日々是好日 in Canada

写真と日記で綴る、日々のこと。

今日読んだ素敵なもの

2010-09-23 | すてきな人々
アムステルダムにて、4月のちょっと肌寒い朝に。



何年か前から、ブログを通じてお友だちになった方で、Mihoさんという方がいらっしゃいます。確か、ケベックシティにまだ住んでいた頃ではなかったかな?Mihoさんもブログで日記を書いていらっしゃるんですけれども、日常の中での思いや、本や映画について、山登りについて、仕事について、夫婦について・・・いろんなことでたくさん共感するところがあり、また彼女の旅行記がとても楽しく&写真が美しく、いつも更新を楽しみに読ませてもらっているブログです。

前置きが長くなりましたが。

いつものことながら、今日読んだ彼女の『60歳からの醍醐味』という日記は、読みながら、うんうん、と共感し、またとっても心が温まりました。
私も、この日記に登場するタクシーの運転手さんに、激しく感動。

日記を読みながら、あぁ私の周りにも、素敵な40代、50代、60代、70代、80代、そして90代の方々がいるなぁ・・・と改めて思い出しました。

と、いうことで、勝手にこちらでも紹介させていただいちゃいました!
皆さんぜひぜひ読んでみてください。






夢を追う人-ガールズ編

2009-06-29 | すてきな人々
今回は、この前のお茶ビールの日記に登場した、クレアのお話です。久しぶりに会った彼女の生き方に元気をもらったので、皆さんにもその元気をおすそわけ。

ケベックシティの頃の日記を読んでいない方はあまりご存知ないと思うので少しだけ説明を。
モントリオールからケベックシティに引っ越してすぐ、夫の友人の奥さんとして家に遊びにきたクレア。日本のそれも岩手で昔英語を教えていたということでローカル話で一気に仲良くなり、それ以来、ケベックでの大切な友達のひとりでした。イギリス人であるクレアも私と同じ移民としてカナダで暮しているということもあって、歩いて5分のお互いのアパートを行ったり来たりしながら様々なことをお喋りしたり、4人ともアウトドア好きだったので、車を借りてよくキャンプにも行ったりしました。
でも私たちがモントリオールに引っ越してきてからは、それぞれが忙しい毎日に追われ、車で2時間半くらいの距離が、とっても遠くなってしまったのでした。

そんな彼女が今回、モントリオールにある大学の夏季コースを受講するために2ヶ月弱滞在するということで、再会が実現!となったのでした。

イギリス生まれのクレアですが、オーストラリアで大学に通い、日本で英語を教え、アジア各国を旅行し、そしてパートナーのギルと出会ってからは2人でペルーで英語を教えて、その後ギルの母国・カナダに移民してケベックシティに住むという、なんともワールドワイドな人生を送っています。うちの旦那さんも世界各国訪れていることもあって、いつもビールを飲みながら4人で世界中の話で盛り上がったものでした。その時クレアが、お酒でほんのり紅潮した顔で目をきらきらさせながら言っていたのは、「次なる土地は、アフリカ!

アフリカで何するの!?と吃驚する3人にちょっと照れながら、「いや、それはまだわかんないけど・・・でも、ヨーロッパもアジアも南北アメリカ大陸も行ったから、まだ見ていないアフリカに行ってみたい」
そうやって色々なことを語り合い笑いあった夜を何度も過ごしてから、3年ほどが経ちました。
あれから、クレアはどんどん昇進していた仕事もきっぱりと辞め、ケベックシティにある大学に通い始めて国際協力関係を勉強し、アフリカでの国連の活動についても勉強し始め、その一環として今回モントリオールの大学にきた、という話を本人から聞いたときには、本当に吃驚しました。

きっと誰でも、始まりはそんなものなのでしょうね。最初から大きな野望があるわけでもなく、使命に燃えて決意するわけでもなく、きっと始まりは、小さなきっかけ、小さな興味、好奇心。でもクレアのように、心の中にある小さな炎を、こうしてずっと消えないように温め続けることって、なかなかできることではないよな、と思うのです。
「行ってみたい」から始まった彼女のあやふやな炎は今、国連かNGOで仕事を見つけて、アフリカの人たちの役に立ちたい、という目的を持って確実に燃え続けています。

モントリオールのカフェで会ったとき、国連の人の講演を聴いてきたばかりのクレアはちょっと興奮気味で、「とっても素晴らしい講演だった!いつか、私はあの人のかわりに、あそこに立って講演する!」ときっぱり断言!
謙遜文化の日本人である私にとっては、どうしてもその自信たっぷりな断言に一瞬戸惑ってしまいましたけれども。(笑
あぁ、まっすぐな瞳の夢追い人は、周りが何と言おうと関係なく美しい、と感動すらしてしまいました。


余談ですが、「ところでギルはどうするの?一緒にアフリカ行くの?」と聞いてみたところ、「もちろん!彼はきっと、どこでも生きていける!とりあえずのところは、私が稼ぐから、その間に好きなことをみつけてもらう」んですって。(笑
・・・夢追い人ボーイズ編のブレナンのみならず、パートナーはどうやらちょっと大変らしいです。

お茶屋さん

2008-04-20 | すてきな人々
モントリオールにもとうとう春到来!
ここ数日はずっと20度以上が続いていて、外出するのが楽しくってしょうがない。たとえ行き先が勤務先でもね。(笑
日陰にはまだ、忘れ去られた雪のかたまりがひっそりと残っていたりしますけれども、陽射しはとっても暖かくて気持ちよく、街を歩く人々は半袖にサングラス。待ってました!とばかりに道端の芝生も公園も色づいてきました。

