日々是好日 in Canada

写真と日記で綴る、日々のこと。

フランス語の先生

2006-09-26 | すてきな人々
アウトドア結婚式でこの前この日記に登場したトムとエリースには、1歳半の可愛い娘さんがいます。ぬけるような青空をバックに笑顔が眩しいこちらのマドモアゼルがソフィーちゃん。

好きな食べ物はエビ、アボカド、ひよこ豆。嫌いな食べ物はその日の気分によってかわります。趣味は(他人の)カバンの中から目新しいものをみつけること。乳母車に乗ってお散歩中、すれ違う車からヒップホップの音楽が聞こえてくるだけで自然に体を上下に動かしてしまうほどのダンス好き。英語とフランス語とリトアニア語を操る(予定の)才女ですけど、彼女しかわからない難解な単語もいくつかあったりして。

そんなソフィーちゃんは、私たちのアパートから歩いて15分程のところに住んでいるということもあり、現在わたしのフランス語の先生!ついでにと言っちゃぁなんですけれども、お返しに私が一日に4~5時間程ベビーシッター係を務めております。


絵本作家のお母さんが仕事に復帰できるようにということで、ありがたい事にベビーシッターの経験も何もない私にこの仕事のお誘いが来たときには、正直に言うとちょっと悩みました。「人の子供を預かる」ということは命を預かるということですから。
でも、やり始めてほぼ3週間が経ちましたけれど、ソフィーのおかげで楽しい毎日を過ごしています。もちろん、慌てることもまだまだたくさん。
わたくし、30歳過ぎて初めて「おしめを替える」という経験をいたしました。最初はもたついてしまって、暴れるソフィーに顎を蹴られながらでしたけれど(笑)、ソフィーがご機嫌なうちにパパッとすばやくおしめを替えることができたときの達成感ときたら!

冬が来る前までのベビーシッターのお仕事、これからも毎日が楽しみです。

モントリオール植物園

2006-09-25 | モントリオールの風景
モントリオールのアパートから歩いて15分くらいのところにモントリオール植物園があります。久しぶりのゆっくりできる週末、しとしと小雨が降っていたけれど夫とふたりで植物園に行ってきました。
植物園はなかなか評判が高く、ロンドン、ベルリンに次いで世界で3番目に大きいというだけあって、一日ではすべて見きれないほど。幸いにもアパートが近かったので、お昼ごはんと夕飯の2回アパートに帰り、丸一日植物園を楽しみました。
屋外庭園にはハーブ庭園や世界の高山植物庭園、そして日本庭園などさまざま。すぐ隣りには大通りがあって車の行き交いも激しいのに、フェンス沿いに植えられた林が見事に植物園内の静かな空気を守っていました。

この写真は中国庭園で毎年この時期行われている「マジック・オブ・ランタン」。雨で濡れた木々の葉や地面がきらきらと光って、ますます幻想的なランタンたちが、この池以外にもあちらこちらに。ニ胡の生演奏もあり、中国の煌びやかな芸術を愉しんだ秋の日でした。

山の結婚式 宴会編

2006-09-19 | すてきな人々
この前日記に書いた結婚式の続きを、いいかげんに書いておかないと!

トレイルの先の緑に囲まれた長閑な丘の上、友人たちの温かいスピーチや二人のお互い宛ての手紙などなど微笑ましく幸せいっぱいの結婚式に見惚れていたら・・・・・オデコを蚊にさされてしまったわたし。

不覚でした。
もう9月とはいえ、まだまだ山には虫がいる季節。朝のバタバタですっかり虫除けスプレーなんて忘れていました。
よりにもよって一番目立つところを刺すなんて、蚊のヤツめ。しかも、子供の頃から蚊に刺されるとぷっくり腫れる体質。鏡で確認なんてしなくても、手のひらでそっと触るたびに、さっきよりも腫れている気がする・・・。式が終わって下山する途中「ねぇねぇ、これ、めだつ?」と聞く私に「・・・・・うん。」としか答えようのない夫。

でも、キャビンの庭でパーティーだったので、自分の顔を見るのはキャビンのトイレに行ったときのみ。自分で見えないせいか「ま、いっか♪」と開き直るのにもそんなに時間はかかりませんでした。


椅子の形も種類もバラバラ、ちょっと傾いたテーブルなんていうのもご愛嬌。そしてディナーはなんと、新郎のお母さんの手作り!真ん中のテーブルに大皿や鍋を並べたビュッフェ形式でしたが、あまりの美味しさに私も2回ほどおかわり。心のこもった手料理に、「ご馳走」ってこういうもののことを言うんだろうなぁとふと思いました。

楽しいことが大好きな新郎新婦、食事の間にも世界各地の風習を取り入れていました。
こちらは確か、イタリアから。新郎の大切なネクタイを切って、その布切れをゲストみんなに配る「幸せのおすそわけ」。日本の引出物よりも安上がりでいいですよね!



