北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

富来川南岸断層は活断層、5キロ圏内にも活断層3本

2021-05-15 | 活動報告
昨日(5月14日)、志賀原発2号機の新規制基準への適合性審査会合が開かれた。
この間続けられてきた敷地内断層の活動性評価は、今後予定される現地調査を踏まえて次の段階の議論となる。
現地調査では敷地内断層だけでなく敷地周辺断層も一緒に見ていきたいという規制委の意向もあり、今回からは敷地周辺の断層についての審査が並行して進められることなった。
志賀原発の周辺の断層のうち、後期更新世以降の活動が否定できないいわゆる「活断層」で、基準地震動の設定に影響を及ぼすものは26本とされている。
今回の会合では志賀原発から5キロ圏内の敷地近傍にある9本の断層のうち、福浦断層、碁盤島沖断層、兜岩沖断層の3本を活断層と判断した考え方やその断層構造の分析について説明があり、さらに5キロ圏外にあるが兜岩沖断層と連続する可能性も指摘されている富来川南岸断層についても、従来の評価を変更し、活断層の可能性否定できずとした調査結果についても合わせて説明がおこなわれた。


(2014年6月1日 原告団断層現地調査で立石雅昭大学名誉教授から富来川南岸断層の説明を受ける)

審査会合では、規制庁審査官らからいずれの活断層についても、その端が本当にその地点で止まり、それ以上先まで伸びていないという調査データを示してほしいという指摘が相次いだ。断層の正確な位置や長さは、志賀原発への揺れの影響を考えるうえでの基本中の基本の資料であり、北電の調査の甘さ、杜撰さがまたもや示された形となった。
そもそも今回対象とされた4本の活断層は、いずれも志賀原発の計画時にはいずれも北電は活断層とは認めていなかったものである。活断層とは認めたけれど、その影響は最小限にしたいという北電の思惑が透けて見えるようだ。

5月14日の2号機審査会合の会議映像、資料等はこちらから
(会議映像の志賀原発の審査は1時間8分後から)


北國新聞(2021.5.15)


北陸中日新聞(2021.5.15)

報道では、志賀原発をめぐる次の焦点は現地調査として、その実施時期に関する前のめりな記事が目立つ。
しかし、志賀原発からわずか1kmほどしか離れていないところを走る福浦断層や志賀原発周辺の地形に影響を及ぼしたのではないかと思われる富来川南岸断層、1892年に相次いでM6.4、M6.3の地震を相次いで起こした碁盤島沖断層と兜岩沖断層、さらには今後審査される能登半島地震の震源域にある笹波沖断層等々、慎重な審査が求められる活断層が目白押しである。
敷地内断層だけを志賀原発の争点とするのはとんでもない勘違いである。



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