でも、上の写真ほどまだ青くはないんですけど
この写真は初秋の頃の写真です。今回はこの、ヒゲの似合う男性ヒューゴさんのお話を少し。彼と初めて会ったのは、友人の結婚式でした。この日記にも書いたので覚えている人もいるかもしれませんが、山で結婚式を挙げた友人です。
夏の終わりの、暑くもなく寒くもなく心地よい晴れた日に、外に並べたテーブルを囲んで各々話に花を咲かせている間、隅っこのほうで太陽の下、穏やかにお茶を淹れる男性がひとり。しかも鉄器!
お茶の淹れ方がとっても優雅だったので見惚れていたら、「どうぞ。」と差し出してくれました。そしたらなんと、とーっても美味しい緑茶!日本にいるみたいな気になってしまうほど、懐かしくて美味しい緑茶でした。

彼の淹れるお茶が美味しい理由はちゃーんとありました。彼は数年前から、モントリオールでお茶屋さんをやっているのです。
最近の北米でのお茶ブームは今までも何度か触れたことがありましたけれども、カフェの溢れるモントリオールでも、ティーサロンは少しずつ着実に増えてきており、健康にいい!と日本の緑茶は根強い人気。そんな中でも彼のお店が注目され、人気がでて、ケベックシティにもジャンタロン市場近くにも店舗を増やすまでになったのは、お茶に対する彼のこだわりからくる、お茶の質の良さです。
お店を開くときから、インドや中国、台湾、そして日本へと実際に自分がその土地へ行き、自分の足でお茶農園を訪問して歩き、お茶を試飲してお茶作りに励む人々と話をし、そうして集めたお茶を輸入してお店で売っているのです。その分お値段も張りますが、でもやっぱり、飲むと納得の美味しさ!


彼のお店のことをいつか日記に書こう・・と最初に思ったのは、実は彼に出会う前、ケベックシティに住んでいた時に新店舗がオープンしたときでした。そして友人の結婚式で初めてお会いしたときにもまた、日記に書こう!と思っていたのに。
今回やっと書くことができたのは、先日地元紙の新聞で、彼の写真を偶然発見したから!記事を読んでまっさきに思い出したのは、あの、太陽の下でお茶を淹れる彼の姿でした。そして、結婚式の宴のあとは親しい友人たちのみで山のコテージに泊まった次の日の朝、みんな二日酔いでうだうだと起きてくると、柔らかい朝日が差し込むキッチンで、湯気に包まれながら、幸せそうにお茶を淹れるヒューゴさん。静かにみんなにお茶をさしだし、「おいしい!」の一言を聞くたびに優しい笑顔で満足するヒューゴさんの姿。

今年は一児のパパとなり、ますますはりきって今年もアジア各国をまわり、お茶を買い付けてくるそうです。人気のお茶屋さんということでフランチャイズにしないかなどと大企業から話が何度かきているそうですが、一切断り、自分のスタイルを貫いて、本当に美味しいお茶を提供できるお店を続けていきたいというヒューゴさんだからこそ、こうして人気があるのでしょうね。
お茶に対しても、お客さんに対しても、そして自分自身に対しても誠実であり続けることって、いろいろな意味できっと難しいことがたくさんあるでしょうけれども、あの朝の幸せそうにお茶を淹れる彼の姿を思うと、きっと彼のお店はこれからも変わらないんだろうな・・・という安心感に包まれるのです。


■Tea House Camellia Sinensis
  https://camellia-sinensis.com/tea/
  店舗の住所なども、こちらのサイトに地図つきで載っています。
  たまに、ジャンタロン市場の2階で、お茶のワークショップを無料で開催しています。各国のスライドをみて農園の話を聞きながら、その土地のお茶を飲み比べたりできます!





夢を追う人

2007-09-03 | すてきな人々
トロントにいる間に、久しぶりの友人たちとゆっくり会ってきました。コーヒーを飲みながら近況を報告しあい、ぜんぜん変わってないな~と思ったり、あぁもう何年経ったんだ・・・と吃驚したり。
そのうちのひとり、ブレナンは、夫の大学時代の友達で、現在はプロのカメラマン。ちょうど3年前の9月4日、私たちの結婚式でも朝から晩まで写真を撮ってくれたのがブレナンです。


大学の頃にバイトで貯めたお金で初めてカメラを買って以来、写真を撮ることが楽しくて楽しくて仕方がなく、片時もカメラを離さずにパシャパシャと撮ってばかりだったために、友達に鬱陶しがられることもあったとか。(笑
その後、皿洗いをしていてもメール便のバイトをしても、やっぱりカメラを離すことはできず(笑)、クルーズ船専属のカメラマンになって世界中を周って歩いたり、フリーのカメラマンとして新聞社で働いたり。ふら~っと海外へ行って写真を撮る旅に出たかと思うと、お金がなくなったと帰ってきては結婚式の写真を撮って稼いだり。
そんな根無し草のような彼なので、音信不通になることもしばしばでしたけれども、今回ちょうどタイからトロントに帰ってきたということで再会が実現したのでした。

そんな、いまだに少年のような30代後半、ブレナン。
会って話すといつも、彼の周りだけ時間が少年時代で止まっているかのような錯覚を感じるほど、快活で豪快で、「この前こんな写真を撮ったんだよ!」と興奮気味に写真を見せてくれるような人なのです。
その彼が今回、「俺が本当に撮りたいものがみつかった」と見せてくれたのは、タイの学校の写真でした。