ヨーロッパの何処かの風習では、女性がみんなで輪になって踊り、その中で新婦のお母さんが頭にお皿をのせて踊って、お皿が割れたらその割れた枚数分だけ子供が生まれる、というものがありました。早速やってみよう!という時になって新婦のお母さんが庭をうろうろ・・・。やっと戻ってきたお母さんは、不思議そうな顔をして見つめるみんなの視線をよそに、地面に大きな石を置きました。なんとお母さん、音楽にあわせて踊りながらも、その石めがけでうまく頭からお皿をすべり落としちゃいました。見事に8枚に割れたお皿をみて、「孫がたくさんできるわっ♪」とご満悦。

その他にも、ゲームをしたり踊ったり。



宴会は夜まで続きました。(外で。)
もちろん次の日みてみたら、腕から足、なぜかお腹まで虫刺されだらけでしたけれども。ま、楽しかったからよしとしましょ。

海の向こうの現実

2006-09-18 | 日記-モントリオール
9月17日の日曜日、モントリオールのコンコルディア大学近くで開催された「Global Day for Darfur Rally」に行ってきました。四つの大学が犇めき合うモントリオールならではなのか、イベントの主催も進行もすべて大学生。そしてもちろん、スピーチは全て英語とフランス語の両方で行われました。

このラリーはモントリオールだけではなく、バンクーバーやトロント、またニューヨークや香港など世界各地で同時に開催。
スーダンの“Darfur (ダルフール)”で、虐殺や略奪という目を背けたくなるような悲劇が起きているという現実に、少しでも多くの世界の目を集めよう、という最初の試みです。

夫に誘われるままに日曜の午後、恥ずかしながら「ダルフールって確かアフリカの何処か?紛争が起きているところ?」というくらいの知識しか持たずにラリーに参加したわたし。こういう機会を与えてくれた夫に感謝しています。


「虐殺」や「殺戮」という言葉を耳にするとき、本や映画の中の世界のような、どこか現実とはかけ離れた感覚を一瞬抱いてしまうのは、私が平和な日本で育ったからでしょうか。それとも、そういった想像もできない悲劇が現実に起こるはずがない・起きてほしくないと、脳が咄嗟に判断するからでしょうか。
今このときこの瞬間にも、暴力をふるわれ、略奪され、強姦され、虐殺され、飢えで死んでゆく数十万人、数百万人の人たち。そして難民キャンプでは飢えと蔓延する疫病に苦しむ人たち。その人たちは皆、私たちと同じ時代に今生きている人たちであって場所が違うだけなのだと思うと、その悲惨さはじわじわと現実となって伝わってきて、とても胸が痛みます。

途轍も無く深い問題を前に、自分には何もできないというしおれた気持ちになってしまうこともあるけれど。
主催した大学生たちが何度も話していたことは、「知ることが第一歩」ということ。
虐殺を行っているスーダン政府は国際世論の動向を探ってはいるものの、国際社会の関心がイラク等に向いている今、この虐殺問題はなおも続いています。
世界中のひとりでも多くの人にこの事実を知ってもらい、国際社会の目をスーダンに集めて国際世論の波をスーダンに寄せるということが虐殺を止めさせる方法に繋がる、というのがこのラリーの目的なのでした。

私にまずできることは「知ること」。そう考えることができたのも、このラリーのおかげです。


<参考>
■ Global Day for Darfur(英語)
■ 国境なき医師団日本 スペシャルリポート・ダルフール緊急事態
■ ウィキペディア ダルフール紛争


結婚式のカタチ

2006-09-13 | すてきな人々
10日も前のことになってしまいましたが、9月最初の週末に友達の結婚式に出席してきました。
以前の日記(「引越しと結婚式」)でも書きましたが、引越しの次の日にモントリオール郊外で結婚式、しかも夫がベストマンを務めるということで、ふたりとも心の準備をきちんとしていたつもりだったんですけれども。当日の朝、ダンボールの角につま先をぶつけて涙目になったりしながら「アイロンがない!」「日焼け止めどこに入れた!?」「寝袋を圧縮ケースにいれなきゃ!」と大騒ぎ・・・。

準備だけで疲れ果ててしまいそうでしたけれども、モントリオール郊外の自然いっぱいの中での結婚式はとても爽やかで楽しく、温かいホームパーティーのような陽気さと美味しい手料理は、引越しの疲れをあっという間に癒してくれました。

上の写真のように、山小屋から結婚セレモニーの場所までのトレイルは綺麗な花びらが。式参列者の私たちまでもが、なんだかとっても幸せ気分。
緑に囲まれたトレイルを暫く歩くと、木々の背丈が低くなって視界がひらけた斜面の岩場に、小さな野花が咲いている素敵な場所が。先にゆっくりと時間をかけて登っていたご年配の方々が、椅子代わりに丁度良い岩に腰掛けて待っていました。

斜面にみんな思い思いに腰掛けて、鳥やリスの声を聞きながら青空の下、友人の司会ではじまった結婚式。



ケベックらしく、ヴァイオリンとアコーディオンの懐かしさ溢れる音楽も。



宗教にこだわりたくないという二人らしく、宗教的な儀式は全くナシなのかな?と思いきや。
逆に色々な国の風習や慣わしを調べて、ふたりが気に入ったものを選んで式に取り入れるという、まさしく彼ららしい結婚式!

