■まとめと考察 ~その6~
~まとめ表再掲~
前回、《歴史事象における「数」》の問題を考えた。
これからは、ウィキペデアの「定説」や「諸説」のなかで、《その事象の重要な要素としての数》が示されている場合、《なんらかの表現でその数に言及している》ことを○評価(適切)の原則とする。
この場合、「多い」「少ない」などの、《原理的に数が不明な、あいまいな表現》については、△評価(=不適切とまでは言えないが、適切とも言いがたい表現)、または×評価(=中学教科書として不適切)とする。
ただし、そのような相対的表現であっても、《具体的な基準を示し、その基準より多い、あるいは、少ないとする表現法、など》もあり、その場合は、そのつど慎重に検討する。)
3 「殺された朝鮮人などの数」の描き方
A 数にまったく言及なし・・・△ 育鵬社 自由社 帝国書院 清水書院
※1 かなり幅広いが”推測数”は発表されている。特に政府機関発表の数(犠牲者の1~数%)は重要。
※2 「朝鮮人が・・・殺された」という表現では、まったく人数が分からず、中学生のなかには《被災地の朝鮮人がみんな》とか、数人とか、数万人などと想像する可能性がある。
※3 現在、北朝鮮や韓国が「敵性国家化」しており、《日本人の8割以上が、韓国・北朝鮮(人)は好ましくないと思っている》という、かなりおかしな状況になっている。また、この状況が短期で改善されるとは思われていない。ほんの百年前におきた不幸な事件はしっかりと教訓にしていくべきだろう。
B 「多くの」・・・△ 東京書籍 教育出版 日本文教
3社とも、震災全体の死者の数を「10万5000人」「10万人以上」と書いている。その状況の中で「多くの」と書けば、”少なくとも数万人”などと誤解する可能性が高い。
※検定ずみの中学教科書だからあえて△にしているが、専門的歴史書や市販歴史書なら、即×。こんな無責任でいい加減な印象表現は、《恥知らずな国や人間》が政治的宣伝や商業宣伝で使うもの。
C 「おびただしい」・・・× 学び舎
「多く」よりはるかに多い、ものすごく多い、という意味。学び舎は「被害者:10万5000人」という数を書いているのだから、「おびただしい」で推測する数は、数万人ぐらいだろう。
悪質な印象操作(※意図的なのか、他人の表現をうのみにしているのか、知らないが)。中共+米国(の一部)や朝鮮半島がやっている「南京大虐殺キャンペーン」と同じような思考と手法。
せっかく、資料でとても学問的な数字を紹介しているのに、本文でいいとこぶちこわし。(※もしかして、文科省の検定意見の圧力で資料を追加したのかな???)
~次回、「日朝関係(明治-戦前)」の総まとめと考察~
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