タイへ飛び立った理由というのがそもそも、募金で集めたお金でタイの原住民の子供たちのために学校を作ろう、というNGO団体のパンフレット作成のために、カメラマンとして派遣されたため。派遣といってもこの団体のポリシーは「募金で集めたお金は、1セントまで残らずタイの子供のために使う」ということのようで、その他パンフレット作成やカメラマンの旅費やら滞在費まで、すべて自己負担。
ちょうどその話がきた頃、ブレナン自身は、何か違うものを撮りたいと思っていたので、自己負担でも別にいいや~と軽い気持ちで引き受けたそうです。
そして実際にタイに到着し、原住民の村へ行き、一緒に生活しながら、学校や村の写真を撮りながら2ヵ月半。ブレナンにみせてもらった何百もの写真は、学ぶことが楽しくて仕方がないという輝いた顔をしたタイの子供たちと、貧しい生活の中でも笑顔が眩しい村の人々で溢れていました。


自分がカメラを握ることが、こんなに誇りに感じたことはない、と話してくれたブレナン。現在、毎週末のように結婚式のカメラマンをしてお金を貯めており、またタイへ行く計画を立てているようです。
世界中に撮りたいものがある限り、一生貧乏でもいいや、食べてさえいければ。そういって大口開けてニカッと笑うブレナンは、とってもかっこよかったです。
でも・・・この夢追い人の彼女サン、大変だろうなぁ。(笑


真夏の夜はダンスで

2007-07-24 | すてきな人々
夏の夜の蒸し暑さにとうとう耐え切れなくなって、押入れの奥から扇風機の箱を引っ張り出してせっせと組み立てたのが、一ヶ月ほど前。これがまた義理の両親からもらったお古なため、時代を感じる扇風機は私の肩まで届くほどの背丈で、組み立てるだけで一苦労・・・だったのに。
扇風機が狭いアパートに居座った次の日から、タイミングを見計らったように25度前後の涼しい夏に早変わり。それ以来この巨大扇風機は、でーんと図々しく突っ立ったまま何もせず、モントリオールの夏は涼しく快適に過ぎていっていたんですけれども。
今週はとうとう、30度を超える日が続くとのこと。やっぱりこのまま穏便に夏が終わってしまうわけはないんですよね。ふー暑い。
ないものねだりとは良く言ったもので、ジャズフェスティバルや花火の日なんかは「寒くて夏らしくない!」なんて文句を言っていたものです。
蒸し暑さが増してくるたびに、東北出身の私は「この暑さ、ぜったい死ぬよ!寒いほうがまだ耐えられる!」と騒ぎ立てるんですけれども、夫には「それ、録音しといて冬に聞かせたいね」と言われる始末。ふーんだ。

今週末はずっと抜けるような晴天が続いて、モントリオールは気持ちのいいプール日和。近所に最近完成した市民プールに、ソフィの家族と行ってきました♪
その夜はソフィのお父さんお母さんがお出かけということで、久しぶりのベビーシッター。オシメも最近卒業したし、前よりも手がかからなくなったものの、そのぶん、よく喋り、よく逃げるようになったソフィ。とくにお風呂の後は、素っ裸のままぴゅーっと走り去ってしまうので困ります。裸になると、自由を感じるんでしょうか。(笑
オシメ卒業のあとは、トイレに行きたくなると「カカ(うんち)が来るよ!」と教えてくれるんですけれども、なぜかおしっこの時もとりあえず「カカ」と申請。その後トイレでおしっこだったりすると「結局、おしっこだった♪」と大人びた口調で話すのがまた可愛かったりします。「結局(フィナルモン)」というカタイ言葉が好きでよく使うんですよね。子供ってほんとに、予想つかないところが面白い。

就寝時間をとっくに過ぎているのに、父母がいないのをいいことに、ベッドに行くことは頑なに拒否。寝かせようとするたびに、ベッドから這い出してギャーギャーと泣き叫んでいたっていうのに、一緒にベビーシッターしていた夫が心配になって音楽をかけた途端、ニヤッと笑って踊りだすソフィ。演技だったんですか!!子供っていったい・・・・・。

その後11時頃にお父さんお母さんが帰ってくるまで、音楽にあわせてひたすら踊り続けるソフィ。一緒に踊ってクタクタになってしまった夫とわたし。
「疲れたからもう寝ようよ~」と懇願する私と夫の言葉には聞こえないフリをして、音楽が切れるとサッとすばやく再スタートボタンを押すソフィに振り回され、一体何時間踊っていたんだろうか・・・。そんな光景を、帰宅して目の当たりにしたソフィパパ&ママには、思い切り笑われちゃいました。
子供の背中には電池が入ってるって、ぜったい本当に違いない、と確信した夏の夜でした。

七夕とサンバと結婚式

2007-07-09 | すてきな人々
2007年7月7日、七夕の日は、友人の結婚式に行ってきました。
天気予報では雨の予報でしたけれども、雨粒はひとつも落ちてくることなく、雲の間から青空まで覗いて、とても気持ちのいい日でした。


上の写真は、1860年開設のこのモントリオール美術館。カナダで一番古い美術館だそうです。そして今回、この美術館が結婚式場に!この石造りの建物で生の弦楽四重奏を聴きながら、友人や親戚の温かいメッセージや詩の朗読がふんだんに盛り込まれて、とても心温まる結婚式でした。

今までも何度も、カナダでの個性的な結婚式体験をこの日記に書いてきましたけれども。今回もまた、とっても個性的で心に残る結婚式でした。
美術館での結婚式のあとは、イタリアンレストランにて披露宴。美味しい料理を食べながら、新郎新婦の成長の記録をスライドでみたり、テーブル対抗のゲームをしたりと、ここまではほぼ定番。料理もデザートにさしかかり、さて新郎新婦のファーストダンスを・・・というところから、ガラリと雰囲気が変わったのです。