こちらはアフリカの国から。不浄を取り除いてから、ふたりの生活を始めると言う意味で、ふたり手を繋いで「せーの!」でホウキの上をジャンプする新郎新婦。



この他にも、北欧からは「ふたりで木を植えて、ケーキカットのように一緒にジョウロを持って水をあげる」というものがあったり。

ふたりがお互い宛ての手紙を読み上げた時には思わず涙ぐむ花嫁さんでしたけれども、それ以外はずーっと笑顔の絶えない楽しい結婚式。

トレイルのてっぺんでの結婚式と聞いた時には、斬新なアイデアの結婚式だなぁと思いましたけれど。
カタチにこだわらずに二人らしく、大好きな自然と家族と友人に囲まれて結婚の契りをかわす姿は、逆に「結婚」の本当の意味を一番シンプルに表しているのではないかと思われるほど。楽しさの中にも感動がある、素敵な結婚式でした。

披露宴については、また今度書こうと思います。

癒しのキムチ

2006-09-07 | すてきな人々
9月1日に引越しをして、はや1週間が経とうとしているというのに。
まだケベックシティの写真ですか!

・・・と、言われそうですけれども
ケベックシティが恋しいので・・と美しい言い訳をしたいところですが、今までアパートのお掃除と荷解きにおわれてモントリオールの写真をまだ1枚も撮っていないのでした。
ケベックシティにはもう2代目(何の?笑)がいるようですので(こちらを参照)早いうちにモントリオールの日記を始めようと思います。・・・次回から。


さてさて、引越し当日。お天気にも恵まれて引越し日和の青空の下、嬉しいことに友人たちが引越しのお手伝いに来てくれました。



↑ドーナツで腹ごしらえ中のマブダチその1&その2
なんと頼もしい!!

引越しの数日前からわざわざ会いに来てくれた人たち、メールをくれた人たち、手伝いに来たんだか昼寝しにきたんだかわからないけども会いに来てくれた人たち、荷造りに飽きた疲れた私に付き合って何度もコーヒー休憩を一緒にしてくれた人たち、そして当日に集まってくれた友人たち、皆々様に心から感謝の気持ちでいっぱいです。

みんなとお別れした時も、トラックのバックミラーから見えるケベックシティにさよならした時も、意外と寂しく感じなかったのは、これが最後ではないことを心のどこかで知っていたからなのかもしれません。


この引越しの期間中、驚いた事は。
私の体が日本の味なしでは4,5日ともたないということ。
実は荷造りも終盤に差し掛かった頃、冷蔵庫の中の食料や缶入りの保存食などを処理するために、普段はあまり食べないパスタやラザニアなど、クリーム系やトマトソース系のとっても欧米の味のものばかりを食べていました。私は大抵胃が満たされれば何でも満足なタイプなので、あまり気にしていなかったんですけれども。
引越し当日も調理が簡単なチーズ味のマカロニを食べて、その次の日は友人の結婚式にてパンやお肉をたらふくと甘~いケーキを3種類!

日曜にアパートへ帰ってきたときには、頭で考えるよりも先に冷蔵庫を開けて、引越し前にケベックの友人たちと一緒に作った手作りキムチのタッパを小脇に抱え、スプーンでがつがつキムチをむさぼる私。(唖然とする夫。)キムチでちょっと落ち着いた後は味噌汁を作って、ダンボールの上に座って夫とふたりで堪能。
食べた後に、心からほ・・・っとしている自分がいました。
キムチなので「アジアの味」と言った方がいいのかもしれませんね。子供の頃から親しみ慣れた味に飢えていたのだなぁ・・・としみじみ思いました。

味噌汁ならまだしも、キムチをむさぼるように食べたのは初めてです。手作りの美味しいキムチ、それにみんなでわいわい楽しく作った思い出一杯のキムチ、というのもあったとは思いますけれども、今考えるとあぁもったいない・・・と思わずにはおれません。豚キムチにしたり、寒くなってきたしキムチ鍋とかキムチ味噌汁なんかもいーなー♪と思っていたのに。
あっという間になくなっちゃいました。(T-T)