昼休みが終わり、チョルは教室へと戻って来た。
[とにかく]
[これでいいだろ?]
チョルは食べ終わったパンの袋を、ミエに見えるように持ち上げてみせた。
ミエはそれを見て目を輝かせる。
おおっ!
食べた〜!食べたね!
嬉しそうに笑うミエの元に、チョルからのメッセージが届く。
もう買ってくんなよ!
めっちゃ甘かった・・と若干グロッキーなチョル。
そして今度はミエがチョルにメッセージを書く。
ぱっ
サッカー頑張って!!
そこにはイラスト入りの、ミエの声援が書いてあった。
明日の放課後、チョルが初参加する二組との練習試合があるのだ。
もうこの辺にして授業聞け
そのメッセージを見て、ミエが「分かった」と頷く。
放課後が楽しみで、ミエは授業中大あくびだ・・。
「ここはアフリカの草原か?あそこに一頭のライオンが・・」
<もしもし?>
授業が全て終わると、チョルはクラスの男子に戦略会議+練習のために駆り出されて行った。
「モ・ジンソプ君のクラスとチェ君のクラスで悩んだんだけどねー」「チェ君は体がデカイからな!」
ミエはチョルにじゃあねと言おうとしたが、挨拶もそこそこに彼は行ってしまった。
ユンヒには「あんた無視されてんじゃん」と言われるが、そんなことはなんでもない。
一人ぼっちだったチョルが、クラスメイトに囲まれているのだから。
[一方ファン・ミエはご機嫌である]
(友達だから)そういうこともあるさ、と言うミエに、少し心配そうに頷くユンヒ。
チョルと友達だという事実は、チョルから口止めされている。
「ただいま・・・って誰もいないか〜」
腰は重いが、中間テストの勉強はマストだ。
ミエはぼんやりとチョルのことを考えながら、一人机に向かう。
[キム・チョルがクラス対抗サッカーに出るとサッカーをする姿も見れるし、堂々と応援できる]
[なら、
そして思い出すのは、先日チョルが友達になることを了承してくれた時のことだ。
「私達、友達になろう!」
「う・・うん・・」
その証拠に、今日は”友達”のプレゼントをしっかり受け取ってくれた。
「ハハッ!あいつめ・・」
そんな折、電話が鳴った。
「おっ」
「もしも・・」
「もーーーっ!借りてた漫画、またお父さんに没収されたーーっ!!」
電話を取るやいなや、ノ・チヘの不満が爆発した。
ミエはソファに座りながら、そんなチヘのグチに付き合う。
「延滞料も払わないくせにムカつく!!」「え?延滞したら余計お金かかるじゃん。利子みたいに」
「模試が終わったと思ったら今度は中間テストだし、もう本当にうんざりだよ。今日サボって遊ばない?」
そして次の瞬間、突如年配の男性の声が響いた。
ミエは驚いて、思わず受話器を耳から離す。
「何?!」
「”はい、僕らは元気でしたよ!もちろんです!
また?と心の中で思うミエ。以前もこうして混線したのだ。
そしてミエはチヘのグチと、知らないおっさんの電話内容を同時に聞くことになった。
「あーもうマジでうざいよね。高校行ったらマシになるのかな?」
「”はい、勿論です!ご助力頂いたおかげで、もう僕一人でも上手くやれそうです。
「それではさような・・・」
ブツッ、という音と共に、知らないおっさんの電話は切れた。
ミエは受話器をじっと見つめながら眉間に皺を寄せる。
「ミエ?どーしたの?」
「この電話・・買ったばっかなのに」「ん?」
チヘにはこちらの混線模様は聞こえなかったらしい。
ミエはため息を吐きながらチヘに言った。
「あ〜私もアパートから引っ越したいよ〜」「私の家においで〜〜」
電気も電話もビデオもテレビも、全てが古めかしくてときめかない。
そんな現状にため息を吐きながら、この後再びミエは机に向かったのだった・・。
第四十二話②でした。
ま・・また出てきた電話の混線!
これ何かの伏線になることは確実だと思うんですが、一体いつ出てくるんだろう〜??
そして前出てきたのも結構前すぎていつだったか忘れてる事実・・
悲しげな女の人の電話でしたっけ・・?ちょっと戻って確認します〜
第四十二話③に続きます
こんな最初からちょいちょい仕込まれるなら確実に今後の重要場面で転機になるような感じでぶっ込まれそうですよね。すごく気になります〜
いやほんと混線がどこに繋がるのか(電話だけに)気になりますよね!
韓国あるあるなんですかねー
日本では昔AMつけたらたまに韓国語が混線することがありましたが・・(今もそう?