実は花嫁さんはブラジル出身。プロポーズの時に「結婚式で私と踊ってくれるなら、イエス。」と返事をしたという話を聞いたときには、友人たちみんなで「さすがブラジル!」と感嘆の声をあげたものでした。一方の新郎は、インテリ系の眼鏡がきりりと似合う、落ち着いた雰囲気の男性。ダンスはニガテなのに!と内心思いつつも、そのときは「イエス」という返事にとりあえず大満足だったそうです。


さて、結婚式当日。そんなエピソードがあったことも記憶の隅においやられて、ゆったりと幸せそうに踊る新郎新婦をうっとり眺めていた私たちでしたが、突然変わった音楽に一同びっくり!パッと2人が離れ、怒った顔で背を向ける花嫁に、片膝付いて手を差し伸べる花婿!?
颯爽と華やかに踊る花嫁と、必死な形相でがんばる新郎(笑)が繰り広げる、まるでミュージカルのようにストーリーのあるダンスが始まったのでした。
これは新郎新婦からみんなへのサプライズだったようで、両親も親戚も友人たちも、それこそ驚きで開いた口がふさがらない。(笑
もちろん、花嫁の華麗な踊りと花婿の涙ぐましい努力に、拍手喝采の嵐でした。

そして、もうひとつのサプライズがこちら。


本場、ブラジルのダンサー乱入!!
生で、しかもこんな近くで見たのは初めてでしたけれども・・・いやー、自分でも吃驚するくらい感動しました!
今までブラジルのカーニバルのダンサーは、こういう格好をしてオシリふりふりしているだけ(失礼な)と思ってましたけど、これはもうスポーツ以外の何物でもありませんね。動きが違う、筋肉が違う!全身汗だくになっても笑顔で踊り続ける彼女からは、ダンサー魂がほとばしっていました。
そして始まった、即興ダンスレッスン。新郎新婦はもちろんのこと、叔父さんたちも子供たちも、基本的なステップからオシリの振りかたまで。みんなで踊って笑って汗を流し、とっても楽しい結婚式でした!





こんにちは岩手山

2007-03-16 | すてきな人々
モントリオールに住み始めてから、度々「Miyuki Tanobe」さんの名前を耳にするようになりました。モントリオールの地元の友人たちから、公園で会ったおばさん、本屋のお姉さんまで。私が日本人とわかると「あ、日本人なの?じゃぁミユキ・タノベっていうアーティスト知ってる?彼女の作品大好きなの!」と言われることが、とっても多いのです。お恥ずかしながらアートに詳しくない私はタノベさんのお名前を聞いたことがなく、会話にならなくて申し訳ないなぁといつも思いました。でも皆さん本当にタノベさんの作品が大好きなようで、喜んで説明してくれるのです。「彼女は日本人だけれど、でも他の誰よりもモントリオールの魅力を描ける人だよ」とか「モントリオールの名所だけじゃなく、路地裏の生き生きとした人々の生活を絵にする人」などなど、まるで絵が目の前にあるかのように熱く語られるうちに、私も名前を覚えるようになりました。
そしてさらに、友人と街を歩いていると「あの本屋さんの壁に飾ってあるのがタノベの絵だよ」とか、フェアモントのべーグル屋さんでも「あれがタノベが描いたこのお店の絵」などと、タノベさんの絵に出会うこともありました。モントリオールの人々にこうして愛されている日本人アーティストがいるなんて!素晴らしいことですね。

そして最近、絵本作家の友人(←ソフィのお母さん!)が「念願のミユキ・タノベの本を手に入れた!」ということで本を貸してくれたのです。フランス語の本ということで躊躇もありましたけれども・・・「絵」についてなら、読めなくってもいっか♪とさっそく読んで(眺めて?笑)みました。
なんというんでしょうか、彼女の絵は本当に、モントリオールそのものです!モントリオールの人々の陽気さや人情までもが伝わってくるような絵。夏に素っ裸(上半身ネ。)で家の壁のペンキを塗るおじさんと、走り回る犬と子供。裏庭でチェロを弾くおじさんや編み物をするおばさん。冬の絵なのにとってもカラフルな絵。モントリオールの冬は厳しいけれど、まさしく街自体が冬でもカラフルだもんなぁ!と絵をみて納得。タノベさんの絵のように、本当にケベコワは冬の楽しみかたがとっても上手なのです。

そうしてページを繰るうちに私の目に飛び込んできた、一枚の写真。
え!?この麗しきお姿は・・・・・岩手山!
ふるさとの山って不思議なもので、一目で見分けがつくんですね!まるで道でばったり昔の友人に会ったように、「え、岩手山じゃん!久しぶりー!ここで何してんの!?」と私の胸は高鳴る高鳴る。(笑
理解できるかどうかは二の次にして、さっそく周辺のフランス語を読み始めるわたし。すると何と、ミユキ・タノベさんは岩手の盛岡市出身ではないですか!!

