日々是好日 in Canada

写真と日記で綴る、日々のこと。

ずんだ大福が食べたい!

2007-12-30 | FOOD
上の写真は、今年2度目のスノーストームが去ったばかりの朝のもの。
一日かけて吹き荒れた大雪が立ち去った後のモントリオールは、雲ひとつない広く澄んだ大空のもと、どこもかしこも雪だらけ。無謀にも夜に外出したときには、近所の歩道で遭難するかと思いました。いや、マジで。
左側の車は出勤準備万端ですけれど・・・右側の、大福のようにこんもりとした雪に埋もれた車たち。今日は外出する気はなさそうですね。

そんなモントリオールから脱出して、私たちはトロントで夫の家族とクリスマスを過ごしてきました。クリスマスの話はまた今度書くとして、今回は「ずんだ」のお話。


クリスマス前には今までショートブレッドやクッキーを焼いて、家族や親戚のプレゼントに添えていましたが、毎年同じのはイヤだな・・・と思い、今年はいろいろと考えていました。せっかく私は日本人なんだし、幸いにも夫の家族はみんな和食好き。それならば!と辿り着いたのは、いちご大福&ずんだ大福。一応、いちごは赤、ずんだは緑、そして大福は雪のような白、ということでクリスマスっぽいよナ・・・という無理矢理なこじつけです。

東北では知る人ぞ知る、喜久福のずんだ大福みたいなのが食べたい!!(贈りものとか言っておきながら、まずは自分が食べたいのでした。笑)と思ったときの、食欲にバックアップされた私の行動力というのは自分でも感心しちゃうほど。ずんだって、餡子の枝豆バージョンでしょ?ということで、アジア食材店に行って枝豆やもち粉を購入し、週末に時間をみつけては何度か作ってみて失敗したり味を変えて見たり、何度目かにできたのがこちら!じゃーん。



もうちょっとアップしてみると、こんな感じ。


実験途中で職場にも持って行って、同僚の皆さんにも毒味・・・イヤイヤ、味見をしてもらいました。すると何と言うことか。みんな「ずんだ」という単語すら知らないということが発覚。同じ日本人なのに!東北地方は雪に閉ざされているとはいえ、そんなに異国の地なの!?(同じ国です。)
ずんだ大福を世界に広めたいという情熱がもちろん自然に湧きあがる、100%東北人のわたし。(笑
嬉しいことに、日本人もカナダ人もみんな口を揃えて美味しい!と言ってくれて、さらに喜ばしいことにはレシピの問い合わせも殺到。(殺到って・・・友人と義母からだけですけど。)
作り方はとっても簡単なので、覚え書きついでに、ここにも書いておこうと思います。
皆さんもぜひ、作ってみてください!
ちなみに、日本の家族もみんな大好きな喜久福のずんだ大福は真ん中に生クリームが入っていて、ずんだ餡はとってもなめらか。私のこんな簡単レシピでは老舗の味に近づくことすらできませんでしたけれども。興味のあるかたはお取り寄せするか、仙台まで食べに行っちゃってください。




■□ずんだ大福のつくりかた□■

1. 枝豆を茹でたあと、さやから取り出して薄皮を取る。(豆を取り出した状態で、2カップほどの量。私は、さや付きで400gのものを一袋全部使いました。)
2. 滑らかになるまで豆をすりつぶす。フードプロセッサーを使ってもいいと思います。
3. すりつぶしたら、コンデンスミルクを加えて混ぜる。(スプーンで2~3杯くらいかな?味見をしながら好みの量を入れてください。この味見がまた、美味しくて危険ですけど。笑)
4. 10~12等分して、ずんだ餡を丸めておく。
5. もち粉1カップ分くらいを耐熱容器に入れ、水を少しずつ入れながらダマにならないように混ぜる(ドロドロの濃い乳液状態になります)。水はだいたい150~170ccくらい。砂糖を大さじ5~6を加えてさらに混ぜる。
6. ラップをして電子レンジで3分ほど加熱。木べらを使って全体を混ぜる。
7. またラップして電子レンジで2~3分ほど加熱。木べらでしっかりと混ぜる。(ちょっと透明感がでるような感じで、耳たぶくらいの柔らかさになります)
8. まな板に片栗粉をふって、その上に餅を取り出し、熱いうちに10~12等分する。(ほんとに熱々なので、お気をつけて!)
9. 両手に片栗粉をつけて、生地を広げて、丸めておいたずんだ餡を包むだけ!


