ミエが混線電話に混乱している頃、チョルはホンギュらと共に歩いていた。
「明日学校でサッカーすんだって?転校して初めてじゃね?」
チョルは、いつの間にかサッカーの話題を口に出していたらしい。
そして夜、自室でもチョルは、サッカーボールをドリブルしていた。
知らぬうちに鼻歌まで口ずさみながら・・。
<意外な>
翌日、三年生の間では放課後のサッカーの話題で持ちきりだった。
「大魔王練習試合出んだって!」「えっマジで?」
「あいつサッカー上手いの?」「あそこ12組出てんじゃん」
「へー突然どうしたんだろ」
とりわけ皆の関心は、”サッカーの試合に初参戦する大魔王”である。
そして、チョルが話題の中心になって面白くないのはこの男。
あるシナリオを練って、ハン・ソンイに声を掛けた。
「おいしかったよ、クッキー」
流すような視線を遣りながら、モ・ジンソプはハン・ソンイにそう声をかけた。
突然喋りかけられたソンイは、驚きのあまり目を丸くする。
「あ・・」「手作りなんだよね?売ってるのみたいだった」
「前廊下で、モ・ジンソプ君行っちゃったから・・」
「今度は直接渡してよ」
「う、うん・・!」
シナリオ通り、とモ・ジンソプは思う。
そして友人に聞いた、ハン・ソンイとキム・チョルの関係について思い出す。
「去年のキム・チョルとハン・ソンイ?
モ・ジンソプは、ソンイにこう話を続けた。
「サッカー見に行くの?」
そしてモ・ジンソプは、甘い声でこう囁いた。
「じゃあもし、キム・チョルのクラスとうちのクラスが対戦することにな
「え・・?」
ハン・ソンイは質問の意図がよく分からず、聞き返す。
「それは・・」
が、そこでモ・ジンソプのシナリオに待ったがかかった。
視線の先に、あのおかっぱ女子がいたからだ!
「あ!ちょっと友達いたから俺先行くね」「う、うん!」
「クッキーごちそうさま!」
そう言い残して去って行くモ・ジンソプ。
ハン・ソンイはその後ろ姿が見えなくなるまで、放心状態でその場に立ち尽くしていた。
「きゃー!わぁっ!ソンイ〜!」「なになに?!どうしよー!」
その幸運に、女子2名は大騒ぎだ。
モ・ジンソプはその歓声を背に、あのおかっぱ女子を追いかける——・・。
第四十二話③でした。
モジンソプ!!そこまでチョルにライバル心が・・
けどソンイちゃんの乙女心を弄ばないで欲しいですね・・
おかっぱ女子と学年一のイケメンのその後はいかに・・!
第四十二話④に続きます
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