まだまだカナダに住む日本人も少ない頃に移民し、モントリオールの絵を描き続けた人。そしてモントリオールの人々に愛され、その温かみのある絵はカナダ全国に知れ渡り、2002年にはカナダ勲章。日本画の技法を使った絵を大学でも教えていらっしゃるとか。日本人として、それから岩手県人として、こうして海外で活躍されていらっしゃる日本人の方をみるたびに、元気をもらうような気持ちです。

こちらのサイトに、タノベさんの作品が掲載されています。
Gallery Jean-Pierre Valentin
「タノベさんは日本のマリオカ出身・・・」と書いてますけど、「盛岡」の間違いかと。(笑

アイアンシェフ

2007-01-15 | すてきな人々
天気予報によると、明日のモントリオールの最高気温は-18度。いよいよきたか・・という感じです。雪のない一月のモントリオールは本当に珍しいようで、はやく雪遊びがしたいモントリオールの人々は、冬がとっても恋しい様子。天気予報のお姉さんも「寒くなりますよ~!」と言いながらもちょっと笑顔でした。

そんな一月も、もうすでに3週目に突入してしまいましたが、日記はちょっと戻って大晦日。
北米では日本と逆に、クリスマスは家族とゆっくり過ごしてお正月は友達とわいわいパーティーしながらカウントダウンというのが定番、とよく聞くと思います。昨年は家でゆっくり大晦日を過ごした私たちは、今年は何かせねば!と、トロントの北にあるウォータールーという街に住む友人宅へお泊りしてきました。

結婚してまだ1年ちょっとのポールとジェーン、一緒にいるとこっちが汗かいちゃうくらい「ハニー「ダーリン」という新婚さんでしたけれども、しっかり邪魔してきました。(笑
ちなみにこの呼び方、我が家では一度も登場したことがないので、生で「ハニー」と聞くたび、自分が言われてるんじゃないのに勝手にくすぐったい気分でした。
ほんとに使うんですね~!ダーリンとかハニーとかは、映画の中でしか聞いたことがありませんでした。
私たち夫婦が柄にもなくそんな風に呼んだら、笑うか恐れるかのどちらかです。(笑

そんなことはさておき。
ポールは夫の親友で、結婚式ではベストマンをしてくれた人です。私が初めて会ったのは7年前くらいだったでしょうか。今でも覚えていますが、私が日本人ということで彼が真っ先に話してきたのは「僕、アイアンシェフが大好きなんだよね!」
はて?アイアンシェフ・・?としばし考えてしまいましたけれども、『料理の鉄人』のことでした。当時、翻訳されて北米のテレビで放映されていたこの番組、私もテレビでみつけて嬉しかった記憶があります。

アーミー出身でいかつい体格をしたポール、見た目とは裏腹にとっても心優しい人で、これまた裏腹に声も小さかったりします。そしてさらに、料理好き!
このギャップが奥様のハートを射止めたんでしょうか。(笑
そんな料理好きなポール、クリスマスプレゼントで貰ったんだ♪と嬉しそうに見せてくれたのは、最新式のスノーシューと、そして包丁!


彼の後ろに見えるビール瓶たちがちょっと気になりますが
大晦日の宴の跡です。(笑

ずっと日本の包丁を手に入れたい、と思っていたそうです。
今回もその包丁で、つまみや朝食をたくさん作ってくれました。

彼の料理のポリシーは、最初はレシピ通りに作ってから、二度目以降は自己流にアレンジ、だそうな。作っている姿を見ていても、料理を心から楽しんでいる、という感じです。


私も結婚してからカナダに来るとき、スーツケースに忍ばせて包丁を持ってきました。以前バンクーバーに住んでいた時にカナダのナイフを使っていましたけれど、形も刃の切れ味も適度な重さも、やっぱり馴染んだ日本の包丁が一番使いやすいと痛感したのです。
私が日本人だから使いやすく感じるんだろうな、と思っていたんですけれど、日本の包丁は一度使うと料理好きのカナダ人にもたまらないらしいということがわかりました。(笑
ポールのみならず、義父母もソフィのお母さんも、今では和包丁を愛用。
包丁っていう言葉、日本では昔は料理人や料理そのものを意味していたこともあるようですし、料理の中で包丁ってやっぱり大切ですものね。

日本の包丁を手に入れて、ますます料理の腕に磨きをかけるポール。
朝食からはりきって作ってくれるなんて、奥様羨ましい限りです!

自然に優しく、社会に優しく

2006-12-14 | すてきな人々
こちらの写真はモントリオールにあるラ・べーという老舗の百貨店。
ダウンタウンの中心に位置するこのラ・べーに先日行って来ましたが、平日だというのにとっても混んでいました。皆さん、頭から湯気をたたせながら(笑)人込みに揉まれつつ必死にクリスマスのプレゼント探しをしておりました。

このショッピングシーズンにぴったりな話題をひとつ。


この日記でもすっかり人気者になったソフィですが、ソフィのお父さん・トムが2年ほど前から始めたウェブサイトがあります。

誰もが日常何気なく行っているもの中に、「買物」がありますね。食料品や日用品はもちろん買わなきゃ生きていけないですし、新しい季節には服を買ったりもします。その日常の「消費」という行動の中で、少しでも環境に優しく社会に優しくありたい、というトムの思いからできたサイトです。

例えば歯磨き粉。パッケージには「万が一目に入った場合は危険ですのですぐに目を洗うように」などという文章があったりしますけれど、その文章を書くために一体何回動物実験を行ったのかなんて、消費者の私たちにはなかなか知ることができません。 コーヒーを毎朝飲みながら、そのコーヒー豆農場で働いている人たちがきちんとフェアな賃金をもらっているのかも、わかりません。

トムは、フェアトレードや自然に優しい企業や商品がどれなのかが、一般の人が一目でわかるような機会をつくりたい、とがんばっていたのでした。
そしてできたのがこのethiquette.caというサイトです。
まだ始まったばかりなのでケベック州中心の内容ですが、将来的にはカナダ全域の情報をあつめていきたいとのことです。最近ではこのサイト、ラジオや新聞でも紹介されるようになり、トムは取材に忙しくなってきている様子。このサイトでは「環境に優しいジャケット」や「フェアな賃金をきちんと払って作られているスニーカー」なんかも検索できちゃうんです。