本当のずんだは、すり潰した枝豆に砂糖とちょっとの塩を混ぜて練るそうです。私は、カナダ人うけしそうだな・・・と砂糖の代わりにコンデンスミルクを混ぜて、ずんだミルク味にしました。
ずんだ餡さえできれば、団子の上にのせてもいいし、お正月であまったお餅と一緒に食べても美味しそう。仙台では、「ずんだあんみつ」とか「ずんだモンブラン」、はたまた「ずんだプリッツ」や「ずんだ笹かまぼこ」まであるそうな!奥が深いな~、ずんだ様。

そんなこんなで、じわじわとカナダに広まりつつある、ずんだ大福。(わたしの近所だけだけど。笑)
東北のずんだ、とうとう世界に進出です!いや、その前に、日本に広める必要もありそうな・・・。




サンタはこんな近くに

2007-12-16 | バンクーバーの思いで
昨年の冬はとても暖かく、今の時期は「ホワイトクリスマスならぬ、グリーンクリスマスだね!」とニュースキャスターも連日のように話していたものでしたが、今年のモントリオールは早々と雪に包まれ、真っ白な街にクリスマスのイルミネーションが輝いて、とても綺麗です。
もちろん寒さは厳しく、昨日は体感温度がマイナス20度をきりました。ドアを開けて一歩外に出た途端に、頬に突き刺さるような空気。手袋を二重でしていても、しばらく外にいると指先の感覚がなくなってくることもあります。それでも、寒さに耐えつつ市場に並んだもみの木を選ぶ親子たちの笑顔は温かく、雪の積もった歩道を行き交う人々の笑顔がどこか華やいでみえるのは、やっぱりクリスマスの仕業ですね。


日本ではクリスマスというと、恋人たちのもの、あるいは、サンタさんが大好きな子供たちのもの・・・といった感じでしょうか。私も子供の頃はサンタさんを心待ちにしていたものだし、大きくなってからは「クリスマスケーキが食べれる日」だったような・・・。(わたしの食い意地は昔からですねー!笑)
カナダでのクリスマスは、バンクーバーに居た頃には2年半以上ホストファミリーと一緒に生活をしていたこともあり、バンクーバーでの思い出が強く残っています。そこの家族には私と同い年くらいの子供が3人いました。一番上のジョッシュは夏は釣り、冬はスノボに明け暮れて、家に居るときには友達を集めて大騒ぎ・・・というイマドキの青年。二番目のディナはミスコンでも優勝しちゃったほどの美女で、その頃彼女が話すことと言ったら新しい彼氏の話。そして一番仲が良かった次女のリアは、快活で明るくアウトドア好き。歌手デビューしたいと言っていた次の日には、ユースのサッカーコーチを目指す!と言い出したりと、夢の大きい女性でした。

クリスマスが近づいてきたある日、私が仕事から帰ると、3人ともメモ用紙を見ながら、キッチンのテーブルに山に積まれた色々なモノを振り分け中。一体何をやっているんだろう?と興味を持った私は、早速そのまま3人に参加。リアの持っている用紙を覗き込んでみました。
そこには、バンクーバーの何処かに住む家族の名前と、子供たちの年齢などの情報。そしてその下には、サンタさんから欲しいもののリストが書いてありました。
リアの説明によると、私たちの住むノースバンクーバーのコミュニティーセンターで、毎年ボランティアを募集しているそうで、子供達にクリスマスプレゼントを買いたくても買えない状況にある母子家庭や、親を交通事故で亡くした兄弟、難民としてカナダに到着したばかりの家族・・・そういった人たちにもサンタさんが来ますように、というこの時期ならではのプロジェクト。ボランティアとして登録すると、担当する家族の情報がファックスで届き、その人たちの欲しいものリストをもとに、クリスマスプレゼントを購入して贈る、という内容なのです。

