羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

大恋愛

2018-10-13 23:05:17 | 日記




 配役がいい。下手するとゲスい雰囲気になりそうな始まりだが、直接的でサバサバした雰囲気でスレンダーな戸田と、ぼんやりとした風貌で喜劇的だが内証的でもあるムロの組み合わせが上手く機能していた。医者と引っ越し屋でファンと作家だが基本の接し方が程好く、しかし死と破綻の予感を背景に疾走してゆく戸田演ずる尚と、不器用ながらも大人として対応しつつすぐにこの恋で物語を書き出す止まった時が動き出した様子のムロ演ずる真司の呼応の仕方が面白い。尚は動き激しいが母親と友達の反応がそれぞれ正しくて人物として安定している。後は機能的な人物として配置された松岡演ずる郁市がどういう対応してゆくか、だな。短期的な物語ではなく10年に渡る物語で郁市が尚主治医になるようだから、郁市と真司の関係もやはり特別なものになりそうだ。理論派だが割り切れない今後の限られた尚との時間の過ごし方はまた真司とは違った形で見応えがありそう。ちょっと人物が少ない気もするが、良作になりそうな滑り出しで、これは楽しみだ。