「槍が鳴ってる、どこだ?!」見回す潮。婢妖が腕に張り付き、運転手が絶叫していた。「うわあぁッ!」駆け寄り、槍で斬り払って運転手を解放する潮。「蒼月潮」「逃がしはせぬぞっ!!」婢妖は運転手不在のままバスを暴走させ始めた! とらがバスの去った跡を嗅いで婢妖に感付いていると流がバイクで追い付いてきた。「何だ? ワシにやられたら、大人しくくたばってな!」槍が解放されてから婢妖達が活発に出現するようになっていたことは流達も知っていた。「立場上、黙ってられねぇな」流はバイクでバスを追って行った。「じゃ、ワシは見物だ」とらも飛んで続いた。
「オメェはもう、我らの腹ん中よッ!」バスをガードレールに擦り付ける婢妖達。乗客は悲鳴を上げた。窓を破って外の様子を見る潮。次々対向車を弾き跳ばす婢妖バス!「やめろッ!」「アハハハっ!!」笑う婢妖。「蒼月!!」流ととらが追い付いてきた。「バイクの兄さん?! とらッ!」「ケッ、さっさと飛び降りちまえば済む話じゃねぇか?」「やだねっ! 大勢の乗客が居るんだ! てめぇだけ助かる何て、死んでもやだね!!」とらに怒鳴り返す潮を、流は黙って見ていた。
「あ~あ、あのバカ! また悪いクセが出やがった」頭を抱えるとら。「おい妖怪!」「あ?」「俺に考えがある。一口乗るか?」流はニヤリとした。潮が身をすくませる乗客に気を取られていると「おい潮!」とらが割った窓に近付いてきた。「ホントは嫌だけど助けてやるっ! 通路の真ん中で待ってろ!」とらが飛び退いてゆくと、潮は笑顔を見せて乗客を通路に誘導した。「とらが来たからさ! どうしようもないヤツだけど、あいつが来てどうにもならなかったこと何て無いんだよ!」外では流が錫杖を二本構え、とらが妖気を溜め出したが、潮は周囲から染み出した婢妖に体を拘束された! バスはトンネルに直進している。
2に続く
「オメェはもう、我らの腹ん中よッ!」バスをガードレールに擦り付ける婢妖達。乗客は悲鳴を上げた。窓を破って外の様子を見る潮。次々対向車を弾き跳ばす婢妖バス!「やめろッ!」「アハハハっ!!」笑う婢妖。「蒼月!!」流ととらが追い付いてきた。「バイクの兄さん?! とらッ!」「ケッ、さっさと飛び降りちまえば済む話じゃねぇか?」「やだねっ! 大勢の乗客が居るんだ! てめぇだけ助かる何て、死んでもやだね!!」とらに怒鳴り返す潮を、流は黙って見ていた。
「あ~あ、あのバカ! また悪いクセが出やがった」頭を抱えるとら。「おい妖怪!」「あ?」「俺に考えがある。一口乗るか?」流はニヤリとした。潮が身をすくませる乗客に気を取られていると「おい潮!」とらが割った窓に近付いてきた。「ホントは嫌だけど助けてやるっ! 通路の真ん中で待ってろ!」とらが飛び退いてゆくと、潮は笑顔を見せて乗客を通路に誘導した。「とらが来たからさ! どうしようもないヤツだけど、あいつが来てどうにもならなかったこと何て無いんだよ!」外では流が錫杖を二本構え、とらが妖気を溜め出したが、潮は周囲から染み出した婢妖に体を拘束された! バスはトンネルに直進している。
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