なんて夢のある素敵なボランティア!と笑顔になったのも束の間、リストを見て愕然としました。歯ブラシ、靴下、ボールペン、ウールのブランケット、スープの缶詰・・・。子供たちがサンタさんにお願いしたいものは、ゲームでもぬいぐるみでもなく、生活必需品だったのです。
大きなクリスマスツリーがふたつも飾られた家で、クリスマスクッキーも余るほどキッチンのカウンターに置いてあるキッチンにいて、そんな私たちと同じ国、同じ街、同じ時代に生きている子供たちが、サンタさんに新しい歯ブラシが欲しいと願うという事実は、私にとって、お腹の底にずんとくるような衝撃でした。

それでも、ふと横をみると、いつものようにワイワイ騒ぎながらビールを飲みながら、プレゼントを箱に詰めるジョッシュ、ディナ、リアの3人。リストには載っていないけれども買ってきたというおもちゃも、靴下や歯ブラシと一緒に、「いや、それはこっちの子にだろ!」「女の子にゴジラあげてどうすんの!」などと兄妹ゲンカもしつつ準備をする3人の姿。それぞれバイトで貯めたお金を使って、洋服でも化粧品でもなく、新しいスノボでもなく、「これ、毎年やってるんだよね~。結構楽しいんだよ、これが!」と当たり前のことのように、気負うことなく自慢することもなく、ごく自然にこういうことをやってのける3人の若者に、クリスマスの温かさを教えられました。


12月になるとどこのショッピングモールも連日夜の9時まで営業し、セール!!の文字を目指す買い物客でダウンタウンは賑わいます。クリスマス商戦に踊らされる消費者、そして私もそのひとり・・・と思ったこともなきにしもあらずですけれども、でもやっぱり、クリスマス。家族に、友人に、お世話になった人に、大切なあの人に、そして会ったことのない子供たちにも、あれを贈りたいこれを贈りたい、あの人の笑顔が見たい、喜んでもらいたい・・・そんな思いで買い物をする人々はみんな、一人残らずサンタさんなんだなぁと、あの3人を思い出すたびに思います。


街を流れるクリスマスソングに、温かいクリスマスのイルミネーションは、寒い冬だからこそ際立ってあたたかい気持ちにさせてくれます。忙しなく行き交う人込みのダウンタウンで、雪の中を歩きながらつい楽しい気分になってしまう私ですけれど、まだまだクリスマスショッピングが終わっていないという現実をすぐに思い出して、焦りまくりでもあります。毎日誰かからクリスマスカードが届くたび、あぁカードも早く書き終えないと・・・!あっ!年賀状も書かなくちゃ!!と焦りは増してゆくばかり・・・。


皆さまも、忙しさが最高潮の12月かと思いますが、どうか風邪など引かぬように、楽しく温かいクリスマスをお過ごしください!



野菜炒めは反省の味

2007-12-03 | オットとわたし
昨日の最低気温、マイナス17度。本日の最高気温、マイナス12度。
という、毎年のことながら、冬の始まりには天気予報をみてびっくりしちゃうようなモントリオールの12月。先月の日記はとうとう一回しか書いていないという、年末に向けて反省事項を増やしてしまっているわたし。皆さんは師走をどうお過ごしでしょうか。

