映画とライフデザイン

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映画「櫛の火」ジャネット八田&草刈正雄&桃井かおり&神代辰巳

2022-09-04 17:59:03 | 映画(日本 昭和49~63年)
映画「櫛の火」を名画座で観てきました。

櫛の火は1975年の神代辰巳監督作品、草刈正雄が主役でジャネット八田と桃井かおりが相手役である。昭和50年代に入ったばかりで町並みや部屋の古さが過渡期の感じがする。映画の存在は知っていても、DVDにない。観るきっかけがなかった作品のひとつである。日活映画主戦場の神代辰巳青春の蹉跌がヒットした後、東宝で一連の作品を監督をしている。人気監督として脂が乗り切っている。ジャネット八田のヌードは週刊誌のグラビア等で当時話題になった記憶がある。結局観に行っていない。古井由吉の原作はあるけれど、必ずしも忠実ではないようだ。

スタートから説明は少ない。映画が始まり草刈正雄がうなだれたパフォーマンスを見せた後、ジャネット八田の絡みと、桃井かおりとの絡みを交互に映す。神代辰巳作品だけに、ねちっこい。当時人気だった女性2人とも気前よく脱いでくれる。でも、一体何者なのかそれぞれのプロフィールが何も語られていない

しばらくして、桃井かおり草刈正雄に話し始める。学生運動にのめり込んだ後に草刈正雄と付き合い始めたようだ。そのうちに、病院内でヒステリックになっている桃井かおりを映し始めたと思ったら、いきなり病院内での通夜のシーンだ。ジャネット八田が人妻だとわかるのもずっと後、河原崎長一郎演じる亭主がいるけど、草刈正雄と関係を持つ。岸田森との怪しい関係もある。何かというと、すぐ戯れるくっついたままの状態は、日活ポルノ並みの絡み頻度で最近でいえば「火口のふたり」のようだ。

映画のストーリーを要約している文章を読むと、実際の映像とまったく違う映画を説明しているようだ。草刈正雄はMG5のモデルから役者になって2年目、セリフも不自然だし、まったくの大根役者である。しかもやせすぎボリューム感ある2人の裸体にはアンバランスなカラダだ。いいところがまったくない。それでも、当時の美人女優2人が気前よく脱ぐ相手役としてのカッコ良さがある。


改めて、神代辰巳の本を読むと、この映画はかなり編集でカットさせられたようだ。併映の萩原健一、岸惠子コンビの「雨のアムステルダム」との関係で30分近くカットされたという。名画座のフィルム状態が悪いのかもしれないが、ここまでカットされるとキツイ。高橋洋子が八田の夫役河原崎の愛人として出演しているが、中途半端な存在になっている。気の毒な感じがする反面、編集だけでなく映倫からもカットされた状態でもこれだけ濡れ場があるわけだから、実際にはどうだったんだろうか?と考えてしまう。神代辰巳監督の盟友撮影の姫田真左久これこそオ◯ンコ映画(映画監督 神代辰巳 2019 p219)だと言っているのもわかる。

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