日々是好日 in Canada

写真と日記で綴る、日々のこと。

夏といったら?

2007-08-20 | 日記-モントリオール
冬の間、週末の朝に夫や友人たちとよく行っていたカフェ。久しぶりに行ってみると、窓にはカーテンがひかれ、入り口のドアでみつけたのが上の張り紙です。

「8月6日から20日まで、夏休みのため閉店します。」

せっかく来たのに美味しいコーヒーが飲めなくて残念・・・という思いよりも先に、サマーバケーションを楽しんでいるカフェのスタッフたちの姿が思い浮かび、私も旦那もつい笑みがこぼれ、思わずパチリ。

モントリオールでは「バケーションのため閉店」というのは日常茶飯事で、数ヶ月に及ぶ場合も。この街の、こういう肩の力を抜いた生き方、素敵だなぁと思います。といっても日本人の私にとっては、肩の力抜きすぎでしょ!とイライラしてしまうこともなきにしもあらず、ですけどネ。


日に日に最高気温が少しずつ下がっているモントリオール。秋の匂いがし始めた風は、ちょっと強いと肌寒く感じてしまうほどです。夏、短すぎ~。
季節の終わりが近づいてくると、この夏やり残したことはないかな・・・とついつい焦ってしまいがち。プールにも行ったし、山登ったし、アイス食べたし、バーベキューしたし。あとは、夏といったら・・・・・やっぱりそうめんでしょう!!



数週間前に、日本の友人から届いた、夏の便り。
「岩手県産小麦粉100%使用」という文字を読んだだけでわくわくしてしまう、とってもきれいなそうめんです。そして、彼女の住む地元の醤油屋さんの、めんつゆ付き!
さすが長年の友人は、贈りものの選び方が絶妙ですね~。届いた日から嬉しくて、キッチンに飾って眺めて(笑)いましたけれども。夏が終わる前に食べなくちゃ。

そうだ、そろそろ移民になって一周年。お祝いはそうめんディナーにしよう


思い出はあちこちに

2007-08-13 | 日記-モントリオール
市場で白菜を見かけて、急にキムチを作りたくなったのが先週のこと。「作りたくなった」なんて言うと、なんだかキムチ作りの達人みたいに聞こえてしまいそうですけれど、今回で3回目のまだまだ初心者。うまくできるか少々不安でしたが、昨年ケベックシティの友人宅で、みんなでお喋りしながら作った初めての手作りキムチの味を思い出しつつ、なんとか作ってみたのでした。
分量をよく覚えていないものもあり(教えてくれたチビタ師匠も「適当に」が口癖でしたけどね!)、白菜の塩加減がよくわかんなかったりもしましたけれど、一週間おいて味見してみると・・・おいしいー!!
夏にキムチとビールって、もー最高です。


週末に夫と一緒に散歩中、近所の道端にずらーっと咲いていたこの花。名前も何も知らないけれど、昨年8月にケベックシティを散歩中に見かけた花と同じ花です。
モントリオールに引っ越す前に、ケベックシティをもう一度ゆっくり歩き回ろう!と、8月は毎週末のようにふたりで街を隅々歩き回った私たち。シタデルの近くの、旧市街を見渡せる小高い丘いっぱいに咲いていたのが、この白い小さな花でした。

気が付くと、あれからちょうど、一年が経っていました。毎日忙しく過ごしていて気が付きませんでしたけれども、思いもかけず白い花とキムチが、ケベックシティを懐かしく思い出させてくれました。あのときのキムチ仲間、みんな元気にしてるかなー。

そして夕焼けがきれいな帰り道、駅の前でみかけたのは、曼珠沙華。
彼岸花と呼ぶには一ヶ月ほど時期がずれているカナダですけれど、彼岸花をみかけて残暑の頃のお墓参りを思い出しました。あぁそういえば、13日からは日本ではお盆が始まるなぁ・・・と、おじいちゃんの写真に手を合わせてみたりして。


まるで連想ゲームのように、見るもの食べるものがいろんな思い出を呼び起こしてくれた、静かな夏の日。
「キムチ」で「ケベックシティ」を思い出すというのも、なかなかない組み合わせですけどね

さて、今日は豚キムチとビールにしようかな~!

180度の地平線

2007-08-06 | カナダでアウトドア
情けないことに、「アウトドア」のカテゴリで書く日記は、これが今年初ではないでしょうか。週末が迫ってくるたびに「山行こうよ、山!」と夫婦揃ってそわそわし、結局何やかやと忙しくしている間に月曜日がやって来る、という繰り返しで早・・・8月。
このままじゃ夏が終わっちゃう!という危機感がつのってきた頃に、やっと友人と一緒に山に行ってきました。

山とはいっても、ここはやはりケベック。バンクーバーにいた頃とは違い、まったいらな大地に、おできのようにぽこんっと飛び出た丘があるばかり・・・と思っていましたが。
実際に登ったときの、どこまでも続く爽快な眺めが、上の写真です。