反省事項といえば、今年の初め「今年のテーマは健康第一!」とこの日記で宣言したにもかかわらず、あとちょっとで今年も終わりという今になって風邪をひいてしまいました・・・。あぁ情けない。
思えば、ちょっと寝不足が溜まっているな~と思ったときには遅かったんですよね。そのスキをすかさず突かれて、月曜の夜に寒気と頭痛に襲われ、ヤバイ!といろいろ手をうったものの、努力虚しくそのまま一週間症状は悪化するばかり。
私の性格も悪いのです。昔から「風邪ごときで仕事を(学校を)休んでたまるか!」という、妙に意固地なところがあり、普段あまり飲まない風邪薬を飲んで痛みを消して働き続けるという頑固者。こんなところで頑張ってもあんまり意味がないってわかっちゃいるんですけどね・・・。30過ぎてもまだ、成長なし。(笑
しかもこっちの薬なもんだから、強すぎるのか効き目抜群。頭痛も寒気もきれいになくなっちゃうので、気持ちいいくらいなのです。

そんなふうに自分の体をごまかして5日が過ぎ、さぁ後一日働けば週末だー!という金曜日。朝からまた頭はガンガンするし体中の関節は痛いし・・・とヨロヨロ歯を磨いていると、バスルームの前を通ったうちの旦那さん「おれも喉が痛くなってきた・・・」
なぬ!?
今週はエッセイの仕上げで多忙だって聞いていたから、風邪をうつさないように細心の注意を払っていたのに!しつこいくらいに手を洗い、常にマスクを着用し、ベッドも別にして、彼が食べるものには一切触らず、一定の距離を保って会話(笑)していたのに!!第一、私が料理する気力もないからって缶入りのスープを食べている間、冷蔵庫に野菜も果物もあるっていうのに、彼が自分用に作るものといえばホットドッグかチーズを挟んで焼いただけのサンドイッチ、そして大量のエスプレッソ。抵抗力が落ちるに決まってんじゃん!!
かっちーん。と、ガンガンする頭に余計に血を上らせてしまったわたし
「私が弱っているときくらい、自分の健康管理は自分でしてもらわないと困るッ。野菜もいっぱいあるのに食べようともしないで。そこまでわたし、世話できないよッ!」と捨てゼリフを吐いて、ずんずんと出勤してしまったのでした。

大丈夫?の一言もなく、八つ当たりみたいに一方的にあんなに言われて、温厚な夫もさすがにむかっ腹立ってるだろうなぁ・・・と家に帰ってみると、そこに夫の姿はなく、テーブルの上に置手紙。
『おかえり。大学の図書館で調べものがあるので、遅くなるかも。ディナー(らしきもの)を作ってみたので、よかったら食べて。食べたらゆっくり寝てるんだよ!』

「ディナーらしきもの」という言葉に笑いながらキッチンに行ってみると、炊飯器の中にはちょっと柔らかめの炊き立てのごはん、フライパンの中には野菜炒め・・・らしきものが。
ふつうさー、風邪引きには温かいスープとか鍋とかおかゆとかなんじゃないの~?と心の中で悪態をつきつつ、慣れない包丁を握ってなんとか野菜を切って、どのくらい炒めたらいいのかもわからなくて炒め過ぎて玉ねぎがとろとろに溶けちゃって、炒めた満足感でつい味付けを忘れてしまったような、とても美味しそうには見えない野菜炒めと不器用にも悪戦苦闘する夫の姿を想像して、思わず笑みがこぼれたのでした。

塩胡椒とちょっとの醤油で味付けをして食べた野菜炒め、マッシュルームがみごとに2パック全部入っていて(分量の目安もわかんないんでしょうね!)美味しくて(マッシュルームがね 笑)、一口食べるごとに「冷たくしてごめんね。もっと大切にするからね。」と反省を噛み締めたのでした。


そして金曜の夜からみっちり週末にかけて、食べる・寝る・用を足すという人生における重大な3要素にのみ集中し、見事に風邪菌を撃退!!
明日からは、また元気に仕事に行ってきます。あぁ、健康って、すばらしい!