で、人のやる気を奮い立たせ、伸び伸びした生き方へと励ます役割を果たしています。

 今回と次回に分け、私が特に感心した励ましの名言を3つご紹介します。
         *   *   *   *   *
「僕と君、同じ顔をしているか?
 (人は)歩く速さも、話し方も違っている。
 (他人との)違いを気にするな。」
  (第3回放送 藤堂先生の言葉)

 とかく吃りがちで運動神経も鈍かった子ども時代の祐一、騎馬戦の練習で馬を崩すヘマをやらかしました。担任教師から廊下で叱責ビンタを喰らいそうになったとき、止めに入ってくれたのが藤堂先生。そのとき先生が言った励ましの言葉です。

 人と比べることで生じるのが厄介なマイナス感情。羨み、嫉み、劣等感などは、とかく気持ちを萎縮させ、歪でひにくれた生き方へと向かわせがちです。

 厄介なマイナス感情に囚われないよう、また伸び伸びした生き方へ導こうと、単に「人と比べるな」と言ったところで聞いた方はピンこないでしょう。さすがに藤堂先生、こんな平易な言葉で優しく励ましていました。


「得意なものが見つかったんではないか?
 人よりほんの少し努力するのが辛くなくて、
 ほんの少し簡単にできるもの、
 それがお前の得意なものだ。
 それが見つかればしがみつけ。必ず道は開く。」

                        (第5回放送 藤堂先生の言葉)

 これも子ども時代の祐一の話。友達からよくいじめられていました。

 父親の三郎からは、
「なんでもいい、夢中になるもの探せ。それがあれば生きて行けっから」と言われていましたが、どうしたらいいかわからずにいました。

 授業で作曲を課題に出し、それがきっかけで祐一の才能に気づいた藤堂先生。家庭訪問したときに両親の前で、噛んで含めるよう優しく祐一に語りかけたときの言葉です。

 “人よりほんの少し努力するのが辛くなくて、ほんの少し簡単にできるもの” 
才能とは何かを説明したこの言葉は、父親の言葉よりも遙かに掴まえ所のある言葉ではないでしょうか。これなら誰にもわかります。

                                この項、次回に続きます。



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“water proof” というロゴマークに騙された?

2020-07-07 06:09:39 | 雑感
 私は、自他共に認める、駆け引き下手の買物下手です。駆け引きどころか店員の謳い文句を、疑いもせずに丸ごと鵜呑みにしてしまうきらいがあるのです。

 ところで、“water proof” というロゴマークがあります。私はてっきり、このロゴマークが防水加工を施した靴の認証だと勝手に思い込んでいました。

 自宅の近辺ならともかく、この時期、街中を歩くのにゴム長ではみっともないという思いから、次に買う靴は “water proof” のロゴマーク付きと決めていました。

 そのロゴマーク付きの靴を買ったのは6月半ばのこと。編み上げのスニーカータイプで、7千円弱という価格も値頃でした。

 先週の火曜日、こちらでも一時20 mぐらい先が霞むほど雨脚の強い本降りの雨に見舞われました。約束があったので、そのとき初めて件の靴を履いて外出しました。

 実際に、本降りの雨の中を歩いてみてビックリ、何と、靴中が水でグッチョグチョ、靴下を脱いで絞ってみたら水が滴り落ちるほどでした。

「はて、途中あった水たまりは、深さ4 cmもなかったような?  “water proof” のロゴマーク付って一体何の意味がある?」 つい不審を抱いてしまいました。

 すぐにでも買った店にクレームを付けようかと思ったのですが、店で買ったという証拠は現物の靴だけ。既にレシートも商品タグも一切合切捨てた後でした。これでは苦情を言ってもこちらに分が悪い、と早くも腰が引けていました。

 加えて、買ったお店は歩いて小1時間ほどの距離。苦情だけのために、2時間も徒歩で往復するのは面倒でした。それで、3日後に予約していた県立病院の定期検血に合わせ、検査後の午前中にダメ元覚悟でお店に行ってみることにしました。

 その日、10時の開店時にいた店員は二人。彼女らはいずれもパート社員らしく、ただただ私の苦情を聞くだけで、別の商品と取り替えるとも苦情をメーカーに伝えるとも一切口にしませんでした。