今回登ってきたのは、モントリオール郊外にあるMont St. Hilaire、標高414m。数字だけ見ると、「低っ」と思わず思ってしまいますけれど、実際に登ってみて思ったのは、バンクーバーのあるBC州では、滅多に見られない景色だということ。180度どこまでもどこまでも真っ直ぐな地平線というのは、山岳地帯では見ることができませんものね。日本も火山帯だし、こんな平らな景色ってあんまりないですよね!こんなところにも、ちょっとしたケベックの魅力を発見。

シュークリームのような旨そうな形をした雲と、その雲の落とす影がゆったりと大地を這っていく時間と、遠くかすかにみえるモントリオールの街とオリンピックスタジアム。そんな豪勢な景色を眺めながら食べるサンドイッチとおにぎりは、格別の味でした。

不思議アルバイト体験

2007-08-03 | 日記-モントリオール
上の写真は、先週で終わったコメディフェスティバルの一角でみつけた、路上巨大チェス。後ろのほうに少し写っていますけれども、普通サイズのチェスやゲームも、こうして椅子を並べて太陽の下で楽しむ人たちで賑わっていました。


さてさて。いつものように話はガラッとかわり。
もう数ヶ月前のことになりますが、表題のように、モントリオールでちょっと面白いアルバイトの体験をしたときのお話です。

モントリオールのあるスタジオで、日本人女性の声を探しているというので、内容もよく聞かないまま承諾。録音は1時間弱で終わるって言うし、声を録音するだけで、いいレストランで美味しいものが食べれるくらいのお金を貰えるなら・・・(笑)やらなきゃソンソン!という非常に安直な考えだったわけですけれども。

電話で聞いた住所を手に、メインの通りをずっと歩いていくと、手に持った紙と同じ番地が上に書かれたドアを発見。ちょっと崩れかかった木製のドアは半開きで、ドアの向こう側にはすぐに階段が2階へと続いています。階段から2階の窓へとそーっと見上げると、カーテンや天井のファンが見えます・・・どう見てもスタジオというよりは普通のアパート
番号書き間違えたかな~と、ドアのまん前で立ち止まっていると、後ろから「もしかして、あなたがYOKOさん?」という男性の声。あ、良かった~あってた!と振り返ると、無精ひげをはやした、Tシャツにぼろぼろのジーンズという格好をした男性が、大きなプリンターやら機材を両脇に抱えて立っていました。

私が想像していたスタジオや(かっこいい)スタッフとのギャップに戸惑いつつ、「入って入って。あ、ついでにこれ持ってってくれる?」という声に導かれるまま、機材のひとつを運ばされる私。

中に入ると、ボンゴやタムタム、ドラムや大小さまざまなタンバリン、見たこともない異国の楽器があちこちに置かれ、マイクスタンドや楽譜スタンドも無造作にあちこちニョキニョキと立っており、そして奥には、人ひとり入ったらもう一杯になってしまうような小さな防音の録音室。
家とスタジオでパソコンのプリンターを兼用している(!)ので、プリンターをつなげて原稿をプリントするから・・・とデスクの下にもぐりこんでしまったので、その間このちょっと面白そうなスタジオを勝手に探検。やっぱり最初にトイレを確認しとくのが人間の本能でしょうか。(笑
一番奥にトイレがあったのはあったんですけれども、ドアがない!!オイオイオイ・・・。
どうやらこのスタジオには他のスタッフなんぞいないらしく、彼ひとりで全部やっている様子。

調子の悪いプリンターを何度か叩きながら、なんとか原稿をプリントし、今度は機材の準備にとりかかる無精ひげ青年。その間に原稿をみながら声に出して練習するわたし。
内容はというと、インターネット通信を使ってテレビ会議をする企業向けらしく、会議に参加する場合の音声サービスでした。たとえば「会議IDを入力してください」だとか「画像を正しく送信できませんでした」とか「パスワードが間違っています」だとかいう文章を20種類ほど録音するのです。

練習中にきょろきょろと辺りを観察したときに(練習に集中してない 笑)、ソファの上に放り投げられたブランケットや床に転がった空のワインボトルを発見。もしかして、この青年はこのスタジオに住んでいるんじゃ!?という疑い濃厚。録音する内容はかろうじて怪しくないけど、このスタジオ怪しい!!といつでも逃げれる体勢でいましたけれども。(笑

実際に録音が始まると、日本語は一切わからないと言っていた青年が「今のところ、もうちょっとゆっくりめがいいかも」「ここの語調がちょっと強すぎた」と、わからない言語なのに、それでも良いものを録音しようという、仕事に対してとても真っ直ぐな姿勢が伝わってきました。いや、日本じゃ当たり前かもしれませんけれど、ケベックでは仕事にやる気のない人って結構多いんです。(笑
遠い国の知らない言語でも妥協しない彼の仕事っぷりで、1時間弱のはずが2時間近くかかっちゃいましたけれども。終わってみたら、なんだか楽しいアルバイトでした。

それにしても、個人がやっている小さなスタジオに、しかもモントリオールで、日本語を話せるスタッフがいるわけでもないのに、何故に日本語の音声サービスの録音の依頼が???
何度考えてもやっぱり不思議です。