平成30年 戊戌の暁と初日の出
長崎市民だが、元日を長崎市で迎えたことはない。
ふるさとの実家を留守している所謂『跡取り』の立場で、毎年この実家での振る舞いが欠かせないのだ。
年々、ふるさとの実家に集まる家族は減り、今年は7人と1犬でこれまでの最少人犬数となった。
この参集者も3日には全員がそれぞれの生活の場に帰り、実家は居者のいない場所になった。
この家の主は入院中の母だが、その母も1月12日から他の場所に生活の場を移す。
いよいよ実家は『別荘』状態になる。
そんなふるさとの元旦は美しい暁と初日の出となった。
須川港から臨む有明の海の向こうに昇る初日を無の境地でただ待つ。いい時間だ。
私たち家族にとって、ある意味再出発の年である。
母は『雑煮』の味に頷きながら、『この家に嫁いで来た時を思い出す』と言った。
そして、『嫁入りの気分だわ』とにっこりして続けた。
きっと、新しい生活への不安と期待が交錯しているのだろう。
私も共同生活者も似たような心境である。
戊戌、きっといい年になる。
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