このブログでも何度か登場しているクレア。お互いのアパートが歩いて10分かからないということもあり、月に何回かはどちらかのアパートで夕食を一緒に楽しんでいます。日本の、それも岩手で1年間英語を教えた経験があるクレアは、漢字まで勉強したという日本を愛するイギリス人。
先週末に我が家で夕食後にビールを飲みながらお喋りしていたとき、旦那たちが今年の夏のキャンプの計画話に花を咲かせている間、クレアがふと漢字の話をし始めました。
私たちの会話はいつも英語ですが、日本語、スペイン語、そして今ではフランス語と様々な言語に触れてきたクレア。その彼女からみると、「日本語が一番美しい言語」だそうです。
「たとえば…わたしが一番好きなのは『言葉』という単語。うっとりするくらい美しいでしょう?『words(言)』が『leaves(葉)』のように大小様々、色とりどりにたくさん折り重なって、木になり森になるように物語ができる。たった一つの単語がこんなにロマンチックな言語は他にはないよ。」
ほろ酔い気分で聞いていた私は、思わずはっと息を呑みました。
あぁ、ほんとだ…。とても綺麗だ。
そういえば小学生の頃は、漢字を勉強するたびに今のような楽しい驚きがあった気がする。あまりに身近にありすぎてすっかり忘れていた母国語の美しさを再発見してちょっと嬉しくなっていると、そういう私に気付いたのか、あるいはクレア自身も話していて楽しくなってきたのか、クレアの口からどんどん漢字が出てきました。
「『風』という漢字はとてもかわいい。風にとばされないように、虫が葉や木の根の下に隠れているように見えるでしょ?」
「似たような形で『凪』という漢字はとっても賢い。風が止んで波が穏やかになる風景が漢字ひとつで描かれていて。」
「『東』という漢字も、昇ってきたお日さまが木の向こうで輝いているみたい。」
日本人の私がイギリス人のクレアに、日本語の感動を教えられました。
「漢字」というからには中国からの輸入ものでしょ?と中国人に反論されちゃうかもしれませんけれども、「凪」や「峠」「働」のように、国字と呼ばれる日本人がつくった漢字もあります。(国字一覧はこちら)
友人には「漢字だらけの中国語を見ただけで、目が見えなくなっちゃったみたいに何も受け付けられなくなるけれど、日本語は平仮名があるおかげでどの単語がどこで区切られているのかがわかって機能的。それに平仮名ってダンスしているみたいで見ていてかわいい!」と言われます。
漢字で思い出しましたが、先週くらいの“The Economist”に載っていた記事で、中国では電子IDカードの導入に向けて、コンピューターで表示できない古い漢字や難しい漢字を使った名前は、今後一切登録できないようにする法律をつくるというような記事がありました。今までも、運転免許証や証明書など、表示できない漢字があった場合は全て「*」で表示されていたようです。日本でもし表示できない漢字だったら…平仮名を使うのかな?
でも、名前の制限をするよりも「表示できるソフト」を作ったほうがいいと思うんだけどなぁ。なんだか漢字が消えてゆくようで寂しいなぁ。
クレアのおかげで、日本語の美しさを再発見した週末でした。
先週末に我が家で夕食後にビールを飲みながらお喋りしていたとき、旦那たちが今年の夏のキャンプの計画話に花を咲かせている間、クレアがふと漢字の話をし始めました。
私たちの会話はいつも英語ですが、日本語、スペイン語、そして今ではフランス語と様々な言語に触れてきたクレア。その彼女からみると、「日本語が一番美しい言語」だそうです。
「たとえば…わたしが一番好きなのは『言葉』という単語。うっとりするくらい美しいでしょう?『words(言)』が『leaves(葉)』のように大小様々、色とりどりにたくさん折り重なって、木になり森になるように物語ができる。たった一つの単語がこんなにロマンチックな言語は他にはないよ。」
ほろ酔い気分で聞いていた私は、思わずはっと息を呑みました。
あぁ、ほんとだ…。とても綺麗だ。
そういえば小学生の頃は、漢字を勉強するたびに今のような楽しい驚きがあった気がする。あまりに身近にありすぎてすっかり忘れていた母国語の美しさを再発見してちょっと嬉しくなっていると、そういう私に気付いたのか、あるいはクレア自身も話していて楽しくなってきたのか、クレアの口からどんどん漢字が出てきました。
「『風』という漢字はとてもかわいい。風にとばされないように、虫が葉や木の根の下に隠れているように見えるでしょ?」
「似たような形で『凪』という漢字はとっても賢い。風が止んで波が穏やかになる風景が漢字ひとつで描かれていて。」
「『東』という漢字も、昇ってきたお日さまが木の向こうで輝いているみたい。」
日本人の私がイギリス人のクレアに、日本語の感動を教えられました。
「漢字」というからには中国からの輸入ものでしょ?と中国人に反論されちゃうかもしれませんけれども、「凪」や「峠」「働」のように、国字と呼ばれる日本人がつくった漢字もあります。(国字一覧はこちら)
友人には「漢字だらけの中国語を見ただけで、目が見えなくなっちゃったみたいに何も受け付けられなくなるけれど、日本語は平仮名があるおかげでどの単語がどこで区切られているのかがわかって機能的。それに平仮名ってダンスしているみたいで見ていてかわいい!」と言われます。
漢字で思い出しましたが、先週くらいの“The Economist”に載っていた記事で、中国では電子IDカードの導入に向けて、コンピューターで表示できない古い漢字や難しい漢字を使った名前は、今後一切登録できないようにする法律をつくるというような記事がありました。今までも、運転免許証や証明書など、表示できない漢字があった場合は全て「*」で表示されていたようです。日本でもし表示できない漢字だったら…平仮名を使うのかな?
でも、名前の制限をするよりも「表示できるソフト」を作ったほうがいいと思うんだけどなぁ。なんだか漢字が消えてゆくようで寂しいなぁ。
クレアのおかげで、日本語の美しさを再発見した週末でした。