ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

改憲論議の背景は

2017-09-17 14:09:21 | 日記
改憲論議が現実味をおびてきた。そのためか、このことをテーマにする議
論がネット上でも目につくようになった。そこで、この問題がいかなる経
緯をたどって今現在にいたっているのか、私なりに整理してみた。

まずは議論の震源になった石破氏の発言から。この問題発言に関する記事
を紹介する。次に、石破氏の発言の根底にあると思われる、日米間の意見
交換の流れを、私の理解に基づいて記す。思いつくままに書きとめたの
で、思わぬ間違いや、もっと根本的な思い違いがあるかも知れない。ご意
見があれば、その旨、忌憚なくコメントをお寄せいただければ幸いであ
る。

自民党の石破茂元幹事長は22日、憲法9条をテーマに国会内で講演し、
「自衛隊とは何か。軍隊なのか軍隊でないのか、結論を出さなければな
らない」と訴えた。(中略)石破氏は、2012年の党改憲草案や軍隊
の性質について説明。「(軍の)本質は国の独立を守ること。その機能
は対外的に及ぶ。『交戦権を有する』と明らかにしないで意味があるの
か」と強調。自衛隊を明記する際には、戦力不保持と交戦権の否認を定
めた9条2項との矛盾を解消すべきだとの持論を展開した。
                    (毎日新聞 6月22日)

以下は、私の走り書きである。

出発点は、日本の敗戦である。
「ジャップは危険だ。今後は日本に軍隊を持たせてはならない」
「だったら、『日本は軍隊を持たない』と明記した新憲法を、ジャップに
作らせれば良い」
(以上は、戦勝国アメリカが敗戦国日本を占領するにあたって、GHQ内部
で交わされたーーと想定されるーー会話)

(以下は、その後、ソ連が勢力を拡大する中で反共国家アメリカの政権が
いだくようになった考えである)
「日本には、防共の砦になってもらわなければならない。そのためには、
日本にも軍隊が必要だ。やはり軍隊を持たせることにしよう」
(以下は、アメリカがこの趣旨を日本側に伝えたときの、当時の首相・吉
田茂の返答)
「日本は軍隊を持たない、と憲法に書いているので、軍隊は作れませんな」
(ふふふ、軍備にかける金なんて、今の日本にはないもんね。そんなこと
より、今の日本に大事なのは、経済の復興だもんね)

「だったら、実態は軍隊でも、名目上は別にして、「警察予備隊」とか
「自衛隊」とか、なにか別の呼び名を付ければ良いではないか」
                    (アメリカ側の反論)

「でも、自衛隊でも警察予備隊でも、軍隊ではないとしたままでは、アメ
リカさん、そういう軍事組織はソ連の攻撃から貴国を防衛する作戦には加
われませんよ。『自衛隊は実態としては軍隊だから、こういう組織を持つ
ことは違憲であり、許されない』という意見すらあるのですからね」
                       (日本側の反論)

「そんなアカのいちゃもんを真に受けてはいけません。だったら、日本が
軍隊を持てるように、憲法を書き変えればいいのです。簡単なことだ」
                     (アメリカ側の見解)

「勝手だなあ、アメリカさん、いいですか、この憲法は、あなた達が草案
を作って、我々に押しつけたものなのですよ」(日本側の反応)

「その通りです。それは分かっています。だからこそ、今度はあなた方日
本人が、自分たちの手で自国の憲法を作って、軍隊を持てるようにすべき
なのです。かつて首相だったノブスケ・キシは我々にずいぶん協力的だっ
た。その孫のシンゾー・アベも協力的だから、アベが首相でいる間に、憲
法を修正すべきです。アベも、そう言っているではないですか。日本が我
々を護ろうとしないのだったら、我々だって日本を護りませんよ。それで
も良いのですか」
(アメリカ側のーー想定されたーー見解。こうして、現在にいたってい
る。石破氏の発言は、こういう意見交換の流れを意識したものだと思うん
だけどなあ)
コメント
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