モントリオールでは近年オーガニックのお店が増えてきたり、フェアトレードのコーヒーやチョコレートが普通のスーパーでも並ぶようになってきたりしています。カナダの中でもケベック州は環境問題に対する人々の関心も高いほうで、今までは高価なイメージの強かったオーガニックの野菜なども、買う人が増えるにつれて値段もお手頃のものも出てきました。
この「買う人が増えると・・」という好循環が、これからどんどん増えていくと嬉しいですね!オーガニックの果物や野菜って、値段にびっくりしすぎて手が出ないこともありますから。(笑

まだまだ始まったばかりですけれど、友人としても消費者としても、これからどんどん広がっていって欲しいサイトです。のちにカナダ全土に広がって、しかも日本進出!?なんてときには翻訳かなんかで私も参加させてもらいたいなぁ。
がんばれ、トムお父さん!!

因みにソフィには内緒ですけど、このサイトで紹介されている「環境にも子供の肌にも優しいテディベア」をサンタさんがソフィにくれるらしいという情報が!!(笑
ソフィファンのみなさま、このサイトは英語とフランス語のみですが、ソフィのお父さんの写真も載っているのでぜひ覗いてみてはいかがでしょう♪

▼サイトはこちら
 ethiquette.ca

ソフィのおじぎ

2006-12-10 | すてきな人々
週末の朝にはパパとデートを楽しむソフィ。
近所にある歩いてすぐの小さなカフェで待ち合わせて、私と夫もよく朝のコーヒーに参加させてもらうことがあります。

私が日本に里帰りしている間、ソフィは保育園が始まり、友達もたくさんできたようです。たった三週間なのに、あっという間に大きくなっていてびっくり。子供の成長ってほんとうに早いものです。
以前は走るのも、右足・左足と相談しつつ、おしめと格闘しつつ危なっかしくよろついていたのに、今ではタタタターッとゼンマイ仕掛けのようにあっちへ走りこっちへ走り、追いかける私のほうが何時の間にか汗だくになっていたりして。

もうひとつ、ソフィが成長していたこと。
「照れ」を覚えたことです。
以前は私が家を訪ねると、ドアのところに立っている私に奇声を発しながら、こぼれんばかりの笑顔で走り寄ってきていたのに、久しぶりに会った日は、お母さんの足の後ろに隠れて舌をチョロリと突き出しながらクネクネ。
照れているソフィを初めて見て、あぁそういえば照れている姿をまだ見たことがなかったんだ・・・と気が付きました。人間の成長って、おもしろい!

そんな成長っぷりを見せてくれていたソフィですが、なんと日本語もきちんと覚えていてくれました。
お父さんに何か耳打ちをされたソフィは、ニヤッと笑いながら私をみて自慢げに一言。

「こぉぉ・・ちはっ!」

そして、きちんとお辞儀もするんです。
ただ、私がお辞儀をするのを見て真似しながら覚えたソフィ、何故かソフィ式のお辞儀はしゃがむんです。「こぉ・・」と言い始めたあたりでよろよろとしゃがみ、最後の「は!」のところですくっと立ち上がる。(笑
きっと、「お辞儀→上半身が下がる→しゃがむ」というイメージで体が動いているものと思われます。たしかに、お辞儀をしてしまったら、頭をごつっと地面にぶつけて立ち上がれなくなっちゃうかも。子供なりに、ちゃんと無意識に危険を回避しているのかも?

それから、遊んでいる最中に、ちょっと休憩・・・と椅子に座ってコーヒーを飲もうとする私に、走り寄ってきて「だめ!」と言ったり。また、帰り際にはしゃがみながら「またねー」と言ったり。
将来、日本語でソフィとおしゃべり・・というのも、あながち夢ではないかもしれません。

驚きと笑いの日々

2006-10-21 | すてきな人々
ケベックシティで折角友達になったバカ奥様たち若奥様たちや個性派揃いの飲んべぇさんたちと離れてしまったこともあり、モントリオール楽しめるかな・・・と引越し当初実はちょっと不安でした。
でも、その大きな穴をひとりで埋めてくれたのが、以前も登場したソフィーちゃん

友人の子供ということで、ソフィーが昼寝しているときにはお母さんのエリースとコーヒー飲みながらキッチンでお喋りしたり・・・という時間があるというのも嬉しく感じます。でもそれ以上に、ソフィーといると毎日の発見が何より面白い!
家に帰ると夫にいつも、ソフィーが今日はこんなことをした、あんなことを喋ったなどと留処もなく話している自分にハタと気付くことも。きっと、世のお母さん達はこういう気持ちなのだな・・・なんて思ったりもします。
親ばかならぬ、ベビーシッターばか?

まだ一歳半なのに、とってもおしゃべりが大好きでフランス語もぺらぺらのソフィー。なんと、ここ数週間で日本語もめっきり上達!!
最初は英語で接していたけれど、ついつい子供をみると「おいで♪」とか「おいしーねー♪」などと日本語がポロッと出てしまっていた私。すると、もともと何に関してもオープンなご両親、「日本語のほうがいい!ソフィーのためにも!」とちょっと興奮気味に乗り気。(笑
言語を混ぜるとよくないということで、それ以来日本語のみなのです。
エリースによると、複数の言語の使い分けをこの年齢でやっておくと、系統だてて考えるのが上手くなり、将来数学に強くなるんだそうな。ほんとかな?

