<あなたと私のテレパシー>
反省時間が終わり、ミエはヨンヒとソラと共に教室に戻された。
講師は大量のプリントを生徒たちに配ると、早速模擬試験の話を始める。
「模試に備えた過去問を、新たに採用しました。
「では、はじめ!」
それらに真面目に目を通すチョルと、慌てふためくミエ。
そんなミエの様子を見て、ベ・ホンギュがからかってくる。
「どっかで仔犬がキャンキャン鳴いてっぞー」
そしてジョ・ハンは、そんなホンギュのことをじっと見ていた。
何やら思うところがあるようで・・・。
ミエはやる気の出ないまま、机に突っ伏しながら問題を解いていた。
あぁ・・やりたくない・・
前を見ると、男子たちが(主にホンギュとジョハン)が何やら言い争っていた。
しかしミエには、チョルの背中しか目に入らなかった。
そして心の中で、彼に向かってテレパシーを送る。
瞼の裏には、またあの時の光景が蘇る。
「愛する・・」
あんたがそうくるなら私だって当然・・
「美・・」
チョルの声がなぞる自分の名を鼓膜の裏で聞く前に、
ミエのテレパシーは通じた。
ビクッ
チョルは自分の方をじっと見ているミエにビビった。
一体何なんだ、と思いながらも、チョルはミエの方を見続ける。
するとミエは、ニコッと笑った。
予想だにしないリアクションに、チョルもまた不意を突かれた。
ぱくぱくぱくぱく!
ミエは突然、パクパクと口を開いてチョルに何かを伝えようとした。
ぱくぱくぱく!
テレパシーは通じても、ジェスチャーは通じないようだ。
チョルはミエが何を言いたいのかさっぱり分からない。
「あんたが私のこと・・」
ようやくからかえる、とミエが口を開こうとした瞬間、
この男が振り返った。
今度はミエが不意を突かれた。
パク・ジョンウクはにこりと微笑んで、ミエに優しい言葉を掛ける。
「どうしたの?解けない問題ある?」
「え?あ・・」
そうこうしている間に、再びチョルは前を向いてしまった。
簡単そうで実に難しい、”キム・チョルをからかう”ミッション。
ミエはまたしても次の機会を狙って、その時を待っている——・・・。
第六十九話②でした。
ミエのテレパシー通じましたね
そしてジョンウクの、”背中に目がありそう”感がすごいw
第六十九話③に続きます
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