畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載201「友との突然の別れ」(その3終わり)

2019-06-30 05:44:16 | 暮らし

      友との突然の別れ(その3終わり)

 お葬式の案内とともに、弔辞の依頼も入っていた。

20歳の若造に弔辞、しかも親友の弔辞は辛かったし、何を述べて良いかもわからない。


 通夜にも招かれ、葬式の前日にその家に、重い気持ちでたどり着いた。

玄関を開けると賑やかな笑い声さえ聞こえ、少し気が楽になり声をかけた。

家に招き入れられると母上は「〇〇ちゃん」と一声上げられ、私にしがみついて泣かれた。

皆がつられて泣き出してしまった。私を見たならば当人を思い出さないわけは有りません。


 その夜は母上と二人で、彼のお骨の前で寝ることになり眠れない夜を過ごした。

葬式当日の事はあまり覚えていない。そして、弔辞の内容も。

早いものでもう50年もの歳月が流れてしまい、当時の彼のご両親の当時の年齢も大きく越えてしまった。

         (終わり)

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雨が降り出す前に種を蒔こう

2019-06-30 05:02:32 | 

 梅雨入り後初の梅雨らしい梅雨で雨が続く。

昨夜来雨は止んで、土が少し乾き種蒔きの絶好のチャンス。

 しかも、正午頃から再び強い雨になるという予報で朝食後すぐに山の畑に。

ネギの隣に3本の平畝の原型は作成済み。おや、タヌキがチェックしているぞ。


 畝を作ってから時間が経過し雨で表面の土が固まっている。

レーキで掻き均した後は板切れを使って平らに仕上げます。

 

 ここからがスベルべの仕事の真骨頂。

水糸をピンと張り、手製の定規棒で線を引く。ピンの間隔は15センチです。

 

 こんな風に4本の筋が平畝の上に完成。

この筋に種を1センチ間隔ほどで種を蒔き、発芽後は15センチ間隔ほどまで間引く。

 

 五寸系のニンジンは色々試してみたけれど、この「紅かおり」が気に入り最近は赤はこれ一種類。

この種袋の中は細かい裸の種子が4.5ミリリットル入っています。

 本格的に雪の下ニンジンとして育てる友人はペレット種子を種蒔き器で蒔き、一日で一反歩も蒔くとか。

スベルべの手作り農業は膝と腰の痛みに耐えながら、苦行僧の如く指先で一心不乱に蒔くのです。

         (続く)

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連載201「友との突然の別れ」(その2)

2019-06-29 13:25:41 | 暮らし

       友との突然の別れ(その2)

 彼は中学校を卒業すると、川崎市の自動車修理工場に就職。

厳父の整備士資格を取るまでは帰って来るなと言う言葉を守り、あまり学業が得意では無かったと言うのに、

自宅に帰りたい一心からか、二種類の整備士資格を取って、帰宅を果たしたばかりだった。


 帰宅して、再就職をしたのだが、その会社には偶然にも私の高校の仲の良い友人も勤めていた。

会社で二人とも喜び合い、長岡祭りには私を入れて三人で飲もうと言う約束が出来た。


 そんなときに突然起きた出来事だった。

連絡が有ったその日のうちに、我が家とその家との中間あたりの信濃川河畔で彼のオートバイが発見されて、

事故は確実となった。


 両親の「お前が行くと、あの子を思い出すから、行くな」と言われ、晴れぬ気持ちを持ち続けていた。

3日、いや4日後だったかかれは下流の越路橋辺りで見つかった。

彼を見つけたのは一緒に飲む約束をしていた友達だった。

        (続く)

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雨降り前の一仕事でポロネギを植える

2019-06-29 04:19:37 | 野菜

 晴れた日が続いたし、翌日からは雨の天気予報。

ここが、チャンスとばかりに玉ネギを収穫しました。

 

 紫玉ネギは少しだったけれども普通の玉ネギはコンテナに6箱分。

食べると、不思議に思うほど甘い。「何か調味料でも入れた?」なんて会話がキッチンから聞こえてきたほどです。

 生でスライスして食べても甘くて美味しいし、火を加えると会話のように砂糖でも入れたのかと思うほど甘い。

でも、スベルべママは吊るして乾燥したいなんて言うけれど、無理。例年通り葉茎を切り落としコンテナで乾燥する。

 

 さて、玉ネギの収穫を急いで終わらせて次は「ポロネギ」の苗を採る。

ご存知のように「リーキ」「ポワロ」「西洋ネギ」などとも呼ばれていますね。

 

 植える間隔は12センチと言う事で、萱を折って定規棒を作って植える。

すべての間隔を計るというのではなくて、時々チェックのために使うのですよ。

 

 一本ネギと同じ方法で、根元に乾燥防止用に藁を敷き詰め、鶏糞とボカシ肥「笑愛」を入れて埋め戻す。

葉が長くて、植えている最中にクタッと寝てしまう。けれど、翌日からは雨の予報だから大丈夫でしょう。

 初めて付き合いのある八百屋さんの若者に聞いたら「市場では1本1,000円のことも有ります」なんて言う。

付き合いのあるレストランに、安価でお譲りしたら「えっ、良いんですか?」なんて言われたっけ。

 このポロネギは4畝で合計300本ほど植えました。

丁寧に追肥土寄せなどの管理をしたら、直径が3~4センチの太いポロネギが出来上がることでしょう。

 

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連載201「友との突然の別れ」(その1)

2019-06-28 07:14:54 | 暮らし

      友との突然の別れ(その1)

 

 梅雨上がりの暑い夏が始まり、長岡まつりも10日後ほどに迫っていた。

そんなある夏の日の朝早く、電話が鳴り母が出た。家族ぐるみでのお付き合いが有った、長岡の友達の母からだった。


 「家の子は泊まらせてもらっていましたか」と言う問い合わせ。

母の「昨日は家には来ませんでした」と言う返事に、友人家族はかすかな望みを絶たれたのだったと思う。


 釣りに行くと、オートバイで出かけたけれども、帰宅しないと言うのです。

それから、大掛かりな捜索が始まった。

その春には一緒に岩魚釣りに出かけたことも有り、釣りは共通の趣味でも一緒だったのだ。


 彼の父上は国鉄職員で、北堀之内に勤務していた際に、大規模な土砂崩れが鉄道官舎に迫り、

移転がやむなくなって新たな官舎が出来るまでの間、村の家々や、共同作業所に分宿したのだった。

その際にその友人家族が親子4人で我が家に下宿。3か月ほどの共同生活をしたのでした。

二人で裸になってレスリングをする姿を見て母上は「お前たちは犬か猫の兄弟と同じ」と、

目を細めて眺めていてくれていたものだった。

          (続く)

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