やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【中学歴史教科書8社を比べる】177 ⒄ 日朝関係(明治-戦前)の描き方 その24 <ⅵ 関東大震災5:まとめと考察 4>

2017年05月11日 | 中学歴史教科書8社を比べる(h28-令和2年度使用)

■まとめと考察 ~その4~

1 記事に占める「殺害事件に関する文章」の割合について 2/2


 

 全社が、必須要素ABCDについて言及しており、その点に不備はない。

 ただし、(繰り返すが、)実物コピーで紹介した記事は、全社とも、「関東大震災時の殺害事件」の記事ではなく、「関東大震災」について中学生に伝えるための記事。

・したがって、学び舎と日本文教については、《一部(=地震による混乱からの派生的殺害事件)を強調しすぎて全体のバランスを欠いている》と判断・評価して、△とすべきではないかと思う。(※学び舎は×レベルとも思うが…)

 これでは、中学生の印象・記憶の中心が、「関東大震災」ではなく、「殺害事件」になってしまう恐れがある。(※殺害事件について具体的に書きたければ、本文ではなく、注釈欄やコラムで扱えばよい。)

 

自由社については重要な教訓とすべき殺害事件に言及しない点で、△とする。

 ※全社とも書いていないが、「朝鮮人集団殺害事件」は、ほんの4年前に朝鮮でおきた「三・一独立運動」などの抵抗運動(紛争)が強く影響しているのではないかと思う。朝鮮半島に住んでいる日本人のなかには強い恐怖を感じた人々がいたらしい。
 《民族や国家間の非正常な関係が及ぼす不幸な結果》の例として、日本人が忘れてはいけない教訓だと思う。

 

  ~次回、まとめと考察5~ 

<全リンク⇒> <日朝関係(戦前) 152153154155156157158159160161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180(この項完)>