駒ヶ根市内のホテルは大浴場もあり快適で飲食店やスーパーも近く、オートキャンプ場と比べると出費は嵩んだものの次の日から山に入ることを考えると格段に居心地が良かった。



長距離運転の疲れを大浴場で解消し、近くの中華料理店で夕食を摂った。駒ヶ根名物のソースカツ丼とビールは私の胃袋を満たしてくれた。
ホテルに戻る前に山で食べるカップ麺とホテルで飲む缶ビールを2缶をホテルの隣にあるスーパーで買って帰ったが、結局、缶ビール1缶はザックに詰めて山小屋まで担ぎ上げることになる。
会長さんの部屋で翌日の打ち合わせを兼ねて軽く飲んだ。自分の部屋に戻ってからも今日一日の収支をメモを見ながらまとめたり明日の支出を時系列で確認したりして10時過ぎに眠りに就いた。
翌朝は4時起床だったが夜中の2時過ぎには目が覚めてしまった。睡眠時間は短かったが入山初日は3時間位しか歩かないので夜が明けるまで大谷選手が出場するMLBドジャース戦を観て過ごした。
空が白みかける頃に窓のカーテンを開けて山に目をやると昨夕より低い雲が空を覆っている。もちろん山の稜線付近は雲に隠れていた。
『予報では天気は回復し朝7時頃から一日中お日様マークだったのに… 』
晴れることを期待しながら淡々と出発準備を進めた。朝食会場は6:45からしか入れないのでその前に缶ビールの荷物が増えたザックを車に積み込む。他の宿泊客より早く私たちは朝食会場前に陣取った。
そして7:30にホテルを出て菅の台バスセンター駐車場に向かった。この駐車場は夏山シーズンはすぐに満車になる。日帰りの登山者が夜中にやって来て駐車場で車中泊し、ロープウェイ乗り場行きの始発のバスに乗ろうと列をつくるのだそうだ。

私たちの車が駐車場に着いた7時半過ぎ時点で沢山の車が停めてあったがまだまだ余裕があった。車の横で登山靴に履き替えている間に駐車場はすぐに満杯になった。

バス停に行くと50人ほど並んでいた。バスが来たがそのバスには乗れなかったが、直ぐに臨時のバスが出たので安心した。
バスは温泉街を抜け山道に入った。深い谷を縫うように細い道が続く。バスに揺られること30分弱でロープウェイが出る「しらび平駅」に着いた。臨時のバスには臨時のロープウェイが対応し私たちは標高差1,000mもある千畳敷カールまでわずか7分ほどで登り上がった。

その間、ゴンドラは雲の層を抜けた。ナント、雲の上から富士山が顔を覗かせているではないか!
雲の上の世界は快晴だった。私たちは一気にテンションが上がったのだった。