ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

民希 合流話の裏事情

2017-09-28 14:16:53 | 日記
民進党の前原代表が、小池都知事ひきいる「希望の党」と合流する方針を
打ち出した。なんとまあ、とてつもない奇策を思いついたものだ。そう呆
れかえったのは、私だけではないだろう。

なんといっても、水と油をかき混ぜるような話である。共産党との共闘ど
ころの話ではない。この党は壊れた時計の振り子のように、左から右へと
大きく激しく揺れ動いている。リーダーになって間もない前原氏は、生き
残りをめざした悪あがきの果てに、とうとう盲目になってしまったのだろ
うか。それとも、選挙に生き残るため、民進党を離党して「希望の党」に
希望を託さざるを得ない、あの選挙難民のセンセイたちのように、「見て
見ぬふり」を決め込んだのだろうか。

前原氏の合流構想が抱えこむアポリアを、冷静に見通している議員もいな
いわけではない。民進党の有田芳生・参院議員は、民進党が「希望の党」
に合流するとする前原構想を、「“悪魔”との握手だ」と批判している。前
原代表をファウストになぞらえたようにも取れるが、その論拠は明快であ
る。

有田氏の批判は、安保法案、共謀罪法案の採決で賛成票を投じた中山恭子、
福田峰之、松沢成文氏らが「希望の党」の立ち上げにメインメンバーとし
て絡んでいる点を問題視する観点からなされている。安保法案にしても、
共謀罪法案にしても、その強行採決に当たって、民進党はじめ大半の野党
が激しい反対運動を繰りひろげたことは、まだ記憶に新しい。両法案に賛
成票を投じた面々がメインでからむ政党に、新進党が合流・合体するなど
もっての外、「“悪魔”との握手」とは言わないまでも、とうてい見過ごす
ことのできぬ禁じ手であることは間違いない。アンタたち、政治家として
の節操を忘れたのか、と言いたくなる。

合流話がトントン拍子で進んだのは、「希望の党」の側にも、新進党との
合流を受け入れることに、それなりのメリットがあるからである。一つは、
それが極右色を隠すカモフラージュとして役立つこと、もう一つは、それ
が政治資金を獲得する手立てになることである。きょうの朝日新聞に、こ
んな記事がのっていた。

25日に設立されたばかりの新党にとって、全国展開のために不足してい
るのは地域に地盤を持つ人材と資金。民進には「100億円」(民進関係
者)ともいわれる資金がある。すでに、落選して政界から離れていた近畿
地方の元民主党衆院議員にも、新党側から「調査票を送って、600万円
を振り込んでほしい。自動的に公認する」と立候補の打診があったとい
う。                   (朝日新聞 9月28日)

合流話は頭数と資金集めが目的だということを、民進党のセンセイたちは
よく知っている。だから選挙が終わり、首班指名の投票が終われば、自分
たちはお役御免でお払い箱になるのではないか、と恐れをいだいている。
「憲法改正、安保法、共謀罪法賛成、これがわが党の党是です。賛成でき
ないなら、除名します。」
いつ、そう言われるのではないかと、ビクビクしている。

要するに、「希望の党」は安倍自民党となんら変わるところがない。「原
発ゼロ」や「消費増税ストップ」なんて、できもしないし、やる気もな
い。ただ「権力への意志」に駆られて、権力の座につきたいと思っている
だけ。ーーそんなこと、有権者は見抜けないとでも思っているのだろうか。
「国民ファースト」の「国民」も、ナメられたものだ。
コメント
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