北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

第34回口頭弁論 

2021-09-14 | 活動報告


志賀原発を廃炉に!訴訟の第34回口頭弁論が9月13日、金沢地裁で開かれた。
残念ながら「原子力規制委員会の判断を待つ」という裁判所の方針は今回も変らなかった。

裁判には新たな動きが見えないが、国政は一気に動き出した。
1年前、原発輸出のトップセールスを展開してきた安倍政権を引き継いだ菅首相は、2050年カーボンニュートラルを表明し、脱炭素政策の中で原発の生き残りを図る方針を鮮明にした。安全神話は崩壊し、電力の需給面での必要性もなくなり、安いかといえばそれも言えなくなった原発を維持するには地球温暖化対策にすがるしかなくなったということだ。
現在策定中の第6次エネルギー基本計画ではさっそく「2050カーボンニュートラル」を掲げ、「可能な限り原発依存度を低減する」と言いつつ、わずか6%(2019年度)となった原発の発電比率を20~22%(2030年)へと大幅に引き上げる目標を引き続き掲げた。
多くの人は実現不可能な数字をまたも掲げたと捉えている。
私も実現不可能だと思うし、実現させてはならないと思うが、甘くみてはいけないとも思う。
20~22%という比率を実現するため新規制基準に合格した原発(柏崎7号や東海第二なども含む)はもちろん、現在規制委員会で審査中のもの(志賀2号など)は、建設中も含めすべて合格・稼働させ、さらに未申請のもの(志賀1号など)も大半を稼働させて、高い稼働率を維持して初めて実現される数字である。
そのため、今回の第6次エネルギー基本計画(案)では新たに「再稼働加速タスクフォース」なる組織を電力会社をはじめとした産業界が立ち上げることとし、外部専門家の知見も集約して審査合格に向けて全力をあげることにするという。
原子力ムラを挙げての再稼働狂騒曲が鳴り響く中、規制委員会の審査に影響を与えるものではないと言い訳を言ったところで、規制委員会や規制庁が独立性や中立性を維持できると見る人は少ないだろう。
安倍前首相と違って、原発に対しては一見地味なところがあった菅首相だが、こういう実務的な仕掛けはしっかりやっている。

現在、第6次エネルギー基本計画(案)に対するパブリックコメント募集中であり(10月4日まで)、こんな時代錯誤な取り組みはやめろと声をあげていかなければならない。原発依存では再生可能エネルギーの普及・拡大は遅れ、2050年カーボンニュートラルは到底実現できなくなる。
来たる総選挙でも怒りの声をあげ、政権交代を目指さなければならない。

規制委追随の姿勢を続ける裁判所に対しても、気持ちが折れそうになる原告・サポーターもいるかもしれないが、ここで挫けたら政府や電力会社の思うつぼ。ここが踏ん張りどころだ。

第34回口頭弁論の詳細な報告はこちらから


北國新聞(9月14日)


北陸中日新聞(9月14日)

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