でも、今でさえフランス語と英語とリトアニア語に囲まれているソフィー。頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃうんじゃなかろうか・・・という私の心配をよそに、たった数週間でソフィーは「おしめ替えよっか」と私が言うとすぐに「ノン!」と返事をするようになり、「マメ」「ありがと」「おいで」「しっぽ(←何故か一番のお気に入り)」「おはよ」「クルクル~」「あっちいこっか」などなど流暢な日本語を話すようになりました。
私の名前だけは「ようこ」と発音できずに「ココ」だけれど。

ソフィーと近所の八百屋さんやパン屋さんに行くことも多く、ソフィーはいまや「日本語を話すベビー」としてこの界隈ではちょっとした人気者となりました。ソフィーのおかげで私も顔を覚えてもらったりして。

先日いつものパン屋さんに、ソフィーの好物のレーズンパンを買いに行ったとき。
棚の上にあった大きなミートローフをみつけて、目を輝かせて「オ~!」と指差すソフィー。「美味しそうだね~♪お肉好きだもんね~!」と話していると、ソフィーが一言。

「Wow... gros caca! (うわ~、おっきいうんち!)」

レジのお姉さん、涙を流して大笑いでございました。
ゆ、有名人なんですから ソフィー、発言には気を付けようね・・・。
そうだ、日本語で言えばバレなかったのに。


やっぱり踊る花嫁

2006-10-10 | すてきな人々
この週末、カナダではアメリカよりも一足はやくサンクスギビング(感謝祭)。それに夫の従妹の結婚式もあったため、トロントに行って来ました。
なんだかこの日記、結婚式のことばっかり書いているような気がしないでもないんですけれども。おめでたい事はいくつあってもいいものですよね。

今回の結婚式は、特に新郎側のご家族が敬虔なカソリックということで、教会にて厳かな結婚式。
盛岡八幡宮で結婚式を挙げたときに「式の間の写真は禁止」という厳しさに驚いていた夫の家族でしたけれど、今回も同じく「教会内は撮影禁止」。式の間、何が起きているのか把握できずにひとりきょろきょろしてしまうことも何度かありましたけれど、隣りにいる夫や義両親に小声で教えてもらいながらなんとか式は終了。ふぅ。ただの出席者なのに緊張するなんて。

一方披露宴はというと、厳粛な式から一転して真夜中までのお祭り騒ぎとなりました。新郎の家族も新婦の家族もアイルランド出身。飲む、歌う、踊るの三拍子揃った血が流れていますから。
結婚式のカラーはもちろん、アイルランドを象徴するグリーン。テーブルに置かれたギフトだって、アイリッシュのコースターにアイリッシュリキュールBAILEYSのミニボトル。もちろん花嫁だって踊りっぱなし。一休みするのはギネスを飲む時だけ!



それから、友人の結婚式の日記でもコメント欄でちらっと説明をした、靴を使ったゲーム(以前の日記はこちら)。この結婚式でも人気でした。
新郎新婦が片方ずつ靴を交換して両手にそれぞれの靴をもち、背中あわせに立って質問に靴で答えていくというもの。今回は司会者が「New Wed Game!」と呼んでいました。日本でもやっているのかな?



例えば「最初にデートに誘ったのはどっち?」だとか「お酒に強いのはどっち?」というような質問にそれぞれの靴をあげて答えていくんですけれど、背中あわせのために二人の意見が食い違っていることもあったりして、これがなかなか会場中の笑いを誘います。今回は「おならの回数が多いのはどっち?」なんていう面白い質問もあったりして。ちなみにこちらのお二人の場合、二人とも即答で「新婦」でした!

若々しい新郎新婦から幸せのお裾分けをいただいて、私も一日幸せ気分でしたけれども。みんなが中央で踊り狂っている間に、隅っこに現れたチョコレートフォンデュを見つけた時の幸せ気分といったら!



楽しくって美味しい結婚式でございました。

フランス語の先生

2006-09-26 | すてきな人々
アウトドア結婚式でこの前この日記に登場したトムとエリースには、1歳半の可愛い娘さんがいます。ぬけるような青空をバックに笑顔が眩しいこちらのマドモアゼルがソフィーちゃん。

好きな食べ物はエビ、アボカド、ひよこ豆。嫌いな食べ物はその日の気分によってかわります。趣味は(他人の)カバンの中から目新しいものをみつけること。乳母車に乗ってお散歩中、すれ違う車からヒップホップの音楽が聞こえてくるだけで自然に体を上下に動かしてしまうほどのダンス好き。英語とフランス語とリトアニア語を操る(予定の)才女ですけど、彼女しかわからない難解な単語もいくつかあったりして。

そんなソフィーちゃんは、私たちのアパートから歩いて15分程のところに住んでいるということもあり、現在わたしのフランス語の先生!ついでにと言っちゃぁなんですけれども、お返しに私が一日に4~5時間程ベビーシッター係を務めております。


絵本作家のお母さんが仕事に復帰できるようにということで、ありがたい事にベビーシッターの経験も何もない私にこの仕事のお誘いが来たときには、正直に言うとちょっと悩みました。「人の子供を預かる」ということは命を預かるということですから。
でも、やり始めてほぼ3週間が経ちましたけれど、ソフィーのおかげで楽しい毎日を過ごしています。もちろん、慌てることもまだまだたくさん。
わたくし、30歳過ぎて初めて「おしめを替える」という経験をいたしました。最初はもたついてしまって、暴れるソフィーに顎を蹴られながらでしたけれど(笑)、ソフィーがご機嫌なうちにパパッとすばやくおしめを替えることができたときの達成感ときたら!

