日々是好日 in Canada

写真と日記で綴る、日々のこと。

砂漠の夕日

2010-04-27 | 【旅行記】ヨルダン2010
テントの裏山に登って眺めた、砂漠の夕日です。

ゆっくりとゆっくりと落ちてゆく夕日。同じスピードで、ゆっくりと砂漠も色を変えてゆき、どこまで眺めていても飽きない夕日でした。




そんな美しい砂漠の夕日を眺めながら、カンパーイ!



銀のカップの中身は・・・レバノン産の赤ワイン。




とろとろ玉ねぎとベドウィンオーブン

2010-04-25 | 【旅行記】ヨルダン2010
どんなに日記が滞ってしまっても、何から何を書けばいいのかもうわかんなくなっちゃっても、やっぱりはずせない、食日記。
と、言うよりも、遠い旅の記憶を呼び覚ますと、真っ先に鮮明に頭に浮かんでくるのは食べ物の思い出であり、口の中は唾液でいっぱいになるのでありました。


ということで、今回はワディ・ラムのベドウィンテントに泊まったときの夕食日記。

日が落ちると一気に寒くなる、砂漠の夜。
テントの脇で焚き火をしていたアリのまわりに、暖を求めて私たちも、ひとり、またひとりと集まってきました。
暖かいオレンジ色の火に照らされて、頬も手のひらも温まり、パチパチという音を聞いていると、さて今晩の夕食は何だろう?ベドウィンディナーってどんなん何だろう?と、頭の中はすっかり楽しい疑問ばかり。

その一方で、誰も料理をしている気配がない・・・。
焚き火のまわりには全員いて、誰もどこか別の場所で料理している風でもない・・・。
うむ、これはラダックの時同様、かなり遅い時間に夕食なのかもしれない。などと思っていると、アリが焚き火を小さくし始め、あっという間に火はなくなって赤い炭が残るばかりになりました。
まだ赤い炭を脇によけ、さらにその下にあった砂をよけ始めると、下には逆さまになった大きなトレイのようなもの。そして更にそれを取り外すと、中からこんなものが登場!



焚き火の下には、ベドウィン式オーブンがあったのでした。
焚き火をしながら、実は料理もしていたなんて、すてき~!

底にも、まだゆらゆらと赤い炭が敷き詰めてあります。この網を中に入れて蓋をし、その上で焚き火をすると、砂に埋め込まれたオーブンのできあがり。

このオーブンで炭火焼にしたスパイスの効いた鶏肉と、それから丸ごとジャガイモや丸ごと玉ねぎがゴロゴロ。ホブスというアラブのパンやご飯、野菜煮込みなどと一緒にいただきました。

炭火焼オーブンですから、も~ジューシーでとってもおいしい!
そして、何と言っても美味しかったのは、とろっとろの玉ねぎでした!
玉ねぎを丸ごと、あの一番外側の茶色いパリパリの皮もついたまま、そのまま焼いただけなんですけれども。
薄暗いテントの中で食べているとき、もうすっかり黒こげになった部分を開いて、中身をスプーンですくって食べたときには、最初、芋かな?と思ったくらい。とっても柔らかいマッシュポテトのようにとろ~っとしていて、口の中に入れると、優しい自然の甘みが広がります。


もちろん、おかわり



美味しい夕食で幸せになった頃、大きなやかんでシャイ(お茶)がでてきました。
インドのチャイと違って、ミルクは入らず、茶葉と砂糖を一緒にぐらぐらと煮たお茶です。アラブではこれをシャイと呼びます。

熱いシャイのカップを手のひらで包み、アリとマハムッドが奏でるベドウィン音楽を聴きながら、砂漠の夜は更けていきました。


砂漠の春

2010-04-18 | 【旅行記】ヨルダン2010
皆さま、こんにちは。
ちょっとの間お休みしていた日記、生活もちょっと落ち着いてきたので再開・・・・しようと思うんですけれども、溜まった日記ほど手に負えないものはない、と改めて痛感。

でも、すっ飛ばすにはあまりにももったいない風景を見てきたこの数週間、逃げずに日記に収めておこうと思います。老後の楽しみに

ただ、前の旅行記では、マジメに最初から隅々まで書いていたため、書くほうも読むほうもちょっと疲れちゃった感が残ったような気がするので、今回はもう、思い出したものから、目にとまった写真から、徒然なるままに。



まずは、前回の写真日記のつづき、ヨルダンのワディ・ラム日記から。
ヨルダンの南部、サウジアラビアとの国境に近いところに広がる、岩砂漠。ワディ・ラムはその砂漠にあって、ベドウィンたちが住んでいます。

3月の終わり頃の砂漠を、ジープの荷台に乗って駆け抜けているとき、突然視界に飛び込んできた、砂漠に違和感のある、色。それが、上の写真です。
果てしない青空の下、乾いた砂一面に紫色の小さな花が咲いていました。


砂漠に、花!


思いもしなかった砂漠のこの景色。可憐な花の小さな生命力に、思い込みは捨てなさい、と言われているような気持ちでした。