天地わたる手帖

ほがらかに、おおらかに

雨の日の黒くしづもる胡桃かな

2019-08-30 15:41:16 | 身辺雑記

多摩川河川敷の胡桃林

朝からけっこうの量の雨が降っている。佐賀県で被害を出した雨の関連か。
ぼくが自転車に乗ろうとすると妻がクルマで職場へ送るという。それを「雨が嫌いじゃないから」と断って自転車にまたがる。
雨の中ひとり行くのが好きである。いまどきの雨は涼しいし靄があたりを狭くして自分自身の空間ができる感じ。町の音や人の声が絶えてひとりの時空が出来する。合羽に当たる雨音のみ聞いていると健やかで豊かな気分になれるのだ。
本も読みたくなく俳句も考えたくなく人と話もしたくないとき、雨の中を一人自転車に乗るのは快適である。
仕事をいい加減に終えて多摩川の胡桃林へ自然に足が向く。落ちている落ちている。胡桃を拾うという単純な目的に突き進むときほかの一切のことから自由になって快適。
胡桃を、拾い集めて野球場のわきの水たまりで洗う。


水たまりが真っ黒になる



きれいになったのをアパートの石の上で割る。
いま落ちている胡桃は熟していない。未熟、半熟である。人間なら流れてしまった水子か。
割っても半分は食えないが半分はなんとか食える。
割って食うのは胡桃の供養である。食えなかったのは畑で腐らせて栄養にしよう。



未熟や腐っている胡桃は畑へ持ってゆく