冬が来る前までのベビーシッターのお仕事、これからも毎日が楽しみです。

山の結婚式 宴会編

2006-09-19 | すてきな人々
この前日記に書いた結婚式の続きを、いいかげんに書いておかないと!

トレイルの先の緑に囲まれた長閑な丘の上、友人たちの温かいスピーチや二人のお互い宛ての手紙などなど微笑ましく幸せいっぱいの結婚式に見惚れていたら・・・・・オデコを蚊にさされてしまったわたし。

不覚でした。
もう9月とはいえ、まだまだ山には虫がいる季節。朝のバタバタですっかり虫除けスプレーなんて忘れていました。
よりにもよって一番目立つところを刺すなんて、蚊のヤツめ。しかも、子供の頃から蚊に刺されるとぷっくり腫れる体質。鏡で確認なんてしなくても、手のひらでそっと触るたびに、さっきよりも腫れている気がする・・・。式が終わって下山する途中「ねぇねぇ、これ、めだつ?」と聞く私に「・・・・・うん。」としか答えようのない夫。

でも、キャビンの庭でパーティーだったので、自分の顔を見るのはキャビンのトイレに行ったときのみ。自分で見えないせいか「ま、いっか♪」と開き直るのにもそんなに時間はかかりませんでした。


椅子の形も種類もバラバラ、ちょっと傾いたテーブルなんていうのもご愛嬌。そしてディナーはなんと、新郎のお母さんの手作り!真ん中のテーブルに大皿や鍋を並べたビュッフェ形式でしたが、あまりの美味しさに私も2回ほどおかわり。心のこもった手料理に、「ご馳走」ってこういうもののことを言うんだろうなぁとふと思いました。

楽しいことが大好きな新郎新婦、食事の間にも世界各地の風習を取り入れていました。
こちらは確か、イタリアから。新郎の大切なネクタイを切って、その布切れをゲストみんなに配る「幸せのおすそわけ」。日本の引出物よりも安上がりでいいですよね!



ヨーロッパの何処かの風習では、女性がみんなで輪になって踊り、その中で新婦のお母さんが頭にお皿をのせて踊って、お皿が割れたらその割れた枚数分だけ子供が生まれる、というものがありました。早速やってみよう!という時になって新婦のお母さんが庭をうろうろ・・・。やっと戻ってきたお母さんは、不思議そうな顔をして見つめるみんなの視線をよそに、地面に大きな石を置きました。なんとお母さん、音楽にあわせて踊りながらも、その石めがけでうまく頭からお皿をすべり落としちゃいました。見事に8枚に割れたお皿をみて、「孫がたくさんできるわっ♪」とご満悦。

その他にも、ゲームをしたり踊ったり。



宴会は夜まで続きました。(外で。)
もちろん次の日みてみたら、腕から足、なぜかお腹まで虫刺されだらけでしたけれども。ま、楽しかったからよしとしましょ。

結婚式のカタチ

2006-09-13 | すてきな人々
10日も前のことになってしまいましたが、9月最初の週末に友達の結婚式に出席してきました。
以前の日記(「引越しと結婚式」)でも書きましたが、引越しの次の日にモントリオール郊外で結婚式、しかも夫がベストマンを務めるということで、ふたりとも心の準備をきちんとしていたつもりだったんですけれども。当日の朝、ダンボールの角につま先をぶつけて涙目になったりしながら「アイロンがない!」「日焼け止めどこに入れた!?」「寝袋を圧縮ケースにいれなきゃ!」と大騒ぎ・・・。

準備だけで疲れ果ててしまいそうでしたけれども、モントリオール郊外の自然いっぱいの中での結婚式はとても爽やかで楽しく、温かいホームパーティーのような陽気さと美味しい手料理は、引越しの疲れをあっという間に癒してくれました。

上の写真のように、山小屋から結婚セレモニーの場所までのトレイルは綺麗な花びらが。式参列者の私たちまでもが、なんだかとっても幸せ気分。
緑に囲まれたトレイルを暫く歩くと、木々の背丈が低くなって視界がひらけた斜面の岩場に、小さな野花が咲いている素敵な場所が。先にゆっくりと時間をかけて登っていたご年配の方々が、椅子代わりに丁度良い岩に腰掛けて待っていました。

斜面にみんな思い思いに腰掛けて、鳥やリスの声を聞きながら青空の下、友人の司会ではじまった結婚式。



ケベックらしく、ヴァイオリンとアコーディオンの懐かしさ溢れる音楽も。



宗教にこだわりたくないという二人らしく、宗教的な儀式は全くナシなのかな?と思いきや。
逆に色々な国の風習や慣わしを調べて、ふたりが気に入ったものを選んで式に取り入れるという、まさしく彼ららしい結婚式!

こちらはアフリカの国から。不浄を取り除いてから、ふたりの生活を始めると言う意味で、ふたり手を繋いで「せーの!」でホウキの上をジャンプする新郎新婦。



この他にも、北欧からは「ふたりで木を植えて、ケーキカットのように一緒にジョウロを持って水をあげる」というものがあったり。

ふたりがお互い宛ての手紙を読み上げた時には思わず涙ぐむ花嫁さんでしたけれども、それ以外はずーっと笑顔の絶えない楽しい結婚式。

トレイルのてっぺんでの結婚式と聞いた時には、斬新なアイデアの結婚式だなぁと思いましたけれど。
カタチにこだわらずに二人らしく、大好きな自然と家族と友人に囲まれて結婚の契りをかわす姿は、逆に「結婚」の本当の意味を一番シンプルに表しているのではないかと思われるほど。楽しさの中にも感動がある、素敵な結婚式でした。

披露宴については、また今度書こうと思います。