 精々、彼女らがやってくれたのは、棚に並んでいた商品から同じ靴を見つけて、
「これですね。深さ4 cmまで(の水)なら大丈夫のはずですが・・・」と、認めたぐらい。

 どうやら “深さ4 cmまでなら大丈夫” は、こんな場合の謳い文句らしく、買ったときも正社員と思しき店員から同じセリフを聞いていました。

 恐らく、クレーマーへの対応は、愛想良く聞くだけに留めておくよう教育されていたようで、聞けば、権限のある正社員は12時頃にしか出勤して来ないのだとか。それ以上のことは、まったく埒が開きませんでした。

 既に小雨が降り始めていて、時間が経てば経つほど本降りになりそうでした。とても12時まで待っていられないので、せめて防水スプレーでもサービスしてくれないかと打診してみたのですが・・・。

 当然、これもダメ。挙げ句の果て、防水スプレーまで買うハメに。仕方なく、苦情があった旨、是非ともメーカーに伝えるようお願い(?)してお終いとしました。

 せめて、“water proof” というロゴマークの意義について問いただすべきだったのでは(?)と思ったものの後の祭り。結局、防水加工とは現実どの程度のものかもわからずじまいでした。

 我ながら嘆かわしいやら情けないやら、こんなお人好しではクレーマーと呼ばれる資格(?)なんてありませんよ、ネ?



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スリップした人の話

2020-07-03 05:45:01 | 病状
スリップ(SLIP:Sobriety Loses Its Priorityの略)
 アルコール依存症者が自助グループAAに参加し、飲まない期間がある程度続いた後に再飲酒
 すること。
 「節酒のつもりが大事な決意、断酒を破ることになる」、「チョットぐらい飲んでもいいや」と、
 酒を飲む事を優先した意。
 スリップしてしまった後は自分に呆れ返って照れる人が多い。

 私は幸い、断酒して6年8ヵ月間まだスリップしたことがありません。読者登録しているある男性が最近、スリップしたときの生々しい体験をブログで告白してくれました。今回は、その記事を題材にしてみます。

 ギャンブル依存症に加えアルコール依存症にもなってしまった彼、今は釣りを唯一の楽しみとし、AAのミーティングには半年ほど参加していなかったそうです。話は、断酒を始めて3年8ヵ月経った昨年の10月のことだったようです。

 車で向かった海釣り先で車中泊をしたとき、彼、途中のコンビニで買ったロング缶の缶ビールを3本一気に飲んでしまったそうなのです。

 多分、車を運転しながらのことだと思いますが、ビールを買う直前までの心境を彼はこのように書いています。

「もうオレ、3年以上、酒を辞めてるよな……オレって、本当に "アルコール依存症" なの? もし、今、飲んだらどうなるの?」

 この言葉、まさしく私にも度々襲ってきた囁きです。断酒して3年過ぎた頃から、ゴミ拾いをしながらボーッとしていたときに時々ありました。ですから、彼の場合も時期的に合致します。

 さて、これに続く翌早朝、車中で目覚めたときの体感・体調を彼はこのように書いています。

「時刻はAM4:30、猛烈なダルさが身体を包む。・・・(中略)・・・吐きまではしなかったけれど、胸のムカムカ感、足腰の倦怠感が止まらない。」

 これは明らかに二日酔い、アルコールの代謝物で猛毒のアセトアルデヒドの仕業です。

 スリップした体験は、AAのミーティングでもよく聞く話ですが、こうも生々しい表現にはなかなかなりません。さすがに書き言葉、よく実感がこもっています。

 その後彼は、弟さんの勧めもあってAAのミーティングで告白をしたそうです。「仲間たちとの "共感" を久しぶりに味わったような気がした」と、そのときの気持ちをこう述べていました。

 既報の通り夙川では、正規のミーティングの代わりに “二人ミーティング” をやっています。その相棒の M 氏にこの話をしたところ、
「身体のダルさ、シンドさはまさしくその通り。それを紛らわせるために再び飲んでしまうんですよ。」M 氏もスリップ経験者なのです。

 そして、こんなことも付け加えてくれました。

「身体のダルさ、シンドさは精神安定剤(セルシン、デパス?)も同じです。酒の代わりにと飲んだら同じ目に遭います。やはり “仲間と共に” 、ミーティングで話すのが一番ですよ!」

 ところで、その正規のミーティングですが、夙川でのミーティングは7月も継続して休止することになるようで、まだまだ “二人ミーティング” は続きます。ヤレヤレ


今回、記事を引用させていただいた  “ちぃ~暴” 様には、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。



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