やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【中学歴史教科書8社を比べる】159 <脱線>中学用日本史教科書で、外国の歴史についてどの程度描くべきか? 2/2

2017年04月23日 | 中学歴史教科書8社を比べる(h28-令和2年度使用)

前回のつづき~

 《どの社の教科書が、どの国を重視している(=頁使用量が多い)のか》については、評価無しで伝えることができるので、このシリーズの使命は果たせる。

 が、せっかくだから、もう少し具体的に考えてみる。

 

■「近・現代史」のなかで、近隣諸国をどの程度描くべきか

 明治維新(1868)から大東亜戦争終戦(1945)までの77年の間で、我が国と歴史的関係の深かったアジア・西太平洋の国々を、距離が近い順に挙げると、

① 昭和20(1945)年の終戦時まで数十年間「日本」であった朝鮮半島(李氏朝鮮を併合1910-)と、台湾(清から割譲1895-)。

② 「満州事変」や「支那事変」をへて我が国と長く戦争状態だった中国亜大陸 (清国→中華民国/1949から中華人民共和国)。

③ 我が国と東アジアへの影響力を競い、戦ったロシア(※1922-1991年は「ソビエト社会主義共和国連邦=ソ連」)。

④ 欧米列国の植民地であり、大東亜戦争で日本軍が侵攻し、戦中と戦後すぐの一時期にさまざまな形でその独立を支援した、東南アジアからインドまでの多くの国々

⑤ 第1次世界大戦後、我が国が「委任統治」していた南洋諸島 など。

 

◆ Ⅰの観点(客観的なかかわり度)でみると、おおむね上記の距離順とちがわないようだ。

 

◆ Ⅱの観点(重要度)で、我が国の近い将来(10年ほど)、その国との関係による影響がどんなものになるだろうか、と考えると・・・ 

 (※当然、考える人によりちがってくる。なお、期間を長くとるとまったく予測できない! ただし、距離の要素は、しだいに薄まることはあるだろうが、日本が存続する間はなくならない。)

 

 A 好ましい影響があるだろうと思える国・・・④ > ⑤ > (ロシア)

 

 B 好ましくない影響があるだろうと思える国 (敵性国家、違いすぎる文化、など)・・・中共(存続している場合) > 北朝鮮(同前) > 韓国 > (ロシア) 

 (※現在の我が国を国策として敵対視しているのは、中華人民共和国と朝鮮半島(朝鮮民主主義人民共和国・大韓民国)だけ)

 

・重要度順 ~どんな影響だろうと、その大きさを考えれば~ (※字は負の影響)

 1 中共・・・武力紛争あるいは日本侵略の可能性 /経済的関係 /在日中国人

 2 北朝鮮・・・敵対行為 /武力紛争の可能性 /拉致日本人の未返還 /在日朝鮮人

 3 台湾、④の国々・・・政治的、経済的連携による相互恩恵 /在日○○人

 4 ロシア・・・油断ならないが… /世界のパワーバランス上無視できない存在(核戦力)(日米関係) /「北方領土」問題

 5 韓国・・・日本敵対視 /在日韓国人 /竹島占拠

 6 南洋諸島・・・親日の国々(島々)

 

 したがって、もし私が中学日本史を書くのなら、上の順で記述量を配分する。

・「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」
 友好国との貿易・交流が完全にとだえても国(民)は存続するが、敵対国から攻撃(武力戦、情報・文化戦、サイバー戦など)を受ければ、侵略や国家崩壊が起き、亡国の可能性がある。

 

~次回、日清戦